東京少年

著者 :
  • 毎日新聞出版
3.31
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本棚登録 : 531
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106557

作品紹介・あらすじ

ある日ぼくは、母に通じる手がかりをひとつだけ教えられた。父と出逢った日、母は美しい黒椿を抱えていたと云う。タワーの傍らの、生まれ育った町でぼくは幻の花を追いかけはじめる。次々と家族の謎が解き明かされて-。

感想・レビュー・書評

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  • よくある家族再会の話かと思ったら全然違った。




    手がかりが「黒椿」というのも粋な設定だが、黒椿を追い、主人公が次々と知り合っていく人が実は全部自分に関係する人だったなんて・・・。
    甘えたいときに甘えられない、甘えたいのに甘えられない、人に取られたみたいでいやだ・・・。
    子供と大人の感情の入り混じる思春期の主人公の心の葛藤にはかなり共感した。

  • ざわざわした街と少年のお話。やることは大人びているのに、嗜好は子供っぽいところだとか、些細な引っ掛かりが愛おしいギャップとして読めたりして、私はすきです。

  • 予想以上に面白かった 未熟な大人たちと惑わされる少年 この2人のそこのところもう少し教えて!ってなりますよね

  • 植物採取の為に世界中を飛び回っている父のせいで、
    大学の研究室で働く叔父に預けられた14才の常緑(通称:ロク)。
    総菜店の光は、口数は少ないけれど何かと相談したりできるから
    頼りになる唯一の相手でもあった。
    ある日、出て行った母親の手がかりは、黒い椿が写った写真と、
    裏面に書かれた《Tsunomegawa》という文字だけと知るが
    「黒蝶椿」に魅せられて探し始めるロク。

    とりあえず、血の繋がりとか、遺伝とか、そういう
    遺伝子レベルの組み合わせの話って、好きなのかなぁ~
    長野さんのSFって、結局そこに行きつく気がする。
    これはSFではないですけど(^◇^;)

    漢字の使い方が美しいのは相変わらずです!

  • 面白かったです。
    黒い花が集められている「墨花亭」…実際は臙脂や濃紫の花のようですが、良いなぁ。
    なかなか一筋縄ではいかない人ばかり。
    初めて(恐らく)、長野作品の女性を素敵だと思いました。紫さん。軽やかで。
    しっとりとした空気と色とりどりの花々…好きな世界です。

  • 大人の事情に振り回される少年。
    でも、ちゃんと愛情を注がれ感じているし、ほのぼの。

  • なかなか難解でした。

  • 長野まゆみ特徴の同性愛表現は少なめ。
    親子のことと、黒椿のことが常に話題の中心。
    主人公の心情や恋慕の情より、主人公のまわりにいる
    人たちの情の方が伝わってきた。

  • 登場人物の静かさ。結構意外な展開が多かった。

  • 植物が出てくる綺麗な物語。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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