横道世之介

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著者 : 吉田修一
  • 毎日新聞社 (2009年9月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107431

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横道世之介の感想・レビュー・書評

  • どこにでもいるような大学生「横道世之介」くん。
    大学入学とともに上京してきてからの1年間が書かれている。
    とくにこれといった出来事もなく、何気ない日常が書かれているのだけど、ほのぼのとしていて、まだまだ続きが読みたいな~と思った。

    世之介くん、少し鈍感で、でも優しくて。何年か経っても友達から思い出してもらえるってことは それだけ世之介くんには魅力があったのだろう。

    出てくる人たちも個性的で なかでも祥子ちゃんよかった。
    子供を大切に育てることは「大切なもの」を与えるのではなく、その「大切なもの」を失ったときにどうやってそれを乗り越えるか、その強さをおしえてやること・・祥子ちゃんの生き方、考え方素敵だな・・

  • 自分が死んだら、明日どれだけの人が悲しんでくれるだろうか。
    20年後、ふとしたことで思い出してくれる人がどれだけいるのだろうか。
    今いる自分は一人で生きてきたわけではなく、
    何気ない日常を毎日繰り返して、積み重ねて、
    そして今の自分になっているわけで。

    地方から大学入学のために上京してきた横道世之介君の、
    隙だらけだった彼の、隙が少しなくなっていった1年間の物語。
    友達とのやりとりやサークル活動、アルバイト、恋愛。
    青春時代の、それはあまりに普通の出来事なのに、
    読み終えるとどうしようもなく横道世之介が愛しくなるのは、なぜ?
    自分も死んだ20年後に、ふとしたことで誰かに思い出してもらえるような、
    そんな彼のような人になりたい。人でありたい。

    映画を観る前にちょっくら復習を。そんな軽い気持ちで読み始めたら。
    もう、どっぷりはまってページをめくる手が止まらなくなってしまいました。
    423ページ。4時間半かけて一気読み。夜の12時前から朝方4時過ぎ。
    バレンタイン前の忙しいこの時期に、睡眠不足って!
    どうしてくれるの吉田修一!と責める気は毛頭ありませんが。

  • もうすぐ映画公開だそうですね。カミさんに今電車で読むの勇気いるねと言われました。なんのなんの。
    さて、世之介さんはそんな他人の目が気になる的な感覚無しのマイペースなさえない大学生です。青春ですね。良い感じでした。

    人は人との出会いで成長していくのですね。内向的な私は、なかなか人とオープンに話すのが苦手です。それぞれの人にそれぞれの物語があって、人と絡んで、離れて、それぞれ進んでいく。

    人との出会いや関わりあいに臆病ではいけないなと思いました。だってまだ生きているんだからね。

  • 九州から大学進学のため上京してきた横道世之介。
    彼の大学に入ってからの一年間と20年後を織り交ぜながらの話。
    特に驚くような大きな出来事があるわけではなく
    バイトや友人関係、恋愛など普通の大学生の話なので
    最初はなかなか読み進めるのが退屈だった。
    でも素直で奔放でかなりすっとこどっこいで人に流されやすい世之介が徐々に可愛く思えて中盤からサクサク読んだ。
    世之介が生きた時代背景が全く私も同じ。
    わたせせいぞうの『ハートカクテル』や『サラダ記念日』など懐かしいベストセラー、そして映画『トップガン』も流行ったなあなんて
    世之介を通して自分の学生時代を懐かしく思い出せて嬉しかった。
    何よりも世之介のキャラはとても光っていて愛おしい。
    世の介にかかわった人たちが皆温かな気持ちで世の介との思い出を語る場面がとても印象的。
    でもラストはとても切ない、余韻が残る。

  • 『愛に乱暴』の毒と熱にやられた後の息抜きに、こちら再読。
    世之介、いいなあ。愉快だなあ。ほけっとしてるなあ。
    初期の吉田修一のもやついてどこかうすら寒い青春群像にくらべると、この抜け感。とほほな台詞まわし最高。いったい、幾つの目で吉田さんは世界を見ているのだろう。とんぼの目玉でも持ってんじゃなかろうか、というほどおなじ世界を違う目で描ける人だが、この世之介の人物造詣はかなり好み。
    でも80年代ののどかな雰囲気の中に登場人物達の現在の陰をさらりと挟みこみ、全体に香辛料をまぶしてみせる、そこがまた腕。

