一緒にお墓に入ろう

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594080792

作品紹介・あらすじ

妻ともマンネリ、愛人ともマンネリ、仕事もマンネリ……。
「ああ、嫌だなぁ」

大手銀行の常務取締役執行役員にまでのぼりつめた大谷俊哉。
東京で勝ち馬に乗った人生を歩んできたものの、
仕事への“情熱”などとうに失われている。
そんな中、兵庫県丹波にある実家の母が死んだ。
地元で暮らす妹は嫁いだ身を理由に、墓を守るのは長男の役目だと言って譲らない。
そして妻は、「あんな田舎の墓には入りたくない」と言い出す。
ああ、俺にはお前しかいない……「一緒に墓に入ってくれ」。
愛人・麗子に勢いで言ってしまった。
そして、順風満帆だった人生が少しずつ狂い始める。
エリート銀行マンが、人生の終盤で迎える、まさかの結末とは!?

霊園詐欺、都心の納骨ビル、離檀料交渉、埋蔵証明書、閉眼・開眼供養、死後離婚……
田舎から離れて暮らす中高年を悩ませる「墓」をめぐる数々の問題と「墓じまい」をテーマに、最後の「居場所」を問う、大人の人生ドラマ!


第一章 腐れ縁
第二章 母の死
第三章 麗子の深情け
第四章 田舎の墓
第五章 墓探し
第六章 同窓会
第七章 都心の納骨ビル
第八章 墓じまい
第九章 離檀料交渉
第十章 居場所


江上剛(えがみ・ごう)
作家。1954年、兵庫県生まれ。?77年、早稲田大学政治経済学部卒業。第一勧業(現みずほ)銀行に入行し、?03年の退行まで、梅田支店を皮切りに、本部企画・人事関係部門を経て、高田馬場、築地各支店長を務めた。?97年に発覚した第一勧銀の総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾とコンプライアンス体制確立に尽力、映画化もされた高杉良の小説『呪縛 金融腐蝕列島Ⅱ』のモデルとなる。銀行在職中の
?02年、『非情銀行』(新潮社)でデビュー。以後、金融界・ビジネス界を舞台に、経済小説の枠にとらわれない新しい金融エンタテイメントを描いている。「真相報道―バンキシャ!」(日本テレビ系)、「Mr.サンデー」(フジテレビ系)他、テレビ、ラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書に『起死回生』(新潮文庫)、『腐
蝕の王国』『円満退社』(ともに幻冬舎文庫)、『56歳でフルマラソン62歳で100キロマラソン』(小社刊)、『ザ・ブラックカンパニー』(光文社文庫)、『庶務行員多加賀主水が泣いている』(祥伝社文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)など多数。

感想・レビュー・書評

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  • 八方美人の主人公が引き起こす、ちょっとおかしな関係。それぞれの立場から一つの事象(不倫、昇進)の捉え方、思いを言うシーンには「そうだったのか」と感じた。相手の胸のうちは、そう簡単にはわからないものなのねと。
    墓じまいなども参考になった。面白いけど、最後がいつも駆け足で物足りない。

  • 初読みの作家さん

    主人公は東大を出て大手銀行の執行役員にまでのぼりつめた大谷俊哉。
    妻、小百合と一見平穏な暮らしをしている様に見えますが十年来の愛人、水原麗子との浮気を楽しむ日々を送っています。

    そんな中、兵庫県丹波の実家に住んでいた86歳の俊哉の母が亡くなった事から物語は始まる。

    田舎の墓に入りたくないと言い出す妻の小百合。
    それが元で俊哉は愛人の麗子に「一緒の墓に入ってくれ」と勢いで言ってしまう。

    登場人物が皆、揃いも揃ってぶっとんだ人ばかりで共感出来る人物もおらず最初から最後までコメディドラマを観ている様でした。

    今時のお墓事情、墓じまい、最近たびたび耳にする死後離婚
    興味深い内容ではありましたが、軽い印象の物語でした。

    ※余談ですがP38 2行目 「はい、大谷ですか」の「か」は「が」の間違い
    同じくP38 10行目<お母さま>は清子のセリフなので<お母さん>の間違いだと思います。
    誤字脱字が目立ち、途中で引っ掛かりを覚え気持ちが中断してしまうのが残念でした。

  • 妻がいいんだなー。愛人がどんなに尽くしても。待ってるだけの女って何をモチベーションにしたらいいんだろう。辛いなー。男って自分勝手。

  • 長年連れ添った俊哉には愛人がいる。面倒なことは後回しにして、自分の都合だけで生きてきた。いつの間にか愛人と妻が何故か仲良くなって、一緒に住んだり一緒にお墓に入ろうと、普通はならないだろー!

  • 2019.09.23
    江上剛さんてこんなのも書くんだなあ•••。終活では必ずと言って良いほど話題になるお墓。夫婦の考え方、よくわかるわ!^_^

  • 一年前に、著者の座礁という本は経験を元にしているだけあって、シリアスだったがこの本は今時のお墓問題に絡めて笑える作品だった。荻原浩の作品を読んでいるような、錯覚をさせる感じ⁉︎

  • お墓にまつわるエトセトラ。
    帯に書いてあるとおり、愛人とも、会社でも、家庭でも、うまく行ってるようなマンネリのような…今までの人生は勝ちだったけど最後に…
    やっぱり著者は元銀行員だったのか、道理で。私も大昔、銀行員だったので、わかるところもある。

  • 主人公lは大手銀行の役員だが、とんだ俗物で愛人や家族にまつわるトラブルばかり。身から出たさびで前途が暗い…。年を取ってからの参考になればと思って手にとったが肩透かし、辟易させられた。

  • 最後が、ちょっと残念。軽い読み物。

  • 誰もが歳を取ると少しずつ考えてくるお墓の話で色々な面で考えさせられる一冊。大手銀行の常務まで登り詰めまだ出世欲が有り且つ愛人を持つ主人公は少し一般人とは異なる設定だが、自分の母の死且つ田舎の墓が有りながら一極集中の東京でのサラリーマン生活を営む共通の悩みとなるお墓の悩みを切実にそしてコミカルに描く。最後は、お墓繋がりで不倫が仕事、会社にばれて妻、愛人に三下り半を突き付けられ、仕事は左遷させられる。
    お墓の移設は、改葬許可申請書、埋蔵証明書、受入証明書、閉眼供養、開眼供養等々お金も時間も大変な様で無縁仏も多くなる状況は理解出来る。
    男は定年後も若い女性との繋がりを持ちたい本能は誰もが持っていると思うがその代償も大きい事で理性が働くのだが。。主人公は本能が勝り行き着くところまで行ったと言う内容。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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