パラドックス13

著者 :
  • 毎日新聞社
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本棚登録 : 5972
感想 : 778
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107394

作品紹介・あらすじ

13時13分からの13秒間、地球は"P‐13現象"に襲われるという。何が起こるか、論理数学的に予測不可能。その瞬間-目前に想像を絶する過酷な世界が出現した。なぜ我々だけがここにいるのか。生き延びるにはどうしたらいいのか。いまこの世界の数学的矛盾を読み解かなければならない。

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾さんといえば推理小説!って感じだったのでこの本はなんか意外でした(⊙⊙)
    当たり前に過ごしている生活に感謝ですね、、、天災に見舞われて地球が崩壊していく様は胸が痛みます。地震が多いので日本がいつこうなってもおかしくないような気がしました。
    自分だったらこの状況の時どうするだろう?と思ったりいろいろ考えさせられた作品でもありました。

  • 世紀末、この世の終わり…的な物語は大好きなので
    これまでも
    たくさん観たり、読んだりはしてきた。

    …が、
    いつも用意されているのは安全な傍観者用の席であり、
    私は神の様に眺め、楽しみ、
    観賞後は目覚めれば消える(悪夢)を終わらせるかのように本を閉じ、
    (はい、おしまい。)

    しかし、東野さんが用意した箱舟には
    この世界に触れた全ての人間を強制的に乗船させる力があった。

    生き残っていけなかった世界に、取り残されてしまった数人の男女。
    性別、年齢、性格、上手い具合にばらけた人選は、
    この中の誰かに読者が自分を重ね合わせてしまう仕組みになっているのではないだろうか。

    命の存在が絶対許されぬこの世界の意志は
    生きたい、と必死でもがく(私達)から
    水や食料どころか、立つ地さえも奪って行く。

    本当に、人にはもう成す術はないのだろうか。
    ならば、何故彼らは生き残ってしまったのだろうか。

    13分の謎も面白かったが、極限の中で葛藤する人々の心の揺れ、がとても興味深かった。

  • 東野流のディストピア&サバイバルSF。舞台設定はどこかでみたような感じだし、パラドックス13の真実もああなるほどという感じ。主人公の兄が、モラルや常識の崩壊した世界でも、自律的に前向きに生きようとするところが凄く印象的だった

  • 東野圭吾さんにはめずらしくSF。
    読み応えもあってハラハラしたけど、最後がわりとアッサリしていて残念。

  •  所轄の刑事である久我冬樹は、犯人の車に必死にしがみついていた。
     兄である本庁の兄が銃で撃たれ、自身も撃たれたと思った瞬間……自身の周りの人間が消えた。
     東京から自身を含むわずかな人間を残して、生物が消えた。ライフラインは寸断され、異常気象が襲う。東京に、自分たちに何が起こったのか。

     ミステリ作家・東野圭吾さんが描くSF作品、「P-13現象」によって、生物が居なくなってしまった東京での少人数のサバイバルを描いている。
     東野圭吾さんは多彩なミステリを書き、その中でSFテイストなミステリもあるが、この作品はSFテイストでなく、まっとうなきSF。

     3月13日13時13分からの13秒間に「宇宙全体が移動する」という現象が起きるということが分かり、普通に暮らす者には知らされない。
     破壊されていく東京でモラル、善悪とは何かを問いつつ、読み始めたら止まらない「当たり」の東野圭吾作品。

     ラストが弱いという意見もあるが、どんでん返しが目的の作品とは思えないので、生き残った人たちのラストとして充分じゃないかなぁ。個人的には好きな作品です。

  • 息もつかせぬ展開に引き込まれ、どう収拾させるのか先が気になり読むのが止まらなかった。映画を見たような満足感!

