白い指先の小説

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著者 : 片岡義男
  • 毎日新聞社 (2008年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107271

白い指先の小説の感想・レビュー・書評

  • 作家の生活

    今で言う、ブロガーの生活なのかな。

    あとがきの、登場人物がみんな孤独、に打たれた。

    101 情景や場面の描写文から書き始めた

    103 40数冊のノートブックが役に立った。

    153 部外者の視点は快適

  • 書き下ろしの短編小説集である。シンプルでストイック、この作家らしい清潔感にあふれた作品ばかりだ。全部で四篇。どれも主人公はひとり暮らしの女性である。それぞれ美しさにちがいはあるが、飛びっきりの美女ばかり。その美しさの差異を描き分けることを作家は楽しんでいるように見える。

    驚くほど背景に溶け込んで目立たないのに、てきぱきとものごとを進めていく「実用的な美女」高原裕美子。寄らば切るぞという正統的美人の矢島美紀子。写真のモデルとしても通用する戦闘的美少女風の神崎梨々子。すっきりとスリムで、雰囲気は知的に華のある美貌の持ち主、北原美枝子、というように。

    四つの短篇は、読みようによっては一つの長篇小説のようでもある。主人公の女性は、ひとり暮らしの作家、或いは作家志望。苦しんで書くタイプではなく、書くべきことが次々と溢れ出して来るという感じで、アイデアは大学ノートに書きためられている。

    主人公を一人の女性と考えるなら、相手の男性もまた同じと考えるのは理の必然だろう。男は、学校やクラブで主人公と一緒に活動したことのある同窓生。今は、フリーランスの写真家である。誠実で、ストレートな物言いが特徴的。主人公にずっと好意を抱いていたが、当時は美しく隙のない相手に言い出せなかった。

    偶然の出会いに、どちらも相手を意識しはじめる。男の写真の仕事に付き合いながら、主人公は短篇のアイデアを煮詰めてゆく。短編小説が、どのようにして作られていくのか。もしかしたら片岡の場合はこうなのだろうか、とつい想像してしまうほど具体的に書かれている。

    アイデアはA4ノートの片側ページに余白を持って書き留められる。別のノートには、描写文や会話文が、様々なシチュエーションで書かれている。下書きはワードプロセッサで書くが、清書はブルーのインクの万年筆と決めている。

    第一話から、第四話に向かって、話の中に登場してくる小説が少しずつ形をなしてゆく。第一話「本を買いに行った」で処女作を書こうとしていた主人公は、第 二話「白い指先の小説」では、文学賞に応募し、その結果を待っている。第三話「冷えた皿のアンディーヴ」では、すでに短編集を一冊出版し、二冊目を出そう としているところ。男と街を歩きながら、頭の中でそれが小説に変わっていくプロセスを描いている。第四話「投手の姉、捕手の妻」では、主人公は、高校のグ ラウンドでキャッチボールをするバッテリーをジオラマにした作品から、二人の人生を想像し、短編小説を作り上げていく。短篇の中に別の短篇を入れ子細工の ように仕込むという洒落た細工になっている。

    小説を書くという孤独な作業を選びとったため、適齢期を過ぎてもひとり暮らしを続けていた美しい女性が、その美しさのため写真の被写体となることを通じて、写真家と結ばれるという一つのプロットから創り出された四姉妹のような小説である。きりっとして男性に媚びないスリムな美女に惹かれる人にはお薦めの短編集。テラスに出した小テーブルに、冷やした白ワイン。それと、何はなくとも白い皿を用意して読むと尚更に味わいが増すこと請け合い。

  • 独身のOLが、休日にティーでも飲みながら読むイメージの小説。
    読んでいて、特に面白いわけでもないが、つまらないというほどでもない。
    一言でいうと、毒にも薬にもならない、という感じ。
    好みでしょうね、好きな人はどうぞ。
    自分は、ダメっすね。
    読んでいて、物足りなさが残りました。

  • 4編の短編があり、主人公は女性で小説を書くということが
    何なのか、表現できる言葉。
    筆者の「あとがき」で書かれている言葉や小説の考えかたなど非常に興味深く読ませていただいた。

  • 孤独の底へ降りていく。自分の中の、物語と出合う―。美しく言葉を生きる人の影から、小説はこう生まれる。四人の女性たちの、それぞれに白い指先から。小説を書く女性たちの、四編のストーリー。

    こういってはなんですが、何を言いたいのかよくわからなかったです。すべてに小説家の女性が出てきますが、別に話がリンクしているわけでもないし・・・最後の「投手の姉、捕手の妻」はまぁまぁだったかな

  • 小説 と 写真   をモチーフにした短編集。女性が小説を書いていく、その過程が「都会のオトナ」の会話を中心に進んでいく。写真を生業とする男とのべたつかない関係もいい。小説ってこんな風に紡がれていくのか と作家活動の舞台裏をのぞき見る楽しみもある。「都会的」な「オトナ」の「さらさらした」小説が読みたい人にはオススメ かな。

  • 久しぶりに片岡作品を読んだ。相変わらずカタカナ言葉を多用して何だかなぁ。可もなく不可もなく、これが彼のスタイルなのかと。また、別の作品読んでも、同じ様な感想と評価なんだろうな。

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