レディ・エミリーの事件帖 折れたアポロ像の鼻 (ハーパーBOOKS)
- ハーパーコリンズ・ ジャパン (2016年1月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596550132
感想・レビュー・書評
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ミステリの展開と結末はかなり早い段階で予想ができる。(そして予想通りである。) それ故読みやすかったとも言える。
シリーズ1作目ということを考えると仕方がないのかもしれないけど、あれもこれもと詰め込みすぎて全てが表面的すぎるような印象。
主人公のエミリーがなぜ全方位的に愛されるのか。財産でも外見でもない魅力がこの先描かれることを願って、自作も読んでみるよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
折れたアポロ像の鼻はいつ出てくるのかな?と思いながら、ストーリーの単調さに読了までに時間がかかってしまいました。中盤を過た頃には展開が読めてしまいますが、終盤は一気に読み切り次作への期待へ。長いですが内容はライトノベル的かなと。
訳者のあとがきより。本国ではシリーズが(2016年1月時点で)10冊以上刊行されているそうです。 -
ブクログの献本企画でいただいた書籍。
1800年代後半の雰囲気が良く出ている。美術ミステリの要素はあるがそれほど薀蓄と贋作技術についての詳細がないところが少し残念であるが、それなりに面白かった。
エミリーの思い込みと強引な推理には眉をひそめるが、それも作者の狙いであるのではないかと思い、読み進めていけばキャラクタの造詣と思えてくるので、最後は気にならなくなった。ただし、長さの割には、比較的あっさりした謎解きであり、バランスが悪いように感じたが、著者のシリーズ1作目であることを考慮すると、仕方ない面もあるのかと思う。2作目以降で古代美術への更なる知識への傾倒、そしてより深い謎やサスペンスを期待したい。 -
ブクログの献本でいただきました。
本の値段を見てびっくりしました。
ブクログさん ありがとうございます。
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″19世紀の倫敦が舞台“
この一文に惹かれないミステリファンは
いないでしょう。
探偵役はアイリーン・アドラーのような女性なのか
はたまたハドソン夫人…?
貴婦人が紅茶を飲みながら甘ったるい推理をする
ようなのは勘弁かなあと思って読み始めたけど、
最初の数ページでいい意味で裏切られる。
ヒロインはいわゆる独身をこじらせたような女性。
なんだかSATCにでも出てきそう。
ちょっと刺々しいヒロインだけど、これなら
大丈夫そう、と読み進めて行ったけど…。
肝心のミステリ部分は、はっきり言って
「どーでもいい」。
女友達との小競り合いや亡き夫への思慕と後悔、
メンズ達とのロマンス、美術品やイリアス云々の
方が楽しめる。
何十年も前に親しんだコバルコ文庫のようだなーと
思いながら雰囲気をだらだらと楽しんでいる内に
TheEnd。
なんだかのどかで読後感はほのぼのあったか。
ちなみにフィリップが初めてエミリーに会ったと
日記に書いてあった日付は1887年4月21日。
ホームズはその頃、ライゲートの大地主事件に
携わっていたようで。
うーん 同じ時代のお話とは全く思えない…!! -
結婚後すぐに夫を亡くし、豪奢な屋敷で喪に服す若き貴婦人エミリー。
口うるさい母親から逃れるために結婚し、夫にはさほど興味もなく他人同然に知らなかったために亡き夫フィリップを悼む気持ちになれない事を後ろめたく感じていた。
ところが、フィリップの親友・コリンの話から自分が夫に深く愛されていた事を知り衝撃を受け、
今更ながら彼に興味を抱きはじめ、生前愛した美術品を眺め、遺された日記を読むことを楽しみにするように―
そんなある日、夫の蒐集品のひとつアポロの胸像をメイトが壊してしまい―折れたアポロ像の鼻からは、美術品に関わる謎と夫の黒い秘密が…
エミリー、最初の事件。
あらすじから想像していた話とは違ったよ…
エミリーは母親から逃れたかったとは言え、その先の人生に関わる夫となる人にそんな無関心で大丈夫か?と。
ヒロインはあまり強い個性もなく、嫌いでもないけど特に魅力は感じないかな-
周りの友人、使用人たちのほうが愉快かと。
人物と衣装の描写も物足りない-
意外とこの時代の女性は自由だったのね-ルールはあれど、ギリシャやアフリカにも長期旅行できたというのが驚き。
ヒロインも財力ありきで頻繁にパリを訪れ、そこから更に遠方へ行ってるし。
実在の人物が登場しているのも楽しい-ルノアールに肖像画を描いて贈って貰えるとか素敵だわ-
まぁ今や巨匠もその時点ではパトロン求めてる芸術家のひとり、だけど。
シリーズ長く続いてるようですが、次が気になるほどでは無いです… -
ブクログ贈呈本。
自分からはチョイスしないであろう作品だったが、装丁から想像していたよりも 面白かった。
新婚すぐにだんな様をなくした若い未亡人エミリーのお話。
古代美術、古典ギリシャ文学などからめ、
無くなったご主人の謎、疑惑を解き明かしていく。
ときおり物語の合い間にはさんであるフィリップの日記がいいですね。
ラブ要素が強いけれど面白く読めました。 -
19世紀ロンドン、ヴィクトリア朝の社交界。結婚後半年で未亡人となり、資産と自由を手にし、社交の義務からも解放された若く美しいレディ。古典美術に目覚め、勉強を始め、夫を再発見し、盗難美術品の謎を解決する。
これから始まるであろう様々な冒険談、どう続くんだろうかと楽しみです。帯に「ジェーンオースチンが書いたダ・ヴィンチ・コードとありましたけど、読み終えて初めて意味が理解できました。ダウントンアビーです。