- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620105802
感想・レビュー・書評
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「集団に属する小じんは一体どのように生きていけばいいのか」
読んでいる間、そう自分に問いかけずにはいられなかった。
あまりにも巨大化してしまった現代社会の複雑に絡み合った暗闇はまるでインフルエンザの感染経路のようだ。そこに生き、その不条理さや歪みを飲み込み、時に反発し、時には全てを投げ出す人々の喘ぎ声や存在そのものを緻密な文体で描く本書に答えの一角が潜んでいるのではないかと思う。
犯罪過程そのものが目的であり、それを媒体に変化していく人々の心の闇の叙事詩は確かに真実味を帯びているものだった。 -
上巻に同じ
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前半は舞台背景や人物紹介、世界観の構築のために長々としていて、正直飽き始めたのは間違いない。
中盤以降は、あえて読者の視界を、その時その時の登場人物と同じ角度から見せることで、スピード感・スリル感・混乱などがダイレクトに飛び込んできて、ついつい手が進む。
史実をここまで、上手く肉付けして長編に仕上げた著者に感銘を受けた。 -
骨太の文章。
広範囲によく調べられた内容。
そこに職を全うするものの苦悩・喜びが
溢れている。 -
人生は大きなババ抜き。ジョーカーひいたら負け。それは運まかせ。神様のいうとおり。
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話はたしかにおもしろいが、描き込みが多すぎて辟易とする。こういうのを情報小説というのか(衒学とは違う)。とにかく長過ぎ。ここまで描き込まないとリアリティーが生まれないとでも思っているのだろうか。
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上巻にて。
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よかったなぁ。
登場人物全員が頭の中でくっきりと像を結ぶ。
本著に登場する全ての人々がとにかく良かった。
著者の作品は、とにかく登場人物が良いです。
私や、私の周りにいる人は、いわいる「一般人」と呼べる類の人種ですが、一人ひとりと話してみると、とても個性豊かで、それぞれにドラマのある味わい深い人生を送っています。
高村作品のそういう視点でじっくりと濃ゆいまでに描かれた登場人物達がとても素敵です。
飛び道具みたいなへんてこなキャラを登場させて人目を引こうと足掻いている三流作家とは激しく全然全く違う。
素晴らしい作家で素晴らしい作品でした。