めぐらし屋

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著者 : 堀江敏幸
  • 毎日新聞社 (2007年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107110

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めぐらし屋の感想・レビュー・書評

  • 味わい深い文章がいいです。とても。味わい深い、などという月並みな言葉でこの良さを表すこと自体、自分をふがいなく感じるほどに。よどみない、息の長い一文一文が、その長さを感じさせない心地よさをもって沁みいります。
    この本に出逢えた幸運に感謝。

  • 主人公はからだが弱く、おっとりやさんの独身アラフォー女性、蕗子さん。
    両親とも亡くなり寄る辺ない身の上の、なんとも頼りない彼女だが、
    子供の頃からの親友や、会社の同僚は気の置けない優しい人たちで、
    何かと彼女を気に掛けてくれる。
    そんななぜか放っておけない蕗子さんは、
    やはり父親似で、めぐらし屋の仕事はきっと性に合ってるに違いない。

    上品な文章で、特に話し言葉が美しく、女性が書いているような印象を受けた。
    病弱な蕗子さんの体調の描写が多く、重苦しくなりがちな部分もあるが、
    全体で見れば彼女の人の良さが前に出て、のんびりおだやかなお話。

  • この作家さんは初めましてでした。

    読み始めてすぐ、好きかもって思って、
    でもそれはいつもじゃなくてタイミングを(私の場合)選ぶなってわかって。

    「蕗子さん」ってのがいいね、「蕗子」で語るんじゃなくて。

    彼女のペースや流されないとこ、いいいね。

    でも彼女の「はい?」は想像するとダメだ。イラッとする。
    TPOわきまえず甲高く大きな声で「はい?」と言われたら嫌だわ。


    なんか、あれこれ片付かないままだったような?
    これでいいっちゃいいんだけど、思わせぶりというか
    「こたえ」や「結果」があるんだろうと思ったもの達がそのままで終了。


    読み終わったあとに残るのは物語の内容ではなくて、もっと曖昧で漠然とした
    物語全体に漂う雰囲気や空気感がしんみり胸に漂い残留する感じ。

  • 新聞の日曜版に連載されていたものなのですねー。
    なんて贅沢な。
    冒頭の置き傘のエピソードといい、主人公「蕗子」さんの名前も、体調を気にしながらの行動も、年齢的に近いものを感じながら読んだ。
    平行してエンタメ系の小説を読んでいたので読み心地の差がはっきりと分かって、堀江氏の作品はありがたいなーなどと思った。
    文章の間に読者の記憶をめぐらせる余地を感じて読んで豊かな気持ちになった。 最終章の冒頭の池の描写とかもう圧倒的。
    終わり方めちゃくちゃかっこよかったー。

  • 好きか嫌いかで言ったら好きな方ではありますが。
    作中の気圧が低い(雨だったりどんより曇りな感じと、主人公の低血圧っぷり)ので、元気な時で良かった。
    しかしその割にはふんわりした優しい感じ抜けた感じもあって不思議な読後感。
    とくにはっきり何か問題や事件があってそれが解決するような話ではないので、もやもやする人はするかな。
    まだ1冊しか読んでないけど、脳内の「よしもとばなな・川上弘美・小川洋子」ラインに仮置きしとく。

    装幀 / 有山 達也
    初出 / 『毎日新聞』日曜版2006年4月2日~9月24日

  • ん?豆?
    黄色が素敵です。
    人のしゃべった言葉から、蕗子さんが思い出したものから、ぼわぼわっとわたしの想像が広がってしまい、なかなか読み終わらなかった。気持ちがはるかかなたにいて、多少読み飛ばしてしまっても大丈夫なおおらかさ。想像力がめぐりめぐるという意味ですね、めぐらし屋。

  • なんかこれ、読んだかも。

  • 面白い。難しいけど。ふわふわした、芯の通った、読み終わってなるほどと思わせてくれる話。雰囲気が素敵。

  • 疎遠になっていた父の遺品整理に訪れたアパート。そこで見つけた「めぐらし屋」と書かれたノート。偶然かかってきた電話を取ると「めぐらし屋」あての依頼だった。父を知る人を訪ね、今まで知らなかった父の一面を知る。特にドラマがある訳ではない。けれど流れるような文章がとても綺麗で温かい。初めて読んだ作家さんですが、もう少し、この文章を楽しんでみたいと思いました。

  • 女性作家の方が文体が合って読みやすい事が多いのだけど、堀江さんは別。じんわり沁みてくる、静かでいい文章だと思う。

  • 堀江さんで読んでいない作品が沢山あります。

    これもその一つ。

    ざっくり言うと
    お父さんがやっていためぐらし屋を巡る、
    娘、蕗子さんの物語。

    蕗子さんの名前の由来然り、
    会社の後輩の重田さんの抜け加減然り。

    相変わらず精緻な文体から浮かぶ
    登場人物たちが静かで知的なんだよなあ。

  • 高知県立図書館で読む。
    お父さんがしんじゃって、お父さんの家にかかってきた電話からめぐらし屋をやってたということがわかり、とくに終着点もなくおわるとてつもなく素敵なお話。面白かった。
    ものごとはみる角度によって変わるし、知ってると思ってることも複雑に知らぬうちに絡み合ってて知らないことだったりするからたんたんと日々を楽しむしかないんだなーって

