オルファクトグラム

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.80
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本棚登録 : 262
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106083

作品紹介・あらすじ

ぼく片桐稔は、ある日、姉の家で何者かに頭を殴られ、一ヶ月間意識不明に陥る。目覚めたぼくは、姉があの日殺されたと知らされ、そして、鼻から「匂い」を失ったかわりに、とてつもない嗅覚を宿すことになった。姉を殺したヤツは同じ手口で次々と人妻を手にかけていき、ぼくは-。斬新な発想で独自の世界を築き続けてきた著者が、満を持して放つ、新たな衝撃作。類書なき、嗅覚サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な小説でした。オルファクトと言う単語も初めてしりました。
    嗅覚のことだそうです。そのタイトルどおりのお話。


    ある事件をきっかけに脅威の嗅覚を見につけてしまった主人公。
    その、脅威の嗅覚を絵にするという画期的な切り口。
    ミステリーと言うよりはファンタジーに近い世界。


    たとえば、ルビー色の粒子、ベッコウのような色のねじれた短冊の形、クリーム色のボールを三つ三角につなげたような形。。などなど。。

    素敵な匂いの描写が続く。。。(そこが本当素敵なのです)
    本当に目に見えるように書かれてます。。きらきらと。。。

    非現実的な出来事をあたかも現実のように書いてます。すごすぎます。
    実は8歳で亡くなった彼の双子の兄にも起こってた変化。。
    「風がきれいだね。。。。見えるだろ?」 あの頃は見えなかった。。。

    今なら見える。。同じ世界を共有してた兄。。。その匂いの世界に一人ぼっちになってしまった主人公。。。とてもせつなく、もおだやかに書かれてます。

    そしてまたその嗅覚と引き換えに失うものも。。。。
    最後は本当に本当にせつなく、でも明るく終わります。。。。



    すごい分厚い本なのですが、止まらなかった!4、5時間で完読。
    (朝日を見ました。。。)

    絶対お勧めします。本当良かった。心から、うん良い本だと思った本でした。。

  • 恩田陸が音を言葉にしたように匂いを視覚で表し文字として伝えた作品。20年以上前なのに今読んでも新鮮さを失わない。

  • 急に嗅覚が鋭くなった主人公は、それを頼りに姉を殺した犯人を探し出そうとする。

  • 2014年10月19日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「顔」。

  • 高校の頃に読んだのをふと思い出して本棚に登録。また読んだら星つけますが、すごく印象深くて今もその世界のイメージを思い出せる。

  • 星3,5 犬以上の嗅覚を得た人間の、感覚の表現が興味深く読めた。

  • 「匂い」が見えるという、SF的な設定を詳細に描く文章力は流石です。リアリティーがありましたし、「嗅覚」に関する薀蓄も興味深く書かれていたので楽しく読めました。
    しかし、犯人を追いつめていく過程は迫力不足でサスペンスとしてはやや物足りない印象でした。

  • ある事件をきっかけに視覚を失い、代わりに鋭い嗅覚に目覚めた男が殺人犯を追う。

  • なんかすごい嗅覚もった人の話。

    文章自体は軽快でミステリーながらも難しく考えながら読む必要なくスラスラ読める。
    鼻。

  • ぼく片桐稔は、ある日、姉の家で何者かに頭を殴られ、一か月間意識不明に陥る。目覚めたぼくは、姉があの日殺されていたと知らされ、そして、鼻から「匂い」を失ったかわりに、とてつもない嗅覚を宿すことになった。姉を殺したヤツは同じ手口で次々と人妻を手にかけていき、ぼくは――。
    斬新な発想で独自の世界を築き続けてきた著者が、満を持して放つ、新たな衝撃作。(内容紹介)

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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