レディ・ジョーカー〈下〉

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著者 : 高村薫
  • 毎日新聞社 (1997年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620105802

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レディ・ジョーカー〈下〉の感想・レビュー・書評

  • 社会や人に巣食う大きな闇。その闇に何度も絡めとられそうになりながらも、ページを捲る手が止まらなかった。ミステリとしても人間の奥深さを描いた作品としても間違いなく第一級。いやもう、ほんっと生きててよかった、この本に出会えてよかった。いろいろな意味で素晴らしい余韻。義兄と雄一郎はイブに幸せになったんだと信じとく。

  • 読んでも読んでもすかっとせずにどんどんと陰気になっていくストーリー。
    ようちゃんだけが救い。ようちゃんとかももとかキャラ作りが素晴らしい。

    労働者問題、差別問題、搾取や地下で蠢く巨額の裏金、金融システム、権力と組織と個人。山ほど現実が盛り込まれていながら最後は合田の同性愛に行き着くという・・・。
    多分文中にもあったが、人間は感情なのだ。論理で理解するのではなく、感情で理解するのだ。

    最後の、結局どこにも抜け出せない人生。これはきた。

    終始低調で、劇的な突破口を作らずに終わる本作はこちらが考える部分も大きく、あとからじわじわ来るし、読み直したくなるが、
    マークスの山の方が個人的に好きだ。愛と悲しみを感じる。リズムとひかりを感じる。

  • クリスマスイヴが気になってしょうがない。

  • この作品の感想は上巻の方で。特に何かが書いてあるわけでもありませんが。

    ところで、高村さんの作品って、男同士の熱すぎる情が必ずありますね。
    既婚者だろうが工作員だろうがヤクザだろうが女装してようが。
    それで作者は女性なのかなと思ったのですが。
    (作者には然程興味がないので作者紹介はほぼ読まない。)
    この作品もそうだけれど、「李歐」は究極でしょう。あ、「リヴィエラを撃て」とか「黄金を抱いて翔べ」とかも
    結構なもんなんですが。社会派な作家なのに、高村薫と聞いて思い浮かぶのはまずそこです。

  • このタイトルがどこからきてるのか。
    深すぎて痺れる。

  • ストーリーの緻密さにはやはり舌を巻きます。
    ほんとにおもしろい!
    こんな骨太の作品は高村薫にしかかけないと思う。

  • 「グリコ・森永事件」を題材にした小説と世間一般には
    いわれている作品です。
    が、何分「グリコ・森永事件」について、当時幼かった
    のでそれ自身については考えず、
    企業恐喝+警察小説
    として読みました。
    上巻は企業恐喝を実行する5人の、実行に加わる
    動機にいたるまでの心情を、共通の趣味である
    競馬の丹念な描写に重ねて描いています。
    そして日之出ビール社長誘拐の実行。
    誘拐された社長自身の心情、恐喝された
    企業の身動きとれない現状等々が加わっていき、
    高村作品らしい緻密な描写が恐ろしいほど細かに
    かかれていきます。
    この事件を単なる現在の事柄への復讐劇に
    せず、戦後50年の日本社会の歪みが生んだ
    ともいえるものを背景に描いているところが、
    高村作品らしいなあと思わされます。
    作品は犯人たち、企業、報道、そして警察の
    視点から構築されていきます。
    高村作品お馴染みの合田警部補が、
    代金の受け渡しなく開放された日之出ビール
    社長の城山の警護役という名の偵察役に
    つき、任務の中で城山と心通わせたり、
    警察という仕事に熱意をもてなく脱線していく
    様子など、他の作品同様に、決して文体は
    軽くなく緻密。でもやはり読み出すと止まらない。
    読書に没頭したいときにお薦めの作品です。

  • 納得できない辛いことも、腹の中になんとか納めてそれでも生きていくしかない人生の不毛さ。事件を通して大きく変容していった男たちの生き方そのものに心を打たれた。

  • やっと読み終わったー!!長かった。
    上巻のときは何だかよくわかんなくてイライラしたけど、下巻になってからドンドン読み進みました。それでも大分時間かっかった。
    時間がなくて1日50Pずつくらいだったけど、時間があったら猛スピードで読んでたかも・・・
    金融の話とか未だにわからんけど、でも結構衝撃とかあったり、変な恋愛とかあったり、最後の締めも好きだったりして、個人的には満足です。

