- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620105802
感想・レビュー・書評
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※途中で犬が登場しますがこの子は無事です。
同じ組織人でも、合田と半田は「警察」に絡め取られて煩悶しているのに対し、城山社長や倉田さんは「大企業」のしがらみはありつつも自分で自分の落とし前をつける権利を持ち、それを行使しました。
加納の検察(またはそれが位置付けられる社会機構)への悲嘆も併せて考えると、組織との折り合いの付け方としてこれは相当にハッピーエンドと言っていいのではないでしょうか。
私はある種の爽やかささえ感じました。
コン・ゲームっぽい始まりのわりに、犯行中の犯人視点が全くなくて珍しいなと思っていたのですが、下巻に入って納得です。
とりたてて描写する必要もないほど、平熱の犯行だったんですね。
半田は例外ですが。
あと終章に関しては、根来さんどころか司祭も薄々感づいてたんだと思いました。 -
名作でふ。
WOWOWドラマも映画も見ました! -
や~っと読み終えた。ていうか、最後ははしょりまくったけど。
分からないことは分からないままだったし、動機も納得できないし、ただただ警察組織と新聞記者の探り合いと、大企業とは何なのかを細かく細かく描いた作品で、上下巻だけでなくちっさい文字で上下段と来ていますので、私なんぞがあれこれ言える作品ではないのでしょうけど、これはもしかしたら途中で何かの圧力がかかって書きたかったことが書けなくなってしまったのではないかと、そんなことを思いましたです。 -
20年近く前に読書家で年長の同僚から譲り受けた上下巻を、ついに初めて読了。それも読み始めてから一気に2日間で。
いや~、久々に「質・量」ともにズッシリ読み応えのある小説どしたわ。特に「量」の点では、上下巻で約900ページを超す文字量に加え、持つ手にしっかりと重量を感じる分厚い大判の単行本の体裁も、久々に「読書をカラダが感じる」経験と云えたかも。
内容的にも非常に満足出来た。上下巻を通じて中だるみも無く、ずっとテンポよく読み進める、ぼくとはある意味「相性の良い」文体だったこともある。忘れもしないあのグリコ事件についても「その真相には、なるほどこのような物語もあり得たのかも知れない」と思わせる、リアリティと説得力がスゴイ。
総じて、もっと早く読みたかった!
出版から数年後に映画化された作品もあるようだが、そちらの評判はイマイチらしい。なんとなくわかる。2時間に収めるのは難しいだろう。やっぱり読むのが一番。 -
長すぎるとか、ややこしすぎるとか、最後の展開があまりに力業という感想もあるが、壮大な物語であることは否定できない
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頑張って読んだわー、っていう、本の厚さから、文字の詰め込み度から、やりきった感がスゴイ。でもけっこうどうでも良いというか、競馬のえらくディテールに凝った描写とか、細かいなー、と。懐かしい名前もチラホラ。こういうのも大事なんか。そしてまたしっぽりとしたラストが、いかにもバブル後というか、暗い感じで、なかなかに渋い。
でもバブル後っていう時代は風評被害というか、みんなしてどよーんとしてて、暗くて、未来なんてないさみたいな感じだったって今の人は思っちゃうよね。これは問題ですよ。90年代のハッピーピーポーみたいな本を読んで口直ししないと。
とはいえ合田みたいにコツコツなんだかんだと頑張ってるのは好きなんだけどね。何故ならそれは毎日サラリーマンとして頑張ってる自分自身に他ならないからなのだ!ってやつだよね。
あ、犬に犬っころって名付けるセンスは好き。ロープレで名前におまえってつける感じ。おっさん臭い? -
少しずつ読みながら読み終わりました。
後半から個人的に読むスピードが失速してしまった感じです。
ビール会社の社長がすごい人物で、世の中の社長に対するイメージが少し変わりました。
少なくとも大企業の社長は株主などの人間関係もあって、一般的なサラリーマンとあまり変わらないのでは?と感じました。
犯罪者グループの、犯罪後の人生も成功したにも関わらずどこか突き抜けた感じはなく、むしろ人生の倦怠感が増したような印象を受けました。
いろんな職業や立場の人物が様々でてきますが、それぞれがリアルで、どの人生もどこかしんどさが伝わってきます。 -
犯人も警察も被害者も全部書ききって、見事というしかない。
人間の内面を緻密に描写して引き込まれる。
人の心の空洞のようなものをどうしてこんなにうまく表現できるのだろう。 -
半田刑事が合田刑事を思うシーンに「実は、自分の方から陰湿な挑発をくりかえしてすり寄ってくる変態だったのだ」と書いてあった 。合田刑事シリーズが好きなのは正にこの言葉です