    189

  • このひとの作品の中にはいつも小糠雨が降っているような気がする。

    淡々としずかな語り口を聴いていると、ひっそりとした安心感に満たされる。
    話の流れは地味で、大きな冒険も変化もほとんどないが、
    日常の中のちいさな気づきや、段差のようなものをていねいに拾い上げて、ちくちくと小説に編んだというような感じがする。

    とても好みの文体。
    池澤夏樹や村上春樹を読んでいるときに感じる安心感を、堀江文学にも感じる。

    めぐらし屋、ってすごくいいアイデアだと思うので、
    蕗子さんの今後がどうなっていくのかも含めて、ぜひ続編を、シリーズ化をしてほしいなと思いました。

  • 毎日新聞社。
    堀江さんの日本語はうつくしいなあ、まず主人公の蕗子さんという名前がうつくしい。
    ただ、おわりがちょっと、尻切れとんぼなのが残念。

  • 読み終えてまず思ったのが「私が想像してたクライマックスとは全く別な方向だった..」でした。「えっ、この終わりか」な感じ。
    それが悪い読後なのかと言えばそうでもなく、まあ勝手に私が想像してただけですから。そもそも読者が想像したクライマックス通りになるのも、作家としてどうかと思いますので。

    タイトルの「めぐらし屋」がどうのよりも、主人公の蕗子(ふきこ)本人の日常感を感じる作品でした。

  • いいなあ、蕗子さんのペース。
    真面目で不器用で、仕事はきっちりするし責任感もあるけれど、どこかずれている。数々の体調不良には、同情と共感を覚えます。そして、素っ頓狂な「はい?」
    父親と蕗子さんの関係の描き方がまた、素敵でした。細やかに描かれる数々のエピソードに、じわりと。

    傘の話にインパクトがあるからでしょうか、何となく「スノウ・ティアーズ」を思い出しました。ほのぼのとしたユーモラスな空気感も、どことなく似ているような。この本では実際に起こりえないことは起こらないけれど、人と人の繋がりは、十分に不思議。めぐらし屋だなんて、本当に不思議。

    この人の文章が好きだ、と読むほどに思うけれど、これまで読んだ中ではこれが一番好きかも。

  • 初めて読んだのだが、文体がとても好き。
    雨の描写が多いせいか、部屋の中で体感で雨を予感していたのに、外へでて雨であることに新鮮に驚いた、時を思い出した。

  • 堀江先生の核小説の雰囲気には独特な何かがあって、ぐいぐいとも違う引力で引っ張られてしまいます。
    堀江先生を一生知らずに済ましてしまう人も多いのでしょうが、出会えてよかったと思います。

  • めぐらし屋がいったいなんなのか、電話の問題は解決するのか、名和さんはタバコ屋の名和さんだったのか、体調不良のかげになにかひそんでるのか…

    なーんにもわからないまま物語はぷつりと終わる。
    びっくり。

    でも蕗子さん、お父さん、蕗子さんの同僚、などなどみんないいキャラ。

    どーでもいいようなことが細かく書いてあったりで、(焼き肉屋の会話や、コーヒーのことなど)その物語が伸び縮みしてる感じがおもしろかった。

  • 亡くなった父の家にかかってきた電話から、父が「めぐらし屋」という何かをやっていたことを知った蕗子さん。めぐらし屋って何?という謎をといていくお話。

    メインとなるこの、父をめぐる話は良い。
    でも、同じくらいの割合で蕗子さんの体調不良がかかれていて、なんだかめぐらし屋に集中できない感じが否めないお話でした。
    なんだろう、こう、あちこちにお話が飛んじゃって自分の中でまとめるのが大変だったというか。

    蕗子さんの気持ちの変化なんかも読み取りづらかったなあ。
    テーマは好きな雰囲気だっただけに、ちょっと残念な気持ちになってしまいました。

  • 堀江敏幸「めぐらし屋」http://t.co/b6LqBqfC 読んだ。冒頭のノートと傘の描写に始まり、暮らしの細部描写が満載な割に、ファンタジーのような浮遊感のある話だった。三人称形式だけど蕗子さん重田君という表現のせいか、身近な人の語りを聞いているような親密さもある(つづく

    平凡な生活に突然降ってくる不思議な状況や偶然性はオースター的だけれど、あれほど大掛かりではない。蕗子さんは体が絶不調なのに随分のんびりしてズレている。めぐらし屋で、蕗子さんの漫然と停滞した日常に新しい風が吹くだけでなく、ついでに血流や気もよく巡ったらいいのに(おわり

  • この作家さんは初めて読んだのですが、最近の長野まゆみさんと何となく似た空気感だなあと思いました。
    すごく水気のある感じというか、読んでいると呼吸がととのう感じ。

  • 新聞にすぐに書評が載ってしますので、いそぎ読了。
    期待して読んでもまったく裏切られない。いつも安心して読める。

  • 淡々と進む。恋愛でもなく、泣けるわけでもなく、問題がすっきり解決するわけでもなく。でも読み終わったあと、なんかよかったと思った。
    お父さんのこんな秘密ならあってもいいかも

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