- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620107363
作品紹介・あらすじ
日比谷騒擾事件に揺れる日本。森宮では「熊野革命五人団」が暴走する-。運命にあらがう"生"。人びとをのみ込む、新しい時代。辻原文学の集大成。豊饒な物語世界、ついに完結。
感想・レビュー・書評
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上巻に記載
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それでは「許されざる者」は誰なのか。強烈に色鮮やかな永い夢をみたあとの微熱を感じている。
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106ページ
クツーゾフ将軍
◆クツーゾフ→クトゥーゾフ
※上巻で「クトゥーゾフ」。
179ページ
刑を終えてもおまえたちは結婚できない。民法第四章第三十三条によってね
◆民法第四章第三十三条→民法第七百六十八条
※日露戦争前の明治31年に民法施行。条文は「姦通ニ因リテ離婚又ハ刑ノ宣告ヲ受ケタル者ハ相姦者ト婚姻ヲ為スコトヲ得ス」。「第四章第三十三条」は施行されなかったボアソナード民法http://books.google.co.jp/books?id=Cz6idlW4QekC&printsec=frontcover&dq=%22%E6%97%A7%E6%B0%91%E6%B3%95%22&source=bl&ots=tATIJlXafr&sig=jnQOVufYh5tGKDAn21aYkCJYpPE&hl=ja&ei=_ZhmTND7IcvQcaeltZAF&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=6&ved=0CDsQ6AEwBQ#v=onepage&q&f=false(264ページ)の番号と思われる。Http://www.geocities.jp/nakanolib/hou/m4_o.htm -
なんかぼんやりした小説でした。
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まさに「浪漫小説」と漢字で表したい作品でした。日露戦争の前後の和歌山県の森宮(新宮のことと思います)を舞台にアメリカやインドで医学を学んだドクトル槙を主人公にしたドラマティックな物語です。奉仕精神豊かな資産家階級、過激な社会主義者や野望に燃える警官、美貌の人妻や、無知で愛すべき労働者たちが交錯して盛りだくさんの内容です。実在の人物もさりげなく盛り込まれていて面白いです。ただ大作なので少々息切れがします。私は上巻に時間を取りましたが、下巻は乗ってきました。
貧富の差、ではないですが、階級がとてもはっきりしていた時代ならではの話だなあと思います。
先に読んだ「蒼穹の昴」に出てきた万朝報が出てきて懐かしかったです。 -
和歌山、新宮などを舞台とした作品です。
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んー、まあまあ、でしょうか…。永野夫妻のやりとりのあたりはよかったけれど、なんだか全体的にぼやーっとした小説でした。何がテーマなんでしょう。恋?人間の生き方?戦争?戦争と人間?そして、谷は必要なのだろうか…。
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おもしろかった。
登場人物がみんな魅力的だった。特に千春と点灯屋の中森がお気に入りである。とにかくキャラクターが皆、自分で立って歩いていた。読んでいて飽きることがなかったのはそのためだろう。
永野夫人。どんだけ綺麗やねんて感じだ。
彼女の下の名前、一箇所だけ出てくる。こういう細かい技?も何気によかった。 -
再読なので丁寧にじっくり時間を掛けて楽しんで読みました。
歴史上の史実の上に虚構をうまく融合させた大河ロマン小説です、
森鴎外、田山花袋、幸徳秋水、石光真清などの人物も生き生きと登場します!
読んだ人にだけ分かる質問、
「永野夫人のファーストネームはなんでしょうか?」
長編小説ですが永野夫人のファーストネームはその中で一度しか出てこないのです。
この「許されざる者」のモデルになった町「森宮」は和歌山の「新宮」のことなのですが、毎年松茸を送ってくださる義母の友人の住んでいる町です。
一度、ぜひとも歩いてみたい町になりました!