フレデリカの初恋 (MIRA文庫)

  • ハーレクイン
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596916372

作品紹介・あらすじ

高貴な血筋と富、そして麗しい顔立ちを生まれ持ったアルヴァストーク侯爵は尊大で皮肉屋なことで知られている。最近も強欲な姉に、冴えない姪を社交界に披露する舞踏会を開くようにせがまれ、断ったところだ。何もかもに退屈していたとき、遠縁の“親戚”を名乗る客が訪れた。その若い女性――質素な身なりだが洗練された立ち居振る舞いのフレデリカは、美貌の妹の社交界デビューに力を貸してほしい、と勇敢にも頼んできた。侯爵は、その信じられないほど美しい妹を見るや助けを申し出た。思い浮かんだ妙案にほくそえみながら。

感想・レビュー・書評

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  • ヒストリカル・ロマンスの元祖ともいえるジョージェット・ヘイヤーの人気作。
    タイトルとはちょっと印象違うかも?
    少女の恋のときめきというより、家族と絡む微笑ましい物語です。

    アルヴァストーク公爵は高貴な身分と富、能力と容姿にまで恵まれ、華やかな暮らしに飽きていた。
    自分を利用しようとする親戚や周囲にもうんざりしていた時、思わぬ出会いが…?

    フレデリカは、妹を社交界に出すために田舎町からロンドンに出てきた女性。
    伝手をたどって公爵に連絡を取り、気まぐれで会ってみた公爵は、妹のカリスの美しさに驚き、ちょっとした嫌みな計画を思いつく。
    そうとは知らないフレデリカ。親を早く亡くし、絶世の美女の妹と弟たち3人を育てるのに懸命で、自分のことは後回し。婚期も過ぎたものとあきらめていました。
    まっすぐなフレデリカに、いつしか惹かれていく公爵。
    フレデリカは全然気づかない(笑)

    下の弟二人の個性が面白くて、さしもの公爵が子供の無邪気さにはつい振り回されるのがおかしい。
    当時の技術の発展や流行なども丁寧に書き込まれ、ロマンスといっても最近の物とはかなり違います。
    むしろ「若草物語」に近いぐらい?
    公爵はだんだん手放しでメロメロになっていく、それは古き良きオペレッタのロマンスのよう。
    公爵の初恋、みたいですね☆

  • 現代ロマンスの祖と言われるジョージェット ヘイヤー1965年の晩年に近い作品。
    退屈で憂う37歳独身。”優雅”で洗練”された男前なのに、皮肉屋”で”いやみ”な自己中心的な彼が、フレデリカの頼みを利用しようと考えた結果、彼女の兄弟妹の騒動に巻き込まれ、意外にも退屈から抜け出し彼女に惹かれていく様が描かれるコミカルなお話。
    原題は”フレデリカ”ですが、物語は男性視点を中心とした構成で、アルヴァストーク侯爵の初恋の物語と言ったほうがいいくらい。メルヴィル一家には優しくて男気あふれる侯爵にメロメロになってくれたまえ。
    ラストにヒロインが自分の気持ちに驚くまでがかなり遠く、二人の関係は淡い。邦題の”フレデリカの初恋”からイメージするような、乙女のトキメキを期待するとちょっと違うのでご注意。
    あらすじなど下記
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4890.html

  • あいかわらず楽しいヘイヤー作品。
    末の弟の行動が、ちょっと破天荒すぎてどうなんだ、という感じですが、まあ、ヘイヤーらしいといえばそうですね。
    邦題はどうなんだろう。わざわざ「初恋」っていれる?
    原書通りのほうがインパクト強いのになあ。

  • フレデリカの、というか割と群像劇っぽい賑やかさ。
    フレデリカ朗らかで好ましい。
    カリスとエンディなんとかの話は特に滑稽。

  • ☆4+
    厭世的なヒーローが子供にやさしいのがずるいけどほほえましくて大好き!もちろんヒロインにも何くれと手を貸すし…(侯爵のプライドをかなぐり捨てて!)
    あいかわらずシェークスピア的なドタバタ喜劇の積み重ねだけど、これまで読んだジョージェット・ヘイヤーの中で一番メロメロっぷりが直接的に描写されていたかも。ヒロインの妹が本当におバカなのが古い作品だな、という感じ。今ならもうちょっといい子に描かれそう。
     

  • 高貴な血筋と富、容姿に恵まれ何一つ不自由することなく暮らし、女性と戯れに付き合う生活にも退屈していたアルヴァストーク侯爵の元へ遠き親戚だという見知らぬ女性フレデリカがやって来て彼女の美貌の妹の社交会デビューを手伝ってほしいと言う。
    親しくない姉に姪のお披露目舞踏会開催をせがまれうんざりしていた侯爵は、聡明なフレデリカやその弟妹に興味を持ちこの一家の名目上の後見人を勤めることになるがーー。

    『ソフィー』よりも好きなのは、この洗練されて百戦錬磨な侯爵が初めての恋に落ちるも、相手に全く異性として関心を持たれていない事実に怯え機会を窺い、彼女の苦しみを和らげてやりたいとそれまでの当人からは全く想像も出来ないような行動に出たり、子どもに優しかったりと丁寧に彼の変化や恋の過程が描かれているところかな。
    恐らく格好つけたかったであろう愛の告白の前に姉にバラされてる侯爵は可哀想面白いです。

    1965年。

  • ヒロインはヘイヤーヒロインらしい感じだった。
    しかし大兄弟になると、弟妹がアチャーになりやすい。
    意外とヒーロー次姉のオーガスタがちゃんと見てたんだなあ。

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著者プロフィール

1902年、英国ウィンブルドン生まれ。1921年にThe Black Mothで作家デビュー。歴史小説やスリラー、ミステリと幅広い執筆活動を展開し、日本でも「悪魔公爵の子」(1932)や「紳士と月夜の晒し台」(35)、「グレイストーンズ屋敷殺人事件」(38)、「令嬢ヴェネシア」(58)などが訳されている。1974年死去。

「2023年 『やかましい遺産争族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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