6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (ハーパーコリンズ・フィクション)

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制作 : 夏目 大 
  • ハーパーコリンズ・ ジャパン (2017年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596552068

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6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (ハーパーコリンズ・フィクション)の感想・レビュー・書評

  • 献本に応募していただいた本。

    本の断裁というものがあることはもちろん知っていたけど、断裁工場というものを具体的に思い描いたことはなかったので、ちょっと意表をつかれた。

    「本を読む」が朗読だったことにも意表をつかれた。
    訳者さんもあとがきで書いているけど、これ奇矯な行動ですよね(笑)。けっして感動的な行為とは言えないような気がするんだけど、その朗読をたのしみにしている人たちがいたり、そこから人の輪が広がっていったりするところがいい。

    主人公は、けっこう知的で繊細な感情の持ち主のように見えるけれど、本の断裁というとてもストレスのたまる職場にいて、仕事がいやでたまらないのに、一向に抜け出せる様子もないあたり、ずいぶん閉塞感がただよってる。でも声を出して読むという行為でそこにほんの小さな穴をうがっていくところがいいなと思いました。

  • 献本でいただきました。ありがとうございます。無機質な生活が、有機的に変わっていく様が柔らかく素敵に描かれていて好きでした。
    他者から逃げることでしか生きれなかった主人公が、自分と相手の人生を変えようと行動できたことに幸せを感じました。

  • あとがきにあるようにパリ郊外に住むがごくごく平凡で普通の人たち、好きな言葉ではないがいわゆる"負け組"と呼ばれるような人たちのほんの少しの奇跡を描いた話であり、映画のアメリを少し思い出しました。

    アメリと違うのは全然おしゃれでもなく登場人物もさほど若くはない。社会に受け入れられていない訳でもそのことに苦悩も"さほど"しておらず、ただただ孤独であることが前半で描かれ苦しくなる。

    苦悩してない風ではあるが、壁に入ったひびが次第に広がっていくように、もはや金魚なしでは生きていけないくらいの孤独がギレンの中にあるのですね。苦しい。

    しかし後半ジュリーの日記に出てくる、まさに少しずつ広がっていくタイルのひびの話、彼女にとってはそんなひびが『我が道を行っている』『己の運命に忠実に生きているように思える』から好きだと書かれてあるくだりに、私はギレンが自分と同じものをジュリーになぜ感じたのか気づく訳です。実際日記の内容はめっちゃいっぱいあるんやけど特にこのひびの話が心に残りました。これは読んだ人それぞれで残る部分が違うと思う。

    とはいえそんなプライベートな日記を電車内で朗読するのはいかがなものかギレンよ。仮にジュリーが乗り合わせていたとしても恥ずかしくて名乗れないどころか乗車時間変えまっせ普通。

    ジュゼッペが元アル中じいさんという偏見による先入観もあり、彼のGoogle検索能力には驚かされましたね。

  • モノクロに見えてた日常に色が付き始めるのは、こうゆう事なのね(笑)
    そのキッカケは恋とか愛とかだけじゃなくて日常のアチコチに散らばってる。
    “拾った日記だったり自分の人生が変えられた日に作られた再生紙だったり。”この2つは特別やと思うけど、それでもアチコチに散らばってるはず。

  • 読みたいと思ったのは、タイトル。どんな話だろうという期待で読み始めた。本、ドキュメント、手紙、電話、詩の朗読など、言葉と表現に関係するものがいろいろ出てきて、読書好きには結構なワクワク感がある本たまった。
    私は、あまり洋書の翻訳本を読まない。それは、カタカナの名前がなんとなくしっくりこないから。だけど、この本は異国であるということが、ホッとさせてくれた。ギレンもジュリーも、あまり綺麗な仕事ではない。私は仕事の描写に少し気持ち悪さも感じてしまったけど、人間らしさに触れている部分で、なくてはならない。そこを担う、地道な人たちの幸せは、花束のように優しくてきれい。幸せになってください、と心から思えた。

  • 人は誰でもその人なりの、こだわり がある。それは風変わりなものでも、愛すべきものだ。まったく関わりのない人のこだわり、例えば電車に乗っている時の、目の前の他人のこだわりを知ることができたら、それに文学ぽく意味を持たせることができる。そこには必ず理由があり、それを知ってしまったら、ちょっと特別な他人になる可能性もある。共感は愛だ、、などと思うのだ。(恋愛感情だけを言っているのではない)


    拾ったUSBをパソコンで読み、主人公はUSBの持ち主に恋してしまう。
    主人公の、彼女への恋文は胸を打つ。
    その前に主人公はこっそり彼女を見にいき、美人ではなく太り気味の彼女にがっかりするものの、あの恋文をしたためたのだ。
    なんて素晴らしい物語だろうか!

