Gマン 宿命の銃弾(下) (海外ミステリー)

  • 扶桑社
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本棚登録 : 73
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594076573

感想・レビュー・書評

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  • 2024.03.10
    アメリカの1930年代の風景がわかっていないと読みにくいのかもしれない。
    なぜ、銀行強盗を犯した者たちがヒーローのようにおもわれていたのかがよくわからない。

  • 久々に「スワガー・サーガ」を読んだ。いつものハンター節で描かれるのは、なんとボブのおじいちゃん、チャールズ・スワガーである。

    舞台は1934年、世界恐慌の余波が残り、禁酒法が終わり、イタリアン・マフィアの全盛期にも陰りが見えてきた頃で、その影響で裏社会の秩序も乱れている。
    銀行強盗が盛んに行われたこの時代の、実話を下敷きにして、チャールズ・スワガーの活躍劇が描かれる。

    スワガー一家のマッチョぶりは、このチャールズも変わらず(というか、遺伝的には先)なんだが、彼には第一次世界大戦を退役して以降、大きな秘密を一つ抱えていて…とこれは主筋から離れていることなのだが…圧倒的強さを誇るチャールズが、後半どうなっていくのか?「悪徳の都」で出てきたアールの冴えない父親像に、どういう風につながっていくのか。

    銀行強盗団(パブリックエネミーズ)達との息詰まるガンファイトが圧倒的魅力にあふれている裏で、こういう登場人物の葛藤を描く技法もいいなぁ。そしてさらに、その秘密を追う現代のボブの描写も複層的な効果があって面白い。

    基本的には荒っぽいガンファイト系アクション小説なのだが、重層的な構成を読み解いていく楽しみも含まれていて、一筋縄ではいかない小説。ただその重層さが単純にガンアクションを楽しむには少々クドく感じられてしまう部分もあったのは若干残念だった。

  • スワガーサーガは遂におじいちゃんの話になってしまいました。みんな同じような資質を持ち、みんなスナイパー。お父さんも悲惨な死に様だったけどおじいちゃんは輪をかけて可哀想。
    次はひいじいちゃんの話で、次は更にお父さん、行き着く先は南北戦争かな。

  • 下巻はベビーフェイス・ネルソンとチャールズが招かれた司法省の捜査局との戦いでした。
    自身の性的な問題は抱えつつもサムと言うそれを含めての仕事上の理解者を得て希望を持ったチャールズ、仲間を売った犯人を炙り出すために身を挺して罠を張るベビーフェイス、それぞれが周囲の人間への好意や愛情を抱いて信念のために動いていました。
    理解者であったサムを英雄へと押し上げるために自身は汚名を着るチャールズの心情はいかばかりか。
    ベビーフェイスが自分の目前で逃走し、その結果サムとエドを死なせてしまった悔恨の念とサムが導いてくれるはずだった未来が潰えた絶望を抱えた心のうちは想像もできません。
    前巻読了時には自堕落になり哀れな最期を遂げたと説明されてきた本作品以前のチャールズと本作品のチャールズの違いに驚いたものですが下巻を読了し、ようやく繋がりました。
    これだけのものを抱えてしまってはそれも仕方がないのかも知れません。

    しかし、他のスワガーシリーズに比べて後味の悪さと遣り切れなさを感じてしまうのでハンター作品としては評価が低めになってしまいました。

  • 自分好みではなかったかな…

  • 面白かった!チャールズがクールで格好良すぎる!チャールズの苦悩がいたたまれない。チャールズを主人公に、もう2作くらい書いてくれないかなぁ。

  • ストーリーはともかく、本筋に関係のない細かい銃器描写が多すぎてテンポを悪くしているとお思います。
    銃マニアは喜ぶかもしれないけどノンケの人もいるわけだし(というか多分その方が多い)、折角調べたんだから書かなきゃ損、っていう感じがちょっとね・・・・

  • スティーヴン・ハンター『Gマン 宿命の銃弾(下)』扶桑社ミステリー。

    上巻のスローな少しまどろっこしい展開から一転、ギャングが跳梁跋扈した1930年代を舞台にチャールズ・F・スワガーの秘めたる謎を明らかにしていく。

    ボブがチャールズの過去で追い求めることは一点のみ。何故チャールズがFBIの記録から抹消され、酒に溺れる転落の人生を送ることになったのか。

    本作はスワガー・サーガというよりも、ギャングどもが跳梁跋扈した1930年代を描いた歴史小説という色彩が強い。また、これまでは各時代のヒーローとして描かれてきたスワガー一族の男たちだが、本作ではチャールズのスキャンダラスな、人間的に脆い一面が描かれており、少し不満の残る作品だった。

    『ダーティホワイトボーイズ』に衝撃を受けて以来、スティーヴン・ハンターの作品を読み続けている。『極大射程』から始まったスワガー一族の物語は、ボブの父親・アールを描き、さらには息子のレイ・クルーズを描き、そして、本作では祖父のチャールズを描くという予想も出来ない広がりを見せてきた。この先、果たして続編があるのか非常に気になるところである。

    タイトルの『Gマン』はガンマンのことかと思ったが、連邦捜査官(ガバメント・マン)という意味。

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