小さき者へ

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著者 : 重松清
  • 毎日新聞社 (2002年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106625

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小さき者への感想・レビュー・書評

  • 短編6つ。
    田舎で一人暮らしする親。そんな親のことを考える日が誰にでもくるのだろう。どうするか。
    息子への想いを手紙に綴るのもいいけれど、どうせなら実際に話したほうがさらに伝わりそう。手紙でしか伝えられないそんなところにまできてしまったということか。
    いずれもジンとくる話しだった。

  • 親子関係、特に父親に焦点を当てた6編の短編小説集。それぞれにすれ違ってしまう、子供の心理、父親の心理がよく描かれている。普段は忘れてしまっているが、大人もみんな昔は子供だったんだということを感じさせられた。特に、「小さき者へ」「団旗はためく下に」「三月行進曲」が心に残った。

  • 家族の短編が6つ。

    『団旗はためく下に』について。
    応援団あがりの父親は一見ヤクザのようで、娘にとってはダサくてうざい。”なんとなく”高校をやめようとしている娘。父親はそれに怒り、説得し、理解しようとして、押忍の心を娘に伝える。結局、娘は高校を退学し、美容師を目指すことにする。
    娘が退学したその日、校門の外には学ラン姿の後輩を従えた父親がいた。「押忍!」と叫び、娘の旅立ちにエールを切る父親。娘は父親に応援されている。これからもずっと。

    -----------------------

    どの話も家族の話、そして後悔の話のようだった。
    読んでつらくなる話もあった。

    『失敗しない 後悔しない 人生がいいな』で始まり、
    『失敗しない 雨も降らない 人生なんてない』と歌う曲を思い出した。中学生のころ大好きだった曲だ。
    友人が中学の文集に『泣かないのが強いんじゃない 泣いたあと笑ってるのが強い』と書いていた、あの頃好きだった曲だ。

    嫌なことがない人生なんて、後悔のない人生なんてない。失敗したあと泣いて、そのあと笑えるような人生がいい。あの頃からちゃんとわかってるはずなのに何度もつまずいてしまうなあ。

    -----------------------

    感想文のつもりがポエム文章になってしまった。反省。

  • 小さき者、子供だけではなく父親も小さき者なんだなあ。

  • 子供と父親、子供と祖母、子供と離婚などのテーマで描いた中編集。まあまあ面白かった。

  • 6つの短編小説。
    1つ1つの話は全く違うテーマだけど
    全てに「後悔」という言葉が共通している気がする。

    特に『団旗はためく下に』にはすごく考えさせられた。

    人生は常に後悔することの連続で
    AとBを迷って、どちらを選択しても
    必ずいつか後悔の念が発生する。
    けれど、その時、「Aを選べばよかった」
    「Bを選んでいればどうなっていただろう」
    と考えるのではなく
    自分が選んだ選択を、これから自分の道で正解にしていけばいいんだ。

    相変わらず、文章の構成がとても綺麗で
    素直に胸にスーッと染み込んでくる重松作品。
    最近の携帯小説作家には絶対に出せない味です。

  • 久しぶりの重松作品。
    何となく「こどもの日」ということで手にとってみました。
    内容は…父親と子供(中には直の親子でないのもあったが)との関係を軸にした短編6本。特に重松作品は今の自分の年代、社会では中堅どころになっているか、挫折を経験しているか、そんな世代が主人公のことが多いので、何となく自分と比べて読んでしまう。
    どの話もどこかでじわっとするところがあり、また自らを振り返り共感するところもしばしば。これを女性が読んだらどう感じるのかなと、ふと思ったり。
    生きてきた中で落としてきたものを拾って確認するかのような、そんな大人と子供の心の機微を感じるストーリーでした。

  • 子供を持つ親として読んでみました。いろいろなケースがあるなぁと。勉強になったかんじ。

  • 子を持つ親目線の話が多かったが、まぁ面白かった。

  • 短編集。
    読みはじめてすぐ、重松清の小説だ、と感覚を思い出します。
    著者出身が広島方面ということもあって、広島が拠点になることが多い…ことが広島出身にとってはうれしくもありますが少し気になってきました。