  • 東野圭吾という作家は最後救われたのか救われなかったのかよくわからない結末が多いような気がする
    自分で考えろってことなのかな?
    考えた結果自分の中に残った言葉は「多様性」だった
    うーんなんでやw

  • パラドックスに入り込んでしまった冬樹たちは、様々な天変地異や食糧危機を乗り越え、生きる道を目指す。

  • 科学的にも納得出来ず中途半端

  • 13時13分13秒からの13秒間に何かが起こると予測されるが、パニックを嫌き一般市民には伝えられない。そしてその時、世界から13人を残し人々が消えてしまう。相次ぐ地震、大雨、津波。首相官邸に逃げ込んだ彼らは、これがP-13現象だという資料を見つける。元の世界に戻るに為には・・・
    SFというよりは、人間ドラマ。国ごとにルール(法律)が変わるように、異常な世界では今までのルールは通じないということに悩み、葛藤する13人。言っていることは分かるが、自分だったらどう考えるか悩んでしまう。最後に少々疑問が残る箇所があたが、かなり整合性が取れているのはさすが東野さん。

  • 読み応えがありました。
    現代社会がみるみる壊れていく中で、10人の生存をかけて頑張る誠哉。
     普通なら絶望してしまう状況の中で、それでも最良の方法を探して、みんなを導こうという考え方には感動しました。
    「天は自ら助くる者だけを助く」という言葉が印象的で、最後にそれが立証された時にはすごく納得しました。
    ただ、何故一番頑張った誠哉が死ななければならなかったのか?
    それだけは腑に落ちない面が大きかったです。
     しかし、こんな物語を考え付く東野さんはやっぱりすごい。
     そして明るい未来を期待させる終わり方はとっても好感が持てました。

  • 面白かった。再度P-13現象が起こらなかったらどういうラストになっただろうか。ドラマ化したら視聴率取れそうな気がする。

  • タイトルのパラドックス13、は、ブラックホール等の影響で、特定日時から13秒間、時間が消滅する、という現象。
    その場に遭遇してしまった人々のサバイバルストーリー。

    設定自体はSFでよくある設定。
    2009年刊行なので、阪神後東日本や熊本震災以前に書かれたものであるが、大震災が続いている中、限られた人数で残された場合、具体的に何を思い、どう行動するのか、が、各登場人物に割り振られていて興味深い。

    全体像が見渡せリスク管理をし、自然とリーダー役にはるもの、自堕落になるもの、周りの迷惑にならないよう、常に反発するもの、などなど。

  • さーーっと読めてしまう作品(いい意味です)。
    映画を一本見ているような、
    情景描写と心理描写のバランスをとりながらも読者の目を決して止めない文章力はさすがです。

  • 一言。怖い。。。
    突然周りの人が消える。地震が次々起こり道路がどんどん陥没してゆき大雨が降り、街が崩壊してゆく。。。
    ファンタジーやSFは嫌いではないが、この物語にはどうにも入り込めなかった。恐らくあまりにも設定がありえなく過酷すぎたからだろう。
    毎日都心まで地下鉄を利用して通勤しているが、ここで大地震が起きて豪雨が降り続いたら。。。本書で見た地獄絵図が自分の目の前で現実のものとなるんだろうか。。。あ~怖い。。。

  • 13人が迷い込んだパラドックスの世界。その世界は13人に対し牙をむき、その存在を消し去ろうとするが団結してこの困難に立ち向かう。果たして彼らはパラドックスの世界から向けだす事は出来るのか。。。

  • 東野圭吾ってこういう作品も書くんだなぁ。ちょっと意外。
    あえて分類するならSFになるのか、漂流教室やら7Seedsと同じサバイバルもの。

    肝心の内容といえば、うーん、正直言ってイマイチ。今までに発表されているこの手の映画や本、マンガから話が読めてしまう。要するに目新しい部分がなかった。

    あえて言うなら冷静沈着な兄と熱血弟の確執と和解がテーマなのか?けどこの兄弟、兄も弟も方向性は違えどもどちらもバカでイライラする。こんな世界でイブになってくださいっていう兄もちょっと変だし、所轄の出番じゃないと知りつつ単独で行動を起こす弟も考えなしすぎる。