  • 映画予告編で見た高良健吾さんと吉高由里子さんの笑顔が唐突な感じで挿入されていたサンバとともにキョーレツに印象残っていたため、そのままのイメージで読了。タイトルからも予告編からもどんな話か想像がつかなかったけれど、横道世之助、という長崎出身ののんきで気の良い青年を中心とした群像劇、みたいなもの。人つきあいにストレスやわだかまりを感じない様子がうらやましい。祥子さんがかわいらしかった。

  • 大学進学をきっかけに長崎から上京してきた横道世之介の1年間とその後の話を綴ってある。
    さえない世之介だけど、なんかいい。憎めないというか、なんとなくいい感じでじわじわと心に寄り添ってくる。
    どこにでもいるようで、そうでない。この人が身近にいる人生を生きられるとしたら、とても素敵なことだと思えた。
    作者と年があまり変わらないこと、舞台が身近な場所ということで、すごく身近に感じられる。

  • 今度映画化されることもあり、読んでみました。
    世之助くんと、彼に関わった人との物語。
    ちょっと泣いちゃいましたが、心温まるお話でした。
    最近読んだ本の中では、一番好きな本です。

  • 吉田修一の本はパレード、悪人、パークライフ、最後の息子、7月24日通りなどなどちょいちょい読んでるけど、読み終わって思う。これが一番好きかも。
    どこにでもいる大学生・世之助が上京してきてからの1年が、
    彼とともにいた人たちの20年後のいまを織り交ぜながら語られる。
    世之助の行動がおかしくて、くすくす笑えるけど、最後はとても切ない。
    誰かと出会うってすごいことだ。

    キャラクターも世之助はじめ普通なんだけど普通でなくて魅力的。祥子ちゃんと加藤君が特に。
    映画にはマイブームな綾野剛が出るんだけど、加藤君が出てきた瞬間、あ、彼が演じるのはこのキャラクターだよね、ってすぐ分かった。絶対見に行かねば。

  • 彼(横道くん)に会えてよかったな。心の温まる、青春時代を思い出させてくれる本だった。最後は少し切ないけど。彼の側で一年間過ごしたような気持ちになった。バイバイ、横道くん。

  • 今年一番のヒット作
    吉田修一といえば、『悪人』だけど、他の作品にせよ
    ダークなイメージだったのに、『横道世之介』というふざけたタイトルが私には受け入れられず、読んでいなかった。
    たまたま図書館でみつけ、借りて読んだら、なんでもっと早くに読まなかったのか、後悔するくらい面白かった。

    世之介くんよりも、むしろ周りの人々のキャラがたっているんだけど、だからこそ普通の世之介くんの魅力が引き立っている。
    「愛され男」
    『NO』じゃなくて『yes』な男
    周囲の人間はどこまでも深く、どちらかというと苦しい人生を経験したが、世之介は能天気な人生だった様子。
    でも、数十年後に「そういえば、バカなやつがいたな」って
    笑って思い出してもらえる彼は、存在感のある人だったんだと思う。

    彼が亡くなってしまうことは、物語の中盤で知るんだけど、
    駅のホームの話が二つあってあれ?もしかして
    生きてる?みたいな錯覚を起こすところがあって、そういうところも巧いな、と感じた。

    大学生時代の世之介目線の話と、世之介の友人たちの現在の話が
    交差するんだけど、どちらも現在形で書かれているのもよかった。

    タイミングよく、映画化するというニュースをテレビでみて
    世之介を高良健吾が、そして祥子さんを吉高由里子が演じると知った。
    高良健吾といえば『ソラニン』と『蛇にピアス』を観たけど、どちらも死んでしまったよね。これもまた同じく・・・。
    『蛇にピアス』の二人はとっても見るに耐えなかったので、
    それとは、かけはなれた、さわやかで優しい映画になることを期待している。
    文庫化されたら、絶対買ってもう一度読み返したい。

