東京スタンピード

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著者 : 森達也
  • 毎日新聞社 (2008年12月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107318

東京スタンピードの感想・レビュー・書評

  •  日本の世の中が暴力的な予兆に満ちてきている。自分では温厚であると思っていても、ある日突然、荒々しい叫びと態度を呼び起こす、そんな経験をしたばかり。みんな孤独で、他人を理解できないゆえの恐怖感で身構える。共同幻想が解体してしまった世界を生きなければならない。著者の幻想が杞憂であればと祈らずにいられない。しかし、植木等の集合無意識研究所とは何か。

  • メディアの煽りには気をつけよう。

  • 恐ろしい世の中だ。ても絶対ないとは言えない。過剰な防衛、メディアの煽り、サッカー応援の集団心理。

  • これは著者の処女小説なのだと思うが、構成や人物造形、台詞、その他の外形から判断して、小説として完成されている、とは正直言いにくい。探せば粗はあるし、ストーリーを楽しむ類の小説ではないのだが、それでも一気に読めたのはエピソードのリアリティ。例えば電車の切符を無くして、主人公が初乗り運賃の支払いを拒否して逮捕される場面。個人的にも経験があるのだが、駅員のとても客商売とは思えない対応に仰天したことがある。「社会的ストレス」の高まりをうまい切り口で見せ、小説の背景に説得力を与えている。
    感想は物語の中に出てくる架空の映画『碑』に対する小説内の評価とも重なり合う部分があるのだが、非常にメッセージに特化した小説である、ということ。著者の危機感に対して読み手がどれほど共感できるかにこの小説の評価はかかっているだろう。そのメッセージとは、著者の文章に馴染みのある読者であれば、おそらく帯の文章を見ただけでもピンと来るはず。
    でも本当は「森達也って誰?」という人にこそ読んで欲しい。著者があえて小説という形式を選んだ理由もそこにあるとにらんでいるのだが。

  • 舞台は不安が蔓延する2014年日本。そこにいるのはテレビ制作会社でディレクターとして働く伊沢。そこから始まる現実のような世界。感染する恐怖と憎悪、高まるセキュリティ意識、煽るメディア・・・・・そして・・・・
    これはそう遠くない未来の現実ではないかとも思わせる内容でした。それは意識と無意識の存在。そこから人々は暴走し始める。
    主人公は言う
    「僕は砂漠を歩いている。この方向が正しいかどうかわからない。でもひとつだけ言えること。変えるべきだと思わないのなら方向を変えないこと。真直ぐ歩き続けること。方向感覚に自身が無いのならできるだけ脇目を振らないこと。周囲とずれて取り残されてもあせらないこと。いったん歩き始めたその方向が、街やオアシスへの最短距離なのだと思い込むこと。 根拠はないけれど信じること。そして決して揺るがないこと。揺らいでもあわてないこと。正しいと思うなら自分を信じること。小さな間違いはたくさんあるけれど、自分は大きくは間違ってはいないと信じること」


    これがこれからの進むべき道である。

  • ドキドキハラハラ。21センチュリーのTokio.もはや他人事ではない。

  • 東京などを舞台とした作品です。

  • なんだこれ、と思いながらも読了。ドキュメンタリー制作会社スタッフが主人公で、出だしはいい感じ、いきなりSFチックになって、植木等まで登場。なんだこれ。

  • あのですねスタジアムにサッカーを見に行くとね 自分がすごく 猛々しくなるのでそういう自分がすごくイヤで 今年はまだ スタにいってないんだけどいやね去年のフクアリ最終戦は 相当やばかった。あれは 熱狂 陶酔 興奮 あれは森さんはこの小説で たぶん表現したいことがたくさんあるんだと思うし最近の報道が あおるような そういうことはあるとは思うけどオウム以後 っていう その感覚は わからないですオウムにこだわりすぎなような気もするしでも 細菌兵器の本に細菌兵器の本に必ずオウムが載っているのを見ると こだわるべき 大変なことなのかなぁ とも思うオウム以前が実感出来ていないせいかもしれない

  • 森氏初の小説ではないでしょうか?

    感想としては『危うい日本』がベースとなっているな…と。
    2014年という近未来の暴走(スタンピート)する東京。というより日本かな?
    その後の事とかないんですか?
    事が起こりました、収束しました、で良いんですか?らしくないな。

    確かに昔の文献などを読んでいると 日本人って煽られやすいよね って思う事は多々ある。
    煽られて、ヒステリックになったりして。
    森氏の言いたい事はわかる。
    でも、とっぴおし過ぎないか?
    私の危機感が薄いだけなのだろうか?

    瑠璃的に森氏は『ノンフィクションライター』としてやっていって欲しい。
    そして問題を定義して欲しい。
    そのほうが彼らしいと思うのは間違いか?

  • 2014年の日本が舞台。
    この夏に起きたリーマンショックも盛り込まれており、非常に現実に近い日本を意識しているのだろうけど・・・
    不況やマスメディアを通じて、日本でも無差別の殺人が多発すると言うストーリー。
    その時、「標準」である主人公は果たしてどんな行動を取るのか?
    ってところが言いたいんだろうけど、東京をパニックに陥れる無差別の殺し合いは、「Op.ローズダスト」を読んだ後では、もちろん内容は薄く・・・
    群集心理の説明もいまいちで、結局、何を一番描きたかったのか、分からなかった。
    全ての登場人物のキャラが薄く、もともとドキュメンタリーの作家さんだから、しようがないのか・・・
    帯に魅かれて、初読みしてみたけど、かなりがっかり。

  • ああやっぱり餅は餅屋だなあと。
    ドニュメンタリー作家であり近年は文筆業に重きを置く森達也が、敢えて小説という形式で刊行した新作。結果としては、小説家の書く文章との違いを浮き彫りにする形となった。もっと厳しく言うと、小説になっていないと思う。
    ぼくは森達也の著作には大きな影響を受けたし、この人の感性に共感し信頼を寄せている。ただ、小説というジャンルに必要とされる感性はそれとはまた別物なのだ。流れるような言葉のリズムや日本語の美しさ、視覚想像力への喚起。よくできた小説は、読むこと自体が愉しいもの。本作での文章は、不必要な言葉のクドさが物語の流れを邪魔しているし、話があちこちに飛びすぎて大筋が見えてこない。まるで今までエッセイで書いてきた事を全て詰め込もうと欲張りすぎているような感じだ。
    この人は生粋のジャーナリストであり、その感性は本来はマスコミという媒体でこそ生かされるものであるはずなのだ。(であるのに、現在のマスコミには彼の居場所が無いという事は、業界の異様な不健全さを物語っている。)『A』や『エスパー』などに代表されるように、愚直なまでに正直な取材に基づいて、ひとつのテーマを掘り下げていく手法こそが森達也の真骨頂だと改めて思わされた。
    好きだし信頼しているからこそ、今回の表現方法はちょっと違うんじゃないかと苦言を呈したい。

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