心臓がきみを好きだという (ハーパーBOOKS)

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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596550316

感想・レビュー・書評

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  • 美しい表紙とタイトルに心惹かれましたが、中身は爽やかな十代男女のお話でした。
    翻訳物、心臓移植、とうことで怯みましたが、女性の一人称ですんなり読み進められました。
    作中ではヒマワリ、ボトルシップなど印象的なシーンが多く登場します。主人公たちと同じ年代の人が読むにはとてもいい本だと思います。
    心臓はポンプとしての役割だけでなく、そこには魂が宿っているのだと、そんな話をどこかで聞いたことがあります。感情が揺さぶられた時も痛むのは心臓のある位置ですし、興味をそそられるテーマです。その辺りを中心に話が展開するのだろうと思いましたが、私が想像していた物とは少し違っていたようです。

  • 献本でいただきました。普段はあまりロマンス小説は読まないのですが、ケーキを食べたいように急に読みたくなる時があります。
    が、ロマンス小説ほど性描写もほとんどなく、とってもさわやかな(&せつない)青春小説です。できれば主人公と同年代の10代か20代の女の子にオススメしたい(私はオバさんなのでまぶしい感じで二人を見てしまいました)。
    18歳のクインは恋人トレントを突然の自動車事故で亡くします。トレントの臓器は様々な患者さんに提供され、クインは提供者に手紙を出すことによって、トレントの存在を確認しようとしていました。一人、心臓を移植されたコルトンという彼女と同世代の青年だけが、返事をくれません。こらえきれず、姿を見るだけと、コルトンのいる町へ出向くと…
    コルトンが何も知らず、クインに惹かれていくのは、心臓にトレントの記憶が残っていたから? そんな非科学的な話もTVなどで聞いたことあります。
    クインは臓器提供者の恋人だったということ、コルトンは何年も病に苦しんでいたこと、今も薬が手放せないことをお互い言い出せず、会わずにはいられない状態に。が、いつまでも隠し通せるはずもなく、お互いが全てを知った後…二人はどうするか?という話です。
    思いのほか現実的に話が作られてたので、普段こういう小説を読まない人にも読みやすいかと思います。

  • ダメとはわかっているけど。。。
    心が、気持ちが、わかってくれない。。。

    好きになる時に生ずる、ためらい、葛藤、不安、そして、幸福な気分、高揚感、安心、求める気持ち、などなど全部が詰まってます。
    良いです!!楽しかった!

  • 恋愛小説らしい、恋愛小説を久々に読んだなぁと。海外小説では初めて、だと思う。
    これはこれで、心が洗われる感じ。なんかかわいい愛しいふたりだった。

  • 恋人を事故で亡くしたクインは、彼の臓器を移植された人々に手紙を送るものの、心臓を移植されたコルトンからだけは返事がこないため、一度でも彼を見ようとコルトンの住む町を訪れたが、思いがけずコルトンと交流を持ってしまう。

    良質のYA文学。コルトンが海が好きということもあって、自然に囲まれたなかで二人が少しずつ気持ちを近づけていく様子がきれいで、かつ家族との葛藤、移植後の生活での苦しみ、恋人を失った悲しみなど一通り触れてはいるけど、あまり重きはおかずに、クインがコルトンに惹かれるなかで彼に全てを黙っていることに負い目を感じて身動きがとれなくなっていることから主軸がぶれずに描かれていて読みやすい。ただその分肉厚さは少ないから、もっと二人の物語を読みたいという物足りなさはある。
    コルトンがクインに惹かれるのが移植された心臓のせいなのかどうかは分からないわけで、薄っぺらい設定になりかねないけれど、それは章頭の引用文が説得力として(時としては二人の心情の後押しとして)補完していて、引用文が非常に効果的。

    他小説でもあるけれど、表紙買いする層と小説の内容(描き方)が好きな層が若干合ってないと思う。こういう表紙にしないと最近は売れないというのは重々承知だけれど、読みたい層はこの本にたどり着けないし、表紙から期待した層にとっては期待外れになると、もっと評価されるべき小説だと感じるから残念。

  •  確かに、人生最後の日は、いつやってきても不思議ではない。けれどその真実に目覚めたことで、わたしとコルトンが選んだ行動はまるで違っていた。
     コルトンはしたかったことをし、以前と同じ人生を取り戻した。わたしはと言えば、彼とはまるで正反対だ。ずっと長い間――。
    (P.69)

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