    あ、あと大風呂敷を広げまくったわりには最後がお粗末。このガッカリ度は恩田陸のハズレ小説を読んでしまった時の気持ちに近い(苦笑)。

    ・・・そういえば、東野圭吾の小説に出てくる登場人物ってこの作品に限らず、どいつもこいつも魅力がない。かといって、人物に深みがあるわけでもないのでなんていうか、作品全体を陳腐に感じることも多いんだよね(で、途中で読むのを止めてしまったりする)。

    単に私が合わないだけなのかな、とは思うんだけどね。うーん。

  • パラドックスの都内で繰り広げられる、人とのつながり型と現社会問題が散りばめられていて、非常に興味深い。特に、老人福祉、ヤクザの描写のところは心にしみる。

    また、ヒエラルキーに縛られる人間社会での人の考え方も共感できる。

    ただ、アダム、イブのくだりは、すこし飛躍しすぎると思った、あれだけ沈着冷静な兄貴の発言とは、考えにくくかなりショック。

    兄貴は、東大出ているにもかかわらず、英訳する力があったのではないか?もしそうなら、最後の顛末も知っていたのではないか?とも思える。
    ではなぜ、自殺するものに、説得できなかったのか?しょうと試みなかったのか?
    疑問が残る。

    一気に読めてメッセージ性も高い。良書

  • 近々文庫版がでるようで、その広告を見て面白そうだと思って図書館で借りて読んでみました。

    とにかくスイスイ、サクサク読めます。500ページ近い小説を、これだけスイスイ読ませる力量はすごいと思います。

    ですが、内容は普通のパニックもので、特筆すべきものはありませんでした。ド派手なハリウッド映画を見た感じ。

    登場人物の1人の刑事の万能エリート兄貴には全く感情移入できず、特にアダムとイブのくだりでは、男の僕でもあぜんとしました。

    唯一、印象に残ったのは老人福祉に関する所。
    国が、家族がばらばらに生きていかざるをえないような国づくりをしてしまったという部分。そういう風に考えた事がなかったので、とても印象的でした。

    東日本大震災以前に書かれた小説なので、未曾有の天変地異が起きているのに原発事故に触れられていないのが、今となってはかなり不自然な感じがします。(最初にちょっと触れただけ。)

    しかし、なぜ生き残っているが自分たちだけだと思うのか理解に苦しみます。日本は広いし、世界はもっと広い。他にもっとたくさんの生存者がいると思うんだけど・・・

  • 雑誌に載っているのを見かけて、面白そうだなー読んでみようかなーと思い続けて4年たっていたんだなー(笑)発行年月を見てびっくり。
    人知を超えた現象により起きたパラドックスにより、自分たち13人以外の動物が消えた東京で必死に生き抜く人間の話。
    どうして自分たちだけがこの世界に残っているのか…正直その理由は最初から察しがついたが、その13人のサバイバル生活はかなり真実味があったし、自分が同じ状況に置かれたら…と想像しながら読んだのでハラハラしっ放しだった。結末がどうなるのかも本当に最後までわからなかった。
    主人公格の久我兄弟は、兄が冷静沈着で判断力に優れていて、弟は情に厚い無鉄砲野郎とお決まりのキャラ設定。(笑)まあ、こういう設定にでもしないと物語を引っ張っていけなそうだけど…。それにしても兄が出来過ぎだろ!とか思ってしまった。
    物語の結末を見ると、このパラドックス世界は、あの13秒間に死んだ人間に対してもう一度生きるチャンスを与えるために用意されたもののようにも思える。そうすると、やっぱり最後まで生きることを諦めなかった誠哉の考えは正しかったのだなー。人生を自ら死ぬことで終わらせようとするな、という筆者のメッセージともとれるように思う。
    そういう御託を抜きにしても物語自体がとても面白かった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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