一瞬でいい

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107141

感想・レビュー・書評

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  • 「もし、あの一瞬がなかったら、私たちはどんな人生を送っていたのかしら」
    かけがえのない友人である英次を、自分たちの過ちで死なせてしまった。
    その贖罪の思いを抱えながら生きていく稀世、未来子、創介。

    ”十字架を背負って生きていく”

    哀しい人生なのかもしれない。
    でも、これはこれで幸せだったのではと思う部分もあって。
    だって、初恋の人と生涯心の中で繋がっていられるんだもの・・・

    それでも、創介の最後の言葉、
    「さよならは言わないよ。稀世にはもう言ったから、十八の時に」
    これには、やっぱり泣けました。

    最後、稀世と未来子がした選択…
    もし自分が稀世だったら、未来子だったらと考えたりもして。
    「創介さんの生きた人生には未来ちゃんが、そして、生きられなかった人生には私」
    あぁ…。

    読み終えて、しばし放心状態。
    そして、
    今度は軽井沢で出会ってから浅間山に登るまでの4人の日々をもっと読みたくなりました。

    • azu-azumyさん
      おはようございます♪

      この本、私も大好きです!
      実は唯川さんの本との出会いはこの『一瞬でいい』で、2010年のことでした。
      遅いで...
      おはようございます♪

      この本、私も大好きです!
      実は唯川さんの本との出会いはこの『一瞬でいい』で、2010年のことでした。
      遅いですね…(笑)
      それ以来、唯川さんは好きな作家さんの一人です。
      と言っても、まだ10冊しか読んでいませんが…

      ブログの記事の件、お気を遣わせてごめんなさい!
      全く問題ありません!
      というよりも、拙いブログに遊びに来ていただいてうれしいかぎりです。
      またお時間のあるときに、遊びに来てくださいね~♪
      2015/11/15
  • 人は必ず死ぬ。それだけは、どんなことがあっても守られる約束だとわかっている。それでも、人は悲しみに慣れることができない。去る者も、去られる者も、途方に暮れてその時を待つしかない。残される記憶だけを寄辺にして。


    1973年、浅間山での出来事がすべてを変えた。18歳の少女と少年はやがて大人に…。29歳、37歳、49歳、恋愛小説の旗手が自らと同年の主人公たちの人生の軌跡を描くファン待望の長編小説。


    文章自体は唯川恵っぽいけど、中身はこれまでのイメージを一新するもの。いつものラブストーリーとは少し違う。

    あの一瞬がなければこんな風ではなかった失うこともなかった。だけど、あの一瞬があったから分かったこともあるし、失わなかったものもある。
    そういう気持ちや境遇が素直に伝わってくる。
    病や死が、解放のきっかけになることもあるんだなぁ、と知った気がする。

  • 仲良し男女4人組の1人が事故死し、それぞれが自責の思いを抱えて生きていく。

    頭を離れない後悔、幸せになることは罪なのか。
    18歳から49歳まで、それぞれの人生と運命のいたずらのような再会と。

  • 「一瞬でいい」そう思ったあの日。あの「一瞬」がなかったら、そう思える出来事。誰でもそんな思い出を抱えていると思う。
    運命に翻弄されながらも稀世の逞しくしなやかに生きる姿、創介の男気と芯のある生き方、未来子の心の成熟していく様。
    人は誰しもひとりでは生きていけない、生かされているんだ、と訴えかけてくる。
    そのうえで「誰も貴方を救ってはくれない。変わるのは自分次第だ。」と。
    読み終えた後、「そして貴方はどう生きたいの?」と問いかけられた気がした。他の唯川作品とは違った味わいで、何度もリピートしている。

  • ちょっと小池真理子チック。舞台は浅間山、軽井沢、そして東京。運命に翻弄された男女4人の物語。「若い頃は答えを求める、今は答えなどないとわかる。」「あなたは彼と生きた人生を、私は生きなかった人生を共にした」うーん、名言!

  • 幼馴染の4人が高校卒業記念に登った浅間山で運命を変える事件が起きる。その事件をそれぞれの運命に突き付けられ、答えのない人生を生きていく。ただのラブストーリーではなく、切り替わるそれぞれの視点が物語を豊かにさせる。何気なくすれ違う人々にもそれぞれの人生があることを実感する。ページをめくる手が止まらなかった。唯川さんの作品は最初だったが、改めて読書の魅力を味わえる作品でした。

  • すごくよかった。
    まだ何冊かしか読めてないけど、唯川恵の本で一番好き。
    18歳の時に、男2人、女2人の4人で浅間山に登る。そこで事故が起こって、ひとりの男の子が亡くなってしまう。
    残された3人が50歳になるまでの人生を追いかけたお話です。
    事故の後、音信不通になってしまうも、何度か巡り合う機会がある3人。
    本の最後の方では、すごく大事な時間を、きっと過ごせたんだろうなぁって思う。
    素敵な関係です。
    事故がなかったら、案外なんの関係もなくなってたりするのかも。
    悲しい事故で結びつけられた3人って考えると淋しいけど、
    それでも、いろんあことがあっても、素敵な関係を築けるっていうのは、
    やっぱり凄く素敵なことなんだと思う。
    都合よく再会しすぎ?と思っちゃわなくもないけど、
    縁があるってことなんだろうね。
    今回は図書館で借りたけど、文庫になったら、買おうと思いますw

  • 借り物恋愛小説第二弾。ちょいと長編。でも割りとさくっと読んでしまいました。

    幼馴染の死を抱えた3人の男女の人生。
    遠く離れて暮らすことにした彼らだったが、長い人生の中で、やはり深く交わることになる。


    だいぶテンポも展開も早かったですが、すっきりと読めました。
    これからまだまだ、自分の人生は続いていく。
    人と関わることに疲れてしまいそうだったけど、結局はこれから先もつながってくしかないんだよな、なんて諦めを感じたりしました。

  • 話はあまりに残酷な物語。
    3度くらい手が止まって、「一瞬」本を閉じた。
    ごめん。これ以上読めない。
    読み終わるのに3日かかった。

    唯川恵は書き分けの旨い人だと感じている。
    浅間山、軽井沢といえば、思い浮かぶ作家がいる。
    ともに直木賞作家。

    毎日新聞の夕刊に2006年1月4日から12月28日まで連載とのこと。
    あとがきに代えてに、新聞連載時に小山内仁美さんの挿絵があったとのこと。
    見たかった。今度、新聞を拝見します。

  • 幼馴染の4人。18歳のとき一人が事故で亡くなり、残った3人はそれぞれ罪悪感を持ちながら生きていく。
    29歳、37歳、49歳と時間が経過。

    昼ドラ的な流れがとても読みやすかった。

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