チッチと子

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107462

作品紹介・あらすじ

つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平は小学生の息子と二人暮らし。将来への不安は募るばかりだが、ついに直木賞の候補に選ばれる。周囲の変化に戸惑う耕平。だが一方で3年前に不可思議な交通事故で死んだ妻を忘れることができない。「あれはほんとうに事故だったのだろうか」。寂しさから逃れられない父と子がたどり着いた妻の死の真相とは。変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。家族の愛情が孤独な魂を包み込む渾身の感動大作。

感想・レビュー・書評

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  • タイムリーに直木賞受賞作が発表された。
    その発表の裏にあんなドラマがあったとは。
    チッチ、ママッチという呼び方、かわいい。

  • シングルファーザーの小説家・青田耕平が主人公。息子のカケルと二人暮らし。カケルは父を【チッチ】と呼ぶ。ママは【ママッチ】。可愛らしい呼び方に思わずニンマリ。
    耕平の作品は今一つ。妻の死に疑問をもちつつ、日々を送る耕平。
    そんな耕平の救いがカケル。ちょっぴりおませな大人びたところのあるカケル。母がいないというのは子供を強くもさせるし、小説家という特殊