  • 本を断裁するいわゆる本の墓場に勤めるギレン。
    そんな自分の仕事に嫌気がさしながらも、自分なりのこだわりの儀式のようなことを行なっていた。
    そんな日常に小さな幸せを見つけることでギレンの周りの世界が少しずつ変わっていく。
    読み終わったらちょっと幸せな気持ちになれるそんな本でした。

  • まず本好きとしては、タイトルが秀逸である。本をきっかけに素敵な人間関係が広がっていく、心が温まるストーリーである。

  • 【ブクログ献本企画】
    本の裁断工場に勤務するギレンにとって日常は淡々としたグレーな日々の積み重ねである。唯一、彼にとって輝かしい時間があるとするならば、平日の朝、通勤する電車の中での手にした本の残骸による朗読。
    そんなギレンがある日、通勤する電車でUSBメモリーを手に入れることで世界が少しずつ変わり始めていく。
    物語自体は平坦で、感覚的な部分が多いため、勢いよく読める作品とは言い難いものの、少しずつ、少しずつギレンの灰色だった世界が色づいていく様は面白い。
    確かにそこには多くのちょっと変わった人々による、でも極普通の物語があった。

  • タイトルが素敵だな、と思いブクログのプレゼント企画に応募して、当選した!一冊。
    海外小説は読みなれていないので(特にフランス)名前や地名が分かりにくくて、最初は内容が入ってこなかった。
    主人公は本が好きにも関わらず、本を断裁する仕事をしている。その断裁から逃れた数ページを持ち帰り、電車で朗読する。それだけでも変わっているが、ある日知らない女性の日記の書かれたUSBを拾う事で、彼の日常が少し変化していく。

    独特な世界で、一冊通してずっと暗い。ちょっと読みにくかった。


    2017.7.3…27

  • 描かれているのは淡々とした日常ですが、登場人物は全て一風変わった人ばかりです。
    本を愛しながら、日々不要になった本を裁断する仕事に就くギレン。彼の心を癒すのは、偶然手に入れた誰かの日記。
    文中に挿入されるギレンの朗読部分はそれまでの場面には一切関係なく、少し混乱させられるのだけれど、却ってそのことが感情移入をもたらし、気付くと自分自身も物語の一部になっているような錯覚に囚われます。
    本が裁断されていくシーンは、本好きなら本の気持ちになります。多分。

    特に大きなエピソードがあるわけでも、最後が型どおりのハッピーエンドというわけでもなく、作品としては地味なものではありますが、全ての本好き、仕事や人生に行き詰まっている人に読んでもらいたいなあと思いました。

    ところで、フランスの村上春樹って言う触れ込みはどうかと思います。
    ワタクシ、実はアンチというほどではないのですがそこまで村上作品に思い入れは持てないため、村上さんを語れるほど読んだことはないですが、これは全く違うと思います。
    ムラカミストがそういう意味での期待値を持って読むと、多分期待はずれになるのでまるで別の作品として捉えた方が良いかと思いました。

  • フランスの村上春樹と書いてあったので、非常に興味を持ちました。読みたい!

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6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (ハーパーコリンズ・フィクション)の作品紹介

本を愛するすべての人へ。

フランスで26万部突破、
36カ国で刊行のベストセラー小説

彼は今日も朗読する――死にゆく本を“天国”へ送るため。

パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、
本を〝死〟へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。
生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して〝往生〟させるのが日課だが、
憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める――。

読後きっと、いつもの景色が違って見える。
人生の葛藤と悲哀、希望を描いたベストセラー小説。

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