    「海まで」
    不器用で扱いにくくて損をするタイプのカズキにどちらかというと似てるので、少し心苦しかったと同時に、重松清はそこまで深く書けるのかと驚きました。主人公の、親孝行や親への態度に悩みながら生きてる姿が現実味があって生々しかった。
    「フイッチのイッチ」
    両親の離婚…せつなかったけど、一人の男の子の成長を感じました。
    「小さき者へ」
    「団旗はためく下に」
    思ってもないことを口にしてしまう娘に共感。
    「青あざのトナカイ」
    "血は止っても青あざくらいは残るのかもしれない"
    「三日月行進曲」

  • 親と子の心のすれ違いに悩む6つの物語。

    田舎に住んでいる母親と息子に挟まれて悩む父、家庭内暴力でひきこもりの息子に読まれないであろう手紙を書き続ける父、親の離婚に心を悩ます子供、 娘が父を思う心、仕事に失敗した父、少年野球の監督として少年たちの微妙な友情に関わる父・・・。

    読んでいて胸がせつなくなり、どれもすっきりとした結末にならないのだが
    みな少しだけ希望の光が見えるような終わり方で、暖かい思いに包まれた。

  • なんで自分自身と重なるのか不思議、勿論、小説の方がドラマチックで素敵な結末だけど。

    団旗はためく下に:結婚式でエールと校歌は定番だった

    小さき者へ:息子の部屋に、私のCDや本があると、普段会話してなくても安心?する

  • 短編小説。
    ぐっとくる話

  • 重松得意の色んな立場にある「お父さん」が主役のお話が6つ詰まった短編集です。

    1篇目の「海まで」は孫兄弟の2人を理不尽に弟ばかりえこひいきするおばあちゃんのことが最後までイラっとしすぎてしまってなんか駄目でしたw
    私は母方の祖母にはとにかく可愛がられたしたくさん遊んでもらったのでこんな理不尽な思いをもしも自分がさせられていたら・・・と思うといたたまれなく駄目でした。
    ただでさえ叔父にこどもが生まれた時には既に小3だったにも関わらずただの従姉妹だし祖母にとっては初めての内孫だったのだからしょうがないのに「こどもがえり」をした記憶すらあるくらいのおばあちゃん子だったので(苦笑)
    お話の最後でおばあちゃんが頑なになることも年を重ねると言うことの一部でしょうがないんだよ、って感じでまとめられますが結局腑に落ちないままもにょっとしっぱなしで終わってしまいましたw

    2編目の「フイッチのイッチ」
    これには私自身小4で両親が離婚し母親と2人暮らしをしていたので思い当たること、見に覚えがあることが多すぎて胸に迫るものがありました。
    こどもは両親の離婚に際して「別れて欲しくない!お父さんかお母さんのどちらか一人だけを選ぶなんて出来ない!今のまま一緒に暮らしたい!」とばかり思います。
    アルコール依存・ギャンブル・女遊び・働かない・暴力をふるう、これらの大きな問題があればまた話は別ですが離婚の殆どの理由はこの短編にあるように「性格の不一致」が占めます。
    両親の離婚によってこどもの生活は大きく変わります。
    学校での立場・家庭での役割・親戚や近所の人から好奇の目で見られること、そして「欠損家族のこども」になるということ。
    これらはその子のその後の人生にも大きな影響を与えます。
    不幸な結婚生活を無理矢理継続させることより、母子(父子)家庭になっても充足した家庭を築くことのほうが生産的かもしれませんし実際そうでしょう。
    この1篇は、離婚を真剣に考えている両親に読んでみて欲しいと思いました。
    こどもはこどもなりに、小さな脳みそで抱えきれない程のたくさんのことを考えているのだということに気づいて欲しいです。

    3編目「小さきものへ」
    中学生の息子による家庭内暴力のお話です。
    お父さんからだけの視点で息子へ渡せない手紙を書き綴る形でお話は進みます。
    どこかの家庭で今まさに起きていそうなお話で胸が痛くなりました。
    どうしたらいいのかわからない!どうしてくれよう!という激しい思いを暴力という形でしか表せない我が子から、どうぞ両親だけは逃げずに受け止め続けてあげて欲しいです。
    周囲の人の支えも勿論必要ですが。