  •  人に薦められて初めて吉田修一さんの本を
    読みました。

     何故か分からないけど、今までクールで
    堅い印象を受けていたので、ギャップが
    ありました。^^

     物語はスピード感があってさっぱりしてて、
    時々ドキッとさせられたり。どんどん先に
    進みたくなりました。祥子ちゃんが面白かったです。

     いろいろな物事にNOではなくYESと
    いっているような人生、いいなと思いました。

  • 読み始めは、単なる面白い学生の軽めの小説でせいぜい星3かな?と思っているうちに、時が進み所々に20年以上後から当時を回顧するシーンが入るとぐっと質があがり、更には最後の方はもう号泣・・で星5つ決定!となりました。

    学生時代の箇所は笑えたりほんわかした気分になったり、本当に日本の典型的な学生生活の中を、少し変わった、でも「いい子」の世之介の生活が上手に描かれている。大学に入学したての頃から、1年経過する間の成長ぶり、東京に慣れて行く様子もまた良い。

    ちょうど自分も学生の頃から20年近く経っており、当時を懐かしく振り返り、また自分の今の生活と照らし合わせて沸く感情とうまくマッチした本でもあったのだと思う。もう決して戻らない日々。当時は過ごしている時間の大切さも分からずに、多くの時間を無駄にしてしまった。後から振り返ると「もっと大事にすれば良かった」と思う事はあるが、それでも確かにあの日々があるから今の自分がいる、と確信できるからこそ振り返っても輝いて見える学生時代、というかその感覚を思い出させてくれた。

    なんで作者は世之介を殺さなきゃいけなかったのか・・と途中から恨めしく思うも、だからこそキラりと光る本になっているのだろう。これがなかったらただのゆるい青春小説だったのが、やはりこの作者はすごい。特に祥子の回顧の所はつぼを押さえ過ぎ、という感じで電車の中にも関わらず涙を流してしまった。あと、キムくんと飛ばされた帽子を拾えたシーンと、それと後の事故とのオーバーラップ、お母さんの手紙にあった「きっと助けられると思ってやったんだと思う」という3つの重なり具合も好き。

  • どこにでもいる大学一年生の何でもない日常。
    同世代のため、感情移入してしまい、切なくなってしまった。読み終わった後でも不思議な感じです。

  • 「私、世之介の作品を世界で初めて見た女になりたいんですの」ラスト近くのこの一文に涙腺が一気に緩んだ。ふ、と思い出すとそこにいる世之介の存在は、思い出す人達の多少に関わらず、暖かく微笑ましいものであったのだろう。この事件の報道、映画化などの背景を知ると、昨今の政情を反映してか眉をしかめたくなる。でも、彼という存在をその当時に結びつけず、学生時代を描くことで本当にどこにでもいそうな、それでいて稀有の緩やかな存在であったのだろうと思わされる。命を投げ出したのは日本人にもいたんですよね。忘れてはいけない事です。

  • 2008年に、毎日新聞で連載された小説に加筆修正して出版された作品。
    なんとも言えない味のある物語。
    九州から上京してきた"普通"の青年世之介と、同じ時を過ごした人たちの1年が描かれている。
    時代はバブル全盛期。
    後半から所々現代と交錯する。
    過去を振り返る人たちは、世之介との交流はすでに途切れている。中には最後まで思い出せない人さえいる。
    実際、大人になってから振り返る20年前の出来事は思い出のアルバムの1頁にも満たないわずかなものだと思う。
    ましてや世之介との間にどんな劇的な出来事が起こるわけでもないのだから、だけど。
    "なぜか(世之介と出会った)自分がとても得をしたような気持ちに"させる、不思議な魅力を持った青年なのだ。
    それってすごい。
    味がないようで味がある世之介の魅力は、まんまこの物語の魅力を表していると思う。
    所々プッと噴き出したり、退屈だったり、しんみりしたり、最後に号泣したり。
    私が涙もろすぎるんだろうけど(笑)
    読まないよりは読んで良かったかな、と思える作品でした。
    カメラのくだりを読んで、東京で暮らしていた頃、買ったばかりのLOMOで、近所を撮り歩いたことを思い出した。
    なんだか私まで世之介と同じ時を過ごせた気分。

