ゴーマニズム宣言 2nd Season 第1巻

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594081188

作品紹介・あらすじ

あの『ゴーマニズム宣言』が、23年ぶりに『週刊SPA!』に復活!!
小林よしのり、最期の戦いが「より凶暴に」始まる!

 1995年、オウム真理教事件への報道姿勢の違いから『週刊SPA!』と決別した小林よしのりさんが、23年のときを経て『ゴーマニズム宣言』の連載を再開し、『週刊SPA!』に復活しました(2018年4月から)。

小林さんは『ゴー宣』を復活させた理由を、次のように語ります。

「再びわしが毎週という過酷なペースで『ゴーマニズム宣言』を描くことにしたのは、怠惰と堕落の底に沈んだ日本を、再浮上させるための最期の戦いが必要だと決意したからである。
未だ皇位の安定的継承もならず、戦後レジームからの脱却もならず、貧富の格差拡大や、少子高齢化における将来不安、女性の地位やLGBT等の問題、先端生殖医療の倫理観など、あらゆる価値が混沌とする状況で、総合的に語る思想漫画を子孫に残しておこうと考えた。」(巻末収録「檄文」より)

 するどく現在の社会問題に切り込む本作では、

●安倍改憲には権力の暴走を縛る「立憲的改憲」で対抗せよ!
●オウム13人の死刑を経て、「オウムに殺されかかった漫画家」としてあの事件を総括!

 といった大テーマのほか、セクハラ問題、日米地位協定、新幹線通り魔殺人事件など、さまざま事象に対し、「ごーまんかましてよかですか!?」と数々の"断言”な問題提起します!

【小林よしのりさんプロフィール】
 漫画家。1953年、福岡県生まれ。『東大一直線』でデビュー。『おぼっちゃまくん』などのギャグ漫画が子供たちの間で大ブームに。1992年、『ゴーマニズム宣言』の連載スタート。思想エッセイ漫画という新ジャンルを打ち立て、1998年の『戦争論』も大ヒット。その他、『沖縄論』『台湾論』『天皇論』などヒット作多数。2014年、23年ぶりにかつて決別した『週刊SPA!』で『ゴーマニズム宣言』を復活させる。

感想・レビュー・書評

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  • 29年前の1992年、雑誌『SPA!』で『ゴーマニズム宣言』が始まり、編集部との意見の食い違いから3年後に決別、それから23年後の2018年復活したのがこのシリーズ。

    続けて第二巻も読んだのですが、よしりんはあちこちで敵を作っている。
    でもこうして23年たって元の場所に戻れるというのは、ものすごいパワーだと思う。
    彼の人格と能力の成せる技。
    やはり漫画が描けるってすごい力なんですね。

    この第一巻でたくさんページをつかっているのは、
    「立憲的改憲」「オウム」
    よしりんはオウムに命を狙われた漫画家。
    『ゴー宣』復活数か月後に麻原が死刑になっています。
    この辺の臨場感がものすごい。

    山尾志桜里さんはスキャンダラスな女性という印象だったのですが、よしりんが描くとまるでちがう。
    私ワイドショーの影響を受けています。

    『君たちはどう生きるか』私は読んでいないけど
    ベストセラーになっていたことは知っていました。
    よしりんは、新幹線でナタを持った男を押さえ
    皆を助け、自身が殺されてしまった梅田耕太郎さんについて描いています。
    それに対してこの本については
    「なんじゃ、こりゃ?
    これは、いざという時に、必ず逃げるという男を、
    どう正当化するか?という話だ!」
    と言います。
    「称賛されるべきなのはコペル君ではなく、
    自分の命を賭して女性二人の命を救った
    梅田耕太郎さんである!」

    自分が気が付かなかった考えていなかったいろいろな意見が見られそうで、このシリーズ引き続き読みます。

  • レビュー済みの商品 · 2020年11月2日

    ゴーマニズム宣言2nd Season第1巻
    小林よしのり氏による著作。
    2018年12月15日初版第1刷発行。
    週刊SPA2018年4月10・17日号~2018年9月11日号

    かつてオウム真理教と対決していた小林よしのり氏。
    その時期に当時のSPA編集長宅八郎氏がオウムを擁護するような企画を出していた為、それに怒りSPAを出てSAPIOでゴー宣を連載するようになった。
    23年ぶりにSPAでゴー宣を連載するようになった。
    その意味が感慨深い。
    結局ゴーマニズム宣言で求められていたのは現代社会への切り込み、小林よしのり氏なりの見解なのだろうと思う。
    昔、SAPIOで古寺記というシリーズもあった。
    しかし、反響は無かったように思う。
    実際単行本にも収録されていないはずだ。
    その意味で個人的には嬉しいSPAでの連載再開となった。

    本書収録の後半にはオウム真理教幹部達の死刑に関して
    事件の振り返りと死刑は正しいと。
    個人的には君たちはどう生きるかという本と新幹線内での事件についての
    考察が大変良かった。
    君たちはどう生きるかそのものはまだ読んでいない。
    しかし主人公コペル君は2度も逃げ出すのかと。
    確かに違和感しか覚えない。

