魂萌え !

著者 :
  • 毎日新聞社
3.37
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本棚登録 : 1007
感想 : 197
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620106908

作品紹介・あらすじ

夫の急死後、世間という荒波を漂流する主婦・敏子。六十歳を前にして、惑う心は何処へ?ささやかな"日常"の中に豊饒な世界を描き出した桐野夏生の新たな代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 桐野夏生氏の「魂萌え」。
    まとまった時間が無かったので ちょっと時間がかかりましたが、本 自体は非常に面白い作品でした。
    自分ではこんな人生は無理ですが、本を読みながら人生経験をしたような気持ちになりました。
    いろいろな読み取り方があると思いますが、本当のところは何を言いたかったのか作者に聞いてみたいような気持ちになりました。
    常に主人公からみた描写でしたが、もしかしたら、作者はもっと違った方向からみたところも意識して、盛り込んでいるように思えました。
    たぶん主人公は奥さんではなく、ご主人かな?

  • 夫が急死して、子供と揉める、愛人出てくる、友達とギクシャクする等々。リアルな出来事が次々と起こりすぎて、読んでて疲れました。

  • ありえん展開やんか、っと途中でつっこみたくなるのは小説を読みなれていないからかな。ノンフィクションばかり読んでいるからか。年を取ることって切実なんだな。孤独との戦い。年をとっても敏子のように情緒的に自立できていない場合、急な展開についていけなくなるが、女って強いんだと思った。

    • だいさん
      >年を取ることって切実なんだ

      予想以上ですね
      >年を取ることって切実なんだ

      予想以上ですね
      2016/07/04
  • 女はやはりたくましかった…。ドラマのようなことは自分には起きないと思っていた…と主人公は言うけれど、平凡な日常にこそドラマはあるものだと思う。案外平凡って難しい。
    自分が敏子さんの立場になったら…と想像しただけでも、意外と計算してしたたかに考えてる自分がいるから、やはり女は逞しいのだ。
    でも、母って、妻って一体どういう存在なんだろう…。母性がなせるものなのかしら。

  • 主人が突然死した直後から起こる様々な問題…。遺産、愛人!!同居!?
    ‘何の取り柄もない専業主婦‘が右往左往しながら悩んでいる様子が他人事とは思えない…。
    人と人との触れ合いって、人が成長して行く上で欠かせないのね。
    私なら、どう心を整えるかな?

  • 黒いストッキングをはくときも、赤いペディキュアを塗ろうと思わせてくれた作品。

  • 桐野さんにしては予定調和的エンデイング
    ーーーーー
    夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。まだ老いてはいないと思う。だが、この先、身体も精神も衰えていく不安を、いったいどうしたらいい。しかも、真面目だった亡夫に愛人だなんて。成人した息子と娘は遺産相続で勝手を言って相談もできない。「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。夫の愛人と修羅場を演じるなんて、これが自分の人生なのか。こんなにも荒々しい女が自分なのか。カプセルホテルへのプチ家出も、「あなたをもっと知りたい」と囁く男との逢瀬も、敏子の戸惑いを消しはしない。人はいくら歳を重ねても、一人で驚きと悩みに向き合うのだ。「老い方」に答えなんて、ない。やっぱり、とことん行くしかない! 定年後世代の男女に訪れる、魂の昂揚を描く。

  • ★購入済み★
    読了日不明

  • テレビで桐野夏生を知り読んでみた。今70歳の作者がアラ還の頃に書いたのかな。今どきケータイを持ってない主婦の方が珍しいし、良妻賢母も今や昔ではある。この物語の私の一番の関心は子どもたちとの関係かな。成人した子どもはただの大人だから、独立して疎遠になり寂しいのは共感できます。ただお互いが甘え過ぎでは?と思うシーンが多くゲンナリ。現在アラ還、子どもたちは独立し、退職した夫と二人暮らしという境遇は同じなのに、私とは考えが違いすぎて、ある意味おもしろかった。お勉強させていただきました。これからどう生きようかなー私。

  • 7歳の時の自分と、
    47歳の今の自分。
    全然違う!
    考え方も興味の先も、
    身体も心も。
    変わらないのは
    夢見がちなところぐらいか。

    では17歳の自分と、
    47歳の今の自分では。
    だいぶ違う!
    と言いたい
    ところだけど・・・

    27歳の自分。
    37歳の自分。
    違うといえば違うが、
    今の自分とはっきり陸続きだ。

    ということは、
    57歳の自分、
    67歳の自分、
    77歳・88歳・98歳・・・も、
    それほど変わらない
    のかもしれない。

    還暦目前にして、
    連れ添ってきた夫が
    急死した主婦が主役。
    ずっと家庭にいて、
    世間知らずで慎ましく、
    夫や子どもに尽くしてきた。
    夫が亡くなった途端、
    これまでの日々は
    何だったのか
    と思わせる出来事が相次ぐ。

    夫の秘密。
    子どもの身勝手。
    遺産相続。
    友だちの変貌。

    茫然と流されていた主婦の
    心の堤がついに決壊する。
    何だってやってやろう、
    覚悟が決まる。
    失敗が何だっていうんだ。
    視点が変わると世界も変わる。
    人の姿も違って見える。

    目の前のことに食らいつき、
    精一杯やっていくしかない。
    何歳になっても
    それは変わらないんだ。
    主人公の悟りに希望を見る。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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