- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620107431
感想・レビュー・書評
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毎日新聞の連載で知った物語。 これは大学生の頃が中心の話でしたが、身近に感じる青年になんだか親近感が湧いてきて一気読みしました!
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自分自身の学生時代を思い出して懐かしくなった。今から考えるととても貴重な日々だけど、当時は無限に続くようなダラダラした感じ。この空気感好きだなー。
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地方で育った横道世之介が東京の大学に進学し、過ごしていく話。
最後まで世之介らしく、飄々と生きていく姿が心地よい。 -
世之介さん!
まさに同世代で、時代のながれを懐かしみつつ、読んだ。
なーんてこと無い日常。
そこも気づけば、キラキラした青春!
続編も読もうかな -
続篇が出たので久しぶりに読んだ
本当に本当に大好きだ世之介!!
何回読んでもたまらなく好きなので、続篇を読むのが楽しみでもあり、怖くもある〜
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再読.吉田修一の中で一番好きかも.読んでいる間も,読後感も幸せになれる.今回はこの言葉が印象に残った.
“大切に育てるということは「大切なもの」を与えるのではなく,その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか,その強さを教えてやるこのなのではないかと思う.”
高良健吾が主演で近々映画化される予定.どうかな~ちょっとイメージ違うかな・・・ -
どこにでもいる大学一年生の何でもない日常。
同世代のため、感情移入してしまい、切なくなってしまった。読み終わった後でも不思議な感じです。 -
「私、世之介の作品を世界で初めて見た女になりたいんですの」ラスト近くのこの一文に涙腺が一気に緩んだ。ふ、と思い出すとそこにいる世之介の存在は、思い出す人達の多少に関わらず、暖かく微笑ましいものであったのだろう。この事件の報道、映画化などの背景を知ると、昨今の政情を反映してか眉をしかめたくなる。でも、彼という存在をその当時に結びつけず、学生時代を描くことで本当にどこにでもいそうな、それでいて稀有の緩やかな存在であったのだろうと思わされる。命を投げ出したのは日本人にもいたんですよね。忘れてはいけない事です。
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2008年に、毎日新聞で連載された小説に加筆修正して出版された作品。
なんとも言えない味のある物語。
九州から上京してきた"普通"の青年世之介と、同じ時を過ごした人たちの1年が描かれている。
時代はバブル全盛期。
後半から所々現代と交錯する。
過去を振り返る人たちは、世之介との交流はすでに途切れている。中には最後まで思い出せない人さえいる。
実際、大人になってから振り返る20年前の出来事は思い出のアルバムの1頁にも満たないわずかなものだと思う。
ましてや世之介との間にどんな劇的な出来事が起こるわけでもないのだから、だけど。
"なぜか(世之介と出会った)自分がとても得をしたような気持ちに"させる、不思議な魅力を持った青年なのだ。
それってすごい。
味がないようで味がある世之介の魅力は、まんまこの物語の魅力を表していると思う。
所々プッと噴き出したり、退屈だったり、しんみりしたり、最後に号泣したり。
私が涙もろすぎるんだろうけど(笑)
読まないよりは読んで良かったかな、と思える作品でした。
カメラのくだりを読んで、東京で暮らしていた頃、買ったばかりのLOMOで、近所を撮り歩いたことを思い出した。
なんだか私まで世之介と同じ時を過ごせた気分。