レディ・エミリーの事件帖 折れたアポロ像の鼻 (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596550132

感想・レビュー・書評

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  • 献本にていただきました。ありがとうございます。
    普通の探偵物をイメージして読むと、かなり違います。
    全体的に、コバルトっぽい雰囲気をイメージしていただくと近いかも。うるさい母親にうんざりだけど、社交界を捨てたいわけじゃない。夫の死とともに自由を求めるそんなヴィクトリア時代の乙女心から始まり、亡き夫への恋心あり、女子トークあり…というレディ・エミリーの冒険心あふれるヒストリカルミステリーです。
    一人称”私”視点の物語。観察眼が鋭いと褒めたいところだが、なかなか鈍い娘で…いつになったら事件が始まるのかと、前半の歩みが遅く感じますが、中盤以降は一気読み。
    物語の合間にある、亡き夫の日記が切なくほろ苦く、無自覚だった夫の気持ちに今更気づく戸惑いから始まって、成長するヒロインがとても良かった。
    物語にルノアールが登場するなど、史実を上手く絡めている部分も注目。フィクションと史実との関係などまとめて巻末に作者の言葉があるのは嬉しい。
    シリーズとして10冊以上出ている人気シリーズということで、今回微妙だったコリンがもっといい男になるのだろうと活躍を期待。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4989.html

  • おもしろかった!
    続きが気になって、一気に読んだ!!
    陰謀とかけひきと恋愛と。

    ブクログの献本応募で当たったのでレビュー。
    少し厚めの文庫。500ページちょい。

    主人公エミリーは結婚してすぐ未亡人。
    服喪期間や半服喪期間があるなんて知らなかったな。

    親の束縛から逃れるために愛も知らずした結婚。
    夫(フィリップ)の死後に夫に恋するなんて、なんだか切ないけど。
    彼の日記が合間にはさんであって、よかったな。

    エミリーをとりまくロンドンでの生活やパリ旅行、
    社交界の話、女友達や求愛者の話とともに
    美術品やホメロスの『イリアス』の話がたくさん。
    イリアスを読んだことないけど、読んだことある人なら
    引用文がわかるのかな。
    ちょっと読んでみたいような衝動にかられる。


    200ページあたりで、アポロ像の鼻が折れてから事件が。
    夫は誠実か不誠実か。死んでいるのか、実は生き残っているのか。
    夫の友人コリンは信じられるか、信じられないか。
    誰が黒幕なのか。

    エミリーと一緒になってハラハラしながら、
    喜んだり、悲しんだり、疑ったり、信じたり。
    感情の起伏が激しかったなー。
    でも読んでよかった。おもしろかった。
    シリーズの続きが出るのか気になるところ。

    最後にブクログさん、献本ありがとうございます。

  • 運悪くこの作品を読み始めてしまった男性、
    とくに未婚者は、
    主人公のあまりに現実的な、利己的な結婚生活に幻滅するのは仕方がないと思う。

    でも、我慢して読み進めてもらえば、
    亡き夫に恋をしていく姿に許してもらえるのではないか。
    ヴィクトリア朝の貴族の女性には、
    社会的自由はあまり与えられていなったことも加味してほしい。

    そのヴィクトリア朝の習慣・文化に挑戦していく様子もおもしろかった。
    ミステリーとしても、結構面白かったと思うのだけど。

  • 貴族のエミリーは、結婚してすぐに夫を亡くしてしまう。とはいえ、彼女は結婚を急かす母親から逃れたくて結婚を決めただけだった。夫を全く愛していなかったので、悲しみは無いものの、喪には服さないといけない。
    夫の事を少しは知ろうと色々調べているうちに、夫に魅力を感じるようになるものの、泥棒に入られたり不可解なメッセージを見つけたり。夫の死に秘密を感じたエミリーは、友達の協力を得て調べだします。

    話のテンポがよく、ストーリーもおもしろいので長いんだけどあっという間に読めました。エミリーは、貴婦人としての誇りを持ちながらもそれにとらわれない考えも持っています。でも、時々思い込みで突っ走って頭から疑って、相手の言い分をきかなかったり、ちょっとイラッとさせられることもありました。

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