  • 以前から読みたかったレディ・ジョーカー(作者:高村 薫)。
    高村 薫の作品は「マークスの山」を読んでいてストーリーの構成力に感動したけど、このレディ・ジョーカーも同様素晴らしい。

    1兆円企業のビール会社が1947年の怪文書の発覚と部落出身者の父を持つ大学生の就職内定取消しが、ビール会社の社長誘拐につながり現金要求という脅迫が企業を襲う。

    この小説は単なる犯人達と企業側の葛藤だけでなく、警察内部の軋轢や事件を追う新聞記者、政治と裏社会の現実を卓越した筆致で丹念に描いていて読み応え十分である。

    手に汗握るジェット・コースター的な派手な展開はないが、事件に翻弄されながら登場人物達が過去の自分と訣別し、決断をしていく過程の描写に僕は引き込まれた。

    上下巻併せて869ページに亘る長編小説のため、じっくり腰を据えてゴールデン・ウィークに読む本としてはお薦めの作品です。

    映画化されているけど、ちょっと分かりにくいというのが僕の感想。もし、映画を観るなら小説を読んでからの方がいいと思う。ストーリーを追うよりは俳優達の演技、特に半田修平役の吉川晃司はニヒルでハマリ役だったと思う。

  • 面白かった!!赤いビール出る辺りから目が離せなくなったよ。合田の出番も増えてきて読みやすかったです。途中ボロボロな合田には目も当てられなくて…。個人的には合田がうなだれる義兄の胸倉掴んで引っ張り上げ、「いつか落とし前を付ける気があるんなら、今日の所はゴルフに行け。這ってでも行け!」が大好きです。ええ、思わず読書マラソンのお気に入りのことば欄に太字で書いちゃう位…。(20051215)

  • 「マークスの山」「照柿」に続く合田刑事シリーズ。警察・大企業・新聞社を舞台にした、2段組で800ページを超える重厚長大なストーリーに、魅力的なディテールがいっぱいつまっている。主人公が僕と同世代であり、仕事や人生や一人の人間の無力さや生きている意味について苦悩する姿に共感の嵐だった。また、レディ・ジョーカーというタイトルの由来も凄い。そして、現代の人間の営みの愚かさとわずかな救いを残す結末。高村薫さんは、厳しく激しい話をリアルに丁寧に描く作家であり、その作品はめったに出逢えない本物の重さを持っている。社会の暗い闇を覗いてみたい人にオススメ。

  • 個人的には、合田さんの周囲の人との人間関係があるから、前の2冊を読んでから読んで欲しい本だと思う。だって、じゃないと例のシーンで出てくる人物たちがわからないじゃない(笑)!!
    あーでも映画だと上手くやれるんだろうなぁ、きっと。
    でもねー、すっごく楽しみ!!この話、高村さんの中で2番目に好きです。最初から最後まで展開がおもしろくてすんなり読めたし、今までで1番読みやすい話だと思う。
    しかも、終わり方が気になる!!あの人物と仲直り出来るのかが気になる…。

  • ほんと堪らん…!という感じで、すごく好き。苦しむ義兄弟を見ていると、(安易な表現ですが)胸が締め付けられる思いでこっちまで苦しい。企業の中で個人を優先させる社長、”社会”そのものに対し一線を介したような、閉塞的な人生を生きる男たち。これだけの”現実”と”人間”が一人の頭の中に存在し構築されたのだと思うと、それだけで不思議な感動を覚える…。名台詞は色々有れど(笑)義兄の「辛いことが辛くならない事はない。自分の中で受け入れるしかない(ちょっと違うかも;)」が…印象に。最後もほんといい……大好きだよあんた達…(胸いっぱい)
    義兄、という響きがどうにも色っぽい気がするのはきっと高村氏の文章のせいだ…(笑)

  • ビール会社社長誘拐事件。それに絡んだ犯人・警察・企業・報道のお話です。
    2004年冬に映画化されました。
    下巻にはいって面白さ倍増です。何でこんなに面白いんだろう、大好きな一冊です。
    最後の合田さんの言葉には、え、ちょ、え?と動揺してしまいました。義兄弟、もともと好きでしたが特別な存在になりました。

