- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594076467
作品紹介・あらすじ
──「小ネタ満載、私のマラソン解説より面白い!」──
(増田明美さん/元マラソン選手・スポーツジャーナリスト
作家・江上剛が新境地に挑んだランニングエッセイ『55歳からのフルマラソン』(2012年/新潮新書刊)に加筆、文庫化!
2011年、それまで運動らしい運動もしたことのなかった著者が、初めての東京マラソンを4時間8分で完走した。毎朝4時に起床、井の頭公園周辺を10キロ、時に30キロと走る生活を続けてきた成果だった。その前年、日本振興銀行社外取締役から、金融庁の立ち入り検査を妨害したとして、検査忌避で逮捕された木村剛の後始末を引き受ける形で頭取を務めるなか、同事件絡みで盟友が立て続けに自殺するなど、辛い日々もまた走り続けていた。文字どおり「マラソンとは人生」……走り切るまでの精神的かつ肉体的な実体験とコツを描き、社会的に経験を積んだ同世代の人々から、会社に栄誉や評価を求めることとは全く無縁の意義に共感できる、と支持されている一冊。
2016年10月、かつて江上剛氏がフジテレビ「めざまし土曜日」で共演して以来、親交のある、ガン闘病中の小林麻央さんへのエールを込めて挑んだ「えちご・くびき野100キロマラソン」を完走。その思いを「62歳で100キロマラソン」として加筆。
カバーデザイン:常松靖史
装画:K.タエコ
感想・レビュー・書評
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著者が仕事で困難に直面し、かつ不健康な生活をしていた時、知人から誘われて始めたマラソン。マラソンがその後、著者の健康やメンタルにとても良い効果をもたらし、マラソンにのめりこんでいく過程が描かれています。自分がマラソンを始めてからここまで来た道のりを思い出しつつ、大いに共感しながら読みました。マラソンはプロセスそのものである、という主張には特に同感。最後の100キロ挑戦の章を読んで、いつか自分でも出てみたい、いや、きっと出るだろうな、という気がしました。
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江上さんのマラソン実体験を物語にしたもので、日夜鍛えながら、56歳でフルマラソンを走り、62歳で100キロマラソンをサポートしてもらいながらだが、完走するとは凄い事だと思う。最後はちょっと感動しました(^^)
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銀行マンとして苦悩した著者ならでは,金融・財政情勢までもからめたマラソン本です。エッセイと言うべきかな。月・水・土の早朝ランニングの練習を始めて,半年でフルマラソン4時間30分とは少々嫉妬しますが,とても楽しんで読めました。
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ランニング本をきっかけに、金融や経済の分野へ読書をつなげて行けそう。著者はジョギングではなくマラソンの愛好家で、自分はランナーではなくジョガーであると自認しているから、走ることへの向き合い方が違うがけれど、著者の容貌が、唯一のラン友でもありフルマラソン初参加のきっかけにもなった大学時代の親友に似ていて親近感。
配偶者が走らないのは自分との共通点。出来れば妻と一緒に走りたいと常々考えている身としては、どうすれば家族を感化出来るかのヒントになる読み物が欲しいところ。
何にしても再び100キロ走破の野望が沸き起こってきた。有難う、図書館のランニング本コーナー。 -
マラソンは人生。年齢に関係なく実績を残す筆者のラン歴にはおおいに刺激を受ける。
金融業界の波乱の中に正に巻き込まれた筆者。唯一の安寧の場は朝ラン。ランで得た仲間の協力で大会にも出場し完走する。
凝り性ということもあろうが素質もあるのか、業務多忙な中でのこの実績は疑ってしまう。それぐらい素晴らしい記録。
走っている中での恍惚感、ランナーズハイの思考が良く描かれている。
ランナーにオススメの一冊であること間違いなし。 -
★4.1(4.13)2017年2月発行。元DKB銀行員。2003年銀行退職前後に作家に。その後日本振興銀行の社長という異色の作家が、2010年56歳でフルマラソンに挑戦。3回目の57歳のマラソンでサブフォー達成。その後6年で100キロマラソン完走。なるほど、周りに走る仲間がいるって素晴らしいですね。でも、僕には早朝マラソンは厳しいかな。走るコースは善福寺緑地公園と神田川と井の頭公園。結構僕とダブってますね。ということで先週井の頭公園まで走ってきました。小林真央ちゃんのガン克服応援で100キロ走ったのは凄い。
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誰でも始められるマラソンと言うけれど、誰でもってことはないと思う。
足に故障ばかり起こしていたら先天的なものがあったり、続けられない場合もあるし、お年寄りになってから走れるのは特殊だと思う。
どう鍛えようと、足腰を悪くしてる人には危険、無理。
運動神経はあまり関係なさそうなのはわかるけど。
基礎的にある人の方が有利かな…女性より男性の方が得だと思うし。筋肉のつき方も女は男より頑張る必要がある。
すでに体感鍛えられてる人とかスポーツ経験があると、すでに上乗せされてるし。
それでも、多くの人が始めやすいスポーツである。
俺はまだできる。
私はまだできる。
そう歳をとってから感じられる素晴らしいスポーツ。
走っていると、一点集中になったり、気持ちが萎えそうになったり、逆にハイになったりと不思議なものだ。
だけど、体への負担が酷いので(スピードを目指したりすると尚更)健康かと言えば、寿命を縮めてしまってないだろうか?とも思ってしまう。
それでも、ハマるとやめられない。
走ることは気持ちいい。しんどいのに清々しい。
中毒になる。
私も身体的にダメだとならない限り走り続けたい。 -
江上はその後日本振興銀行の社長に就任した。木村剛〈きむら・たけし〉会長と前任社長が逮捕された後のことだった。ある社外役員から毎日のように電話がきて「自殺したい」と告げた。彼はその後自殺を遂げる。バブルの泡に闇勢力が群がり、目をつぶった人々は追い詰められて死んでいった。
https://sessendo.blogspot.com/2020/01/5662100.html -
私が今年初挑戦した100kmマラソンのリタイアを報告した時に、ラン友が薦めてくれた2冊のうちの1冊。
先にもう1冊の方を読み終わった時の自分のレビューには、来年も(100kmマラソンに)挑戦すると決意して書いていたが、今はもうその気持ちは無くなっている。
ひとえに走力の無さ故。
ただ、これらの本を勧めてくれたラン友の気持ちは有り難いし、「初100kmで完走してしまうより、むしろリタイアした経験が有った方が完走した時には何倍もの至福の喜びが待っているのだから、リタイアの経験は貴重である」ということを私に伝えたかったのだろうということも充分理解できるし、確かにそうに違いないということもわかっている。
ちなみに本書の江上氏はリタイアなぞしていない。
立派に初100kmを(しかも平坦ではないコースを好タイムで)完走されている。
私にラン友が勧めてくれたのは、本書に関しては題名通り、この年齢でもまだまだできるということからだろう。
本書は、もちろん江上氏の置かれていた状況などを抜きにして書いたのでは特徴が無くなってしまうだろうから、それは全く構わないのだが、ご本人も脱線したと気付いておられるほどに逸脱した経済ネタの部分は、正直言って要らなかった。
そこが無くても、充分面白かったのだから。