    4編目「団旗はためく下に」
    中学生の女の子の「なんとなくだけ絶対なの!」って台詞に「あ~そんな時期あったなぁ、わかるわかるw」と微笑ましく読みました。
    そして「押忍」の精神にちょっと感動しました。
    どこまでも黙って耐え忍んでいるけれど気持ちは前へ押しているのだ、と。
    まぁ今となっては古き良き時代のお話かもしれませんがw

    5編目「青あざのトナカイ」
    これも全国いろんなところで同じようなことが起きているだろうなぁ、と胸が苦しくなるお話でした。
    フランチャイズシステムの下あえぎ苦しむ加盟店々長は全国津々浦々にあまたといることでしょう。
    本部は絶対損しないシステムフランチャイズ。
    コワイコワイ。

    ラスト「三月行進曲」
    微妙な少年たちの友情のもつれを描いています。
    でも彼らはきっと一生の友達でいられるんだろうな、とうらやましくもあります。
    いつかきっと笑い話になる日がくることでしょう。

    と、ちょっとレビューが助長しすぎましたw
    失敬!

  • やっぱり重松作品好きだぁ。

    “親と子”が描かれた6つの物語。
    決して良好な関係じゃなかったり色々あるんだけどやっぱり家族って良いことを再確認できる。

    重松清さんが描く子どもの気持ち、すごく理解できる!!いつか自分が親になったとき、親の気持ちも理解できるんだろうなぁ。
    すごいなぁ…。

    「団旗はためくもとに」の中で『押忍』について語られてて、感動したー!
    私は上手く説明できないけど「押して忍ぶ」。カッコイイ!!
    確かに応援って「がんばれ」だけじゃない。「ここにいるから。側にいるから」って伝えることも応援だよね。
    いやぁ〜いいこと言う。


    おもしろかったぁ!

  • ニセコなどを舞台とした作品です。

  • 短編集。大人って、親って、大変なんだなあと思った。
    「小さき者へ」読んでてつらかった。子供は思うように育ってくれないんだなあ。
    「三日月行進曲」野球が好きだったらもうちょっと気持ちが入ったかな。
    生意気な子供は苦手。大人の対応が出来る主人公はえらいなあと思った。

  • 短編集。
    どのストーリーにも共感できるところがあり、胸が温かくなる結末に癒されました。
    きっと、6つの話の中に、経験したような思い出と重なる話があると思います。

  • 親と子の短編集。
    父と子だったので、あまり感情移入は出来なかったかな。
    ちょっと頼りない父と、子って感じがしました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    子を、親を―人生を抱きしめた、深い共感を心に刻む六つの物語。

    内容(「MARC」データベースより)
    勝て、とは言わない。負けるな、とも言えない。それでも、僕は入場行進曲のリズムに合わせて、手拍子を打つ。途切れなく打ちつづける。(「三月行進曲」より) 人生を抱きしめた、深い共感を心に刻む6つの物語を収録。


    ・海まで
    ・フイッチのイッチ
    ・小さき者へ
    ・団旗はためく下に
    ・青あざのトナカイ
    ・三月行進曲

  • 短編集。
    どうしたって行き詰まることもある。
    うまい具合に気持ちが届かないこともある…
    そんな事をチラリと感じた一冊。
    なかでも「海まで」が良かった。読んでて結構つらかったけど。
    表紙はこれまたいとうひろし氏★★★

  • 「親は、どんなときにもベスト盤を子どものために、よかれと思って選んでしまうものなんだな。そして、子どものほんとうに聴きたい曲にかぎってベスト盤には入っていないんだな。」(「小さき者へ」より)

    重松節。
    どれも優しい短~中編集。
    どれも、ほんとうに辛いのだ。苦しくて、眼を逸らしたくなるようなゲンジツが描かれている。
    それでも、どこか大丈夫だと、まだこれからやり直しがきくから、と励ましてくれている物語ばかり。
    涙が出るのは苦しいからでも悲しいからでもなく、暖かい思いに包まれるからだ。

    【12/23読了・初読・市立図書館】

  • 海まで、フイッチのイッチ、小さき者へ、団旗はためく下に、青あざのトナカイ、三月行進曲の6話。

    「海まで」と表題の「小さき者へ」、「団旗はためく下に」が良かったです。
    泣けてくる3作品でした。後味は悪くなく、切なさと少しの明るさが残ります。

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子を、親を-人生を抱きしめた、深い共感を心に刻む六つの物語。

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