  • 少しずつ読みながら読み終わりました。
    後半から個人的に読むスピードが失速してしまった感じです。
    ビール会社の社長がすごい人物で、世の中の社長に対するイメージが少し変わりました。
    少なくとも大企業の社長は株主などの人間関係もあって、一般的なサラリーマンとあまり変わらないのでは?と感じました。

    犯罪者グループの、犯罪後の人生も成功したにも関わらずどこか突き抜けた感じはなく、むしろ人生の倦怠感が増したような印象を受けました。
    いろんな職業や立場の人物が様々でてきますが、それぞれがリアルで、どの人生もどこかしんどさが伝わってきます。

  • 犯人も警察も被害者も全部書ききって、見事というしかない。
    人間の内面を緻密に描写して引き込まれる。
    人の心の空洞のようなものをどうしてこんなにうまく表現できるのだろう。

  • 事件が動き始める上巻は面白かったが、捜査する側の合田や報道する側の久保のパートは長く難解で、読み進めるのが苦しかった。
    事件当事者の物井や城山のパートは面白かった。彼らの内面に思い入れをしながら頑張って読み進めていたが、物語が増長すぎて、読み終わる頃にはすでに感情移入もできなかった。
    2015/12

  • 半田刑事が合田刑事を思うシーンに「実は、自分の方から陰湿な挑発をくりかえしてすり寄ってくる変態だったのだ」と書いてあった 。合田刑事シリーズが好きなのは正にこの言葉です

  • 高村薫著。

    個人的には傑作のひとつだと思います。

    練りに練ったプロットに、重厚な筆致、先が読めるようで読めない展開、テーマの社会性、これを超えるサスペンス小説にまだ出会っていません。

    WOWOWでドラマ化されたときに手に取った本です。肝心のドラマは見逃してしまいました。しかし原作がこれだけオモシロければ、見てガッカリしないようドラマは遠慮しておこうかな。

  • わたしは文庫版よりもハードカバー版が好きみたいだ

  • #読了。合田刑事シリーズ第3弾。グリコ・森永事件がモチーフ。標的になったのは、大手ビール会社。総会屋との話も絡み、企業倫理が問われる。長編かつ重苦しい場面も多いが、引きこまれる。最後は少し駆け足というか、あまりすっきりせず。

  • デラックスガッツ

    市民社会と闇社会との対峙がテーマである。しかし、肝心の犯罪組織の動きを追わず、それに対処する側(警察や新聞社)に焦点を当てている。それが本書をドキュメンタリー風に見せているのだが、さすがに下巻になると、なぜこんな長い話を読んでいるのか、所詮フィクションなのに、という気がしてくる。最後に合田が出世したのは良かったと思う。

  • グリコ森永事件をモチーフに書かれているらしい。日の出ビールという業界第一位の一兆円企業に対して異物を混入されたくなければ金を出せと脅す犯人グループ(レディ・ジョーカー)。すべてを警察に話すべきか、企業イメージを最優先させるべきかで戸惑いながら対応していく社長の城山、レディージョーカーサイド、事件を追う刑事、記者、それぞれの視点から描かれたサスペンス。これだと単にドラマ仕立てな感じに仕上がると思うんだけど、こういう企業対警察対記者みたいな大きな闘いの底に、部落問題があり、またレディジョーカー側にも障害のある娘を抱えた親がいたり、また己の人生に対する不満でくすぶっている老人がいたりと、血の通った次元の出来事がレディ・ジョーカー事件という社会的にも影響力のある大きな事件の見えなさを助長しているという点が物語を大きく膨らませている。犯行の動機はイマイチすっきりしない。あるものは明確に金目当てであるけれど、他の人々は絆された感がある。だから犯人サイドの描写が多いとここまで引き込まれなかったんだろうけど。一番読んでて面白かったのは刑事合田視点と記者根来視点かな。

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レディ・ジョーカー〈下〉の作品紹介

犯罪が犯罪を呼び、増殖し続けるレディ・ジョーカー事件。犯人たちの狂奔と、それを覆い尽くす地下金融の腐臭は、いつ止むのか。そして、合田雄一郎を待つ驚愕の運命とは-高村文学の新たな頂点を記す、壮大な闇の叙事詩、ここに完結。

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