    印象に残った点を紹介していくと

    デビュー作にはその作家のすべてがある

    価値相対主義はまずいだろう
    そして公と私の区別もやっぱり必要だ

    公務員は全体の奉仕者であり公僕である。
    一部の奉仕者、つまり官邸の下僕であってはならないのだ

    憲法は聖書では無い
    憲法は権力を縛る道具である
    それが立憲主義の本質なのだ
    すでに死文化している今の憲法を権力が守らざる得ない憲法に
    改めようというのが立憲的改憲である
    そのために憲法裁判所をつくる

    フランスなどでは憲法裁判所が設置され国民の信頼を得ている
    憲法を絵に描いた餅ではなく本当に権力を縛れるものにする
    それが立憲的改憲だ

    古市憲寿が「忖度なんて誰だってしてる」と言ってましたよ
    →それって「気づかい」のことだろ
    自分の利益のためであって相手を思いやるためではない

    男系妄信は伝統ではない
    女性差別以外の何ものでもないのだ
    日本は一神教の国ではない
    絶対神はいない
    女人禁制も男系絶対固執も伝統ではない!
    変えるべき因習はさっさと変えろ


    君たちはどう生きるか?
    わしはこれを読んで思った。なんじゃこりゃ?
    これは、いざという時に、必ず逃げる男を、どう正当化するか?
    という話だ。
    コペル君は2回も友達を見捨てて逃げ、それでも正当化され称賛され
    許される。そんな虫のいい話を描いている本が200万部以上の大ヒットなのだ。
    今の世の中は、いざとなったら逃げる、
    親しいものでも見殺しにする、見て見ぬふりをする、という人間ばかりになっている。

    称賛されるべきなのは、コペル君ではなく、自分の命を賭して女性二人の命を救った梅田耕太郎さんである!


    なぜ高学歴の若者がオウムに入ったか?
    →むしろ純粋で高学歴だったからこそオウムに引き寄せられた当時の若者の大好物を全部ぶち込んであったことも、彼らがオウムに引き寄せられた大きな要因だった。

    アドルフ・アイヒマン
    アイヒマンは全く凡庸な小役人だったから、ヒトラーの命令を忠実に遂行して全く事務的にユダヤ人をガス室に送り込んだのだ。
    むしろ本当に悪魔がいたら、わかりやすいのにと思うのだが、この世の中は、ごく普通の人間が巨悪を働くことが出来る
    だからといってアイヒマンは悪魔でも何でもなく普通の人間だったのだから
    死刑にすべきでは無かったと言えるだろうか?
    オウムの幹部達も同じことだ。
    彼らが悪魔だから死刑にするのではない。
    犯した罪の大きさが取り返しがつかないから死刑にするのだ。

    当時の優秀な若者がなぜオウムに嵌ったのか?と問うならば、それは知識人とマスコミがオウムに好意的だったからだと答えよう


    オウムの犯罪者が、あらかた逮捕されて以降、わしは「破防法」を適用すべしと主張したのだが、人権派弁護士や和製リベラル(うす甘いサヨク)が
    反対したためにオウム真理教は今も「アレフ」などに名を変えて生き残っている。
    このサヨクは国家権力が大嫌いなくせに公安警察の仕事を増やしてしまったのだ。

    江川(江川紹子)は「真相究明の会」の批判は良いのだが、教祖以外の信者が死刑になるとたちまちおかしくなる。

    オウム入信を決めたのも麻原の命令どおりに行動しようと決めたのも全部、本人の意思じゃないか。

    江川は、実行犯には自らの意思が全く存在せず、判断能力もなく命令された通りに動くロボットであり人間ではなかったと言っているのに等しい。
    同情しているように見えて、これ以上の侮辱は無い。
    江川紹子はエセ母性の偽善者なのだ。

    加害者への同情より被害者への同情の方が圧倒的に強い。
    それが健全な庶民感覚である。

    ましてや平成も終わりに近づいているこのご時世に、
    明治前半の道徳観である教育勅語をそのまま持ってきて、わけもわからず暗唱させれば道徳的な子供が育つだなんてナンセンス(無意味)としか言いようがない。

    道徳に国家は介入できない!
    道徳の聖典などできないのだ!

    パンケーキは本当は、ホットケーキなんだぜ

  • ゴー宣は23年振りにSPAに帰ってきたため、その間の実績をアピールしつつ、新しい問題に切り込む。
    週刊はきついと感じるが、内容が薄くならないようにと願う。この一巻は引っ越し挨拶みたいなもの。

  • やはりいつも買ってしまうなあ。

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著者プロフィール

1953年8月31日生まれ。1975年、福岡大学在学中に初めて描いた漫画『東大一直線』が赤塚賞の最終候補で落選するが、雑誌に掲載され、大ヒットとなる。『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など話題作多数。
●主な著書
『新ゴーマニズム宣言10』(2001、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special 台湾論』(2000、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special「個と公」論』(2000、幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言9』(2000、幻冬舎)、『朝日新聞の正義』(共著、1999、小学館)、『自虐でやんす。』(1999、幻冬舎)、『国家と戦争』(共著、1999、飛鳥新社)、『子どもは待ってる! 親の出番』(共著、1999、黙出版)、『ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル』(1998、幻冬舎)、『 知のハルマゲドン』(共著、1998、幻冬舎)、『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論』(共著、径書房)、『教科書が教えかねない自虐』(共著、1997、ぶんか社)、『小林よしのりのゴーマンガ大事典』(1997、幻冬舎)、『小林よしのりの異常天才図鑑』(1997、幻冬舎)

「1997年 『ゴーマニスト大パーティー3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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