- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594077167
感想・レビュー・書評
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それぞれの銀座の思い出話。
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好きな作家さんが多かったので嬉しくなった。
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1955年、銀座の香りを届けるタウン誌として発行。
創刊号から、久保田万太郎、吉屋信子、源氏鶏太らが
執筆陣として、名を連ね、その後の連載からは
向田邦子「父の詫び状」池波正太郎「池波正太郎の銀座日記」
和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」など名作多数が生まれ、
銀座の持つ文化的側面を伝えることを目的とし、
男性は上着のポケットに、女性はハンドバックに
収まるようなサイズ(13×18センチ)。
いろいろな時代の銀座がこの一冊に凝縮され、どの年代の
人が読んでもたのしいのでは?
銀座のど真ん中に生まれ暮らした人の執筆した文もあるが
私のように地方の田舎者で、気がひけるようなコンプレックスを
押しかくし、銀座を探検した思い出もたくさん掲載されていて、
「わかるなぁ〜」と共感を生む文も。
20代に、雑誌で銀座でもセールがあると知り
勇気を出して鳥居ユキのブティックに。
そこで、素敵なツイードのスーツと、タフタ生地のブラウスを
求め、なんとも大きな獲物を勝ち得た気分で、下宿に帰ったことを
思いだす。
銀座は、とても敷居が高いのは現実としてあるのではあるが、
銀座の人間はそんなびくびくものの輩も受け入れる
本物の粋も備えていると感じたものだった。