- Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620106083
感想・レビュー・書評
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ある事件をきっかけに視覚を失い、代わりに鋭い嗅覚に目覚めた男が殺人犯を追う。
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発想の勝利。匂いがカラフルな球形に見えるという力を持つ人が主人公。読んでいて目の前に球が見えるような描写が素敵だった。
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夢人氏の作品は、どうも途中まで凄い面白いのに最後の最後で失速する感が……。でも独特の設定で面白かった。
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「クラインの壷」もそうでしたが、なんといっても着想が面白い!
事件に巻き込まれて、超人的な嗅覚を獲得した主人公によるミステリー小説。
「嗅覚」と言うと、つい「匂い」を連想しますが、そうでないのがミソ。
嗅覚の「共感覚」が備わった感じでしょうか。
匂いを匂いとしては感じず、「形」「色」で視覚的に認識する。
今でこそ、自分も「共感覚」と言うことを知識として知っていますが、
本書発行当時に、この着想にたどり着いたのがすごいなと
この感覚の描き方も面白いとおもうし。
ただし、ラストをミステリー小説としては、手堅くまとめているんですが…
個人的には、「他者と共有することができない嗅覚による証拠は、なんら客観的な証拠としてなりえない」と言う点をどう崩すのかを楽しみにしていたのですが…
そこが残念なところかな。 -
面白いなぁ。視点が面白い。
現実的にどうなんだろう?と云う難癖は抜きにファンタジーとして受け入れられる。
ファンタジーと言っても血なまぐさい陰惨なミステリでもあるのだけれど、犬より優れた臭覚を持って犯人にたどり着く…あってもよさそうな気がする。もちろん実際には例え臭いが目で見えたとしても厳しいのだろうけど…ファンタジーですから。
最近の空気清浄機はオナラを認知して勝手に作動するというから…臭いに色形があったなら…それはもう誤魔化しようがなく…“悟られ”の次に恥ずかしいことですね。
分厚い本ですが、苦なく読み応えありでした。 -
我々は感覚のうち視覚に全面的に依存しているが、嗅覚に依存した場合世界はどのように見えるのだろうか。
主人公である片桐稔は姉を殺した連続殺人犯による殴打により脳に損傷を受け、それをきっかけに驚異的な嗅覚に目覚める。
その嗅覚は普段視覚に依存している我々とは全く異なったものとなり、「匂い」を分子単位で゛視る゛ことが出来る程であった。
彼はその嗅覚をもとに、姉を殺した連続殺人犯と失踪した友人を捜索するのだが… -
発想がすごい!
匂いがこんなに美しいものだとは知らなかった。
これは読むべし。 -
かなり長編。あなたの嗅覚が犬以上だったら?こんな視点で小説を書ける作者って、
・・・きっと、犬なんだ!!!!!!!
なかなか、面白かったですよ。 -
これ映画化されてんだよね、すげえ勇気あるなあって思ったわ。秘密兵器に乗ってパトカーと殺人犯を追うシーンはどうなんだ!?って思いました。目が見えなくなっていくと同時に匂いが見えるようになった少年が嗅覚を頼りに殺人犯を追い詰めていく。新しい。