  • すごく面白かった✨世之介が魅力的でほんわかした気持ちになる。青春っていいなぁという気持ちになれる、でもそれだけじゃなくてとても切なく悲しい部分もある本だと思いました。映画のほうもみてみたいです。

  • 世之介に好感がもてる理由がなぜかははっきりしない。恣意的でないところ、誰に対しても平等に接するところ、素直なところ、飾らないところ、、そんなところか。予想以上によくある日常の出来事だけど、結末が悲しい。そうしなくても、よかったんじゃないかという感想。

  • 世之介の憎めないキャラクターが可愛らしかった。映画を見てみたい。

  • 読んだこと無い有名な方を読んでみようシリーズ第5弾。
    読んでいて思い出したのは「嫌われ松子の一生」。優しいけど切ない読後感。
    主人公・世之助が終盤でぼんやり考えたとりとめのないことが、作品のコンセプトになっているような気がする。
    私も、もう出会えない人たちに、ふとした瞬間思い出してもらえていたらいいなと思う。そして、もう会えない人たちのことを時々思い出せたらいいなと思う。
    小説の言い回しとストーリーの組み立て方が結構独特だった。面白かったから他のも読んでみたい。

  • 東京の大学へ通うために九州からやってきた横道世之介。
    楽しく、自然体で、青春を謳歌する彼の1年。

    ----------------------------------

    普通の大学生、なんていうけど、普通って難しい。
    海の中にいるときは海の広さには気づかない。
    世之介に関わった人たちは、世之介と離れて何年も経ったあと、ふと思い出す。あいつはどこにでもいる普通のやつで、いいやつだったな、と。

    途中で大学を辞めていった友人や、
    憧れの大人の女性、
    当時付き合っていた女の子。

    20年くらい経ったあと、彼らがそれぞれの生活を送っていくなかで、世之介の死を知るのはとても悲しかった。みんなに好かれる世之介のことを自分も好きになっていた。読み終わるのが、本のページが少なくなっていくのが寂しかった。

    こんな大学生活が送ってみたかったと思いながら、漫画『行け!稲中卓球部』の柴崎教諭が「フツーが一番むつかしい」と言っていたことを思い出した。

    いつだって誰かと関わって生きているのに、みんな意識しない。
    それが普通だから。でも普通は難しいことだ。普通の毎日だって奇跡みたいなものなのかもしれない。
    普通の日々を、普通の友人を、いつかしみじみ思い出す日がきっとくる。
    自分の歩いてきた道を、かけがえのない時間を振り返る日がきっとくる。

  • 映画を先に観てしまったけど、原作もとてもよかった。
    今のように携帯がない時代なので、連絡取れず行き違いとか公衆電話から連絡するとか文化の変遷など、当時を知っている人たちからするとすごく懐かしく楽しめる部分がたくさんあると思う。
    自分の生きてきた中で、人生が交差した人もすれ違っただけの人でも、少なからず自分の選択になんらかの影響を及ぼしてきた人たちがたくさんいるんだなと改めて感じさせられた。

  • 田舎から東京に出てきた世之介の一年間。

    個性的な友達とか憧れの女性とか
    なんとなく仲良くしてて でも実はそんなに繋がりが強いわけでもなくて。

    子供ではないけど大人でもないような時間。

    たまに回想的に世之介を語る描写があって
    その一瞬に確かに繋がっていた友達。
    思い出して懐かしく思ったり笑ってしまったり。

    なんだかほっこり

  • バブルで浮かれ気味の世の中を背景にたんたんとすすんでゆく物語。
    かかわった人が自分でも気が付かないうちにちょっと幸せになれる…
    そんな人間になれるとよいですね :)

  • 面白かった。
    吉田修一は、「パークライフ」「悪人」と読んでいたので3作品目です。
    日常を重ねていくストーリーの中に実は気付かないうち人生を左右する出来事があるというお話です。
    映画になっているけれども、面白いのかな。
    とりあえず、本では2回泣けた。

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横道世之介の作品紹介

なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。

横道世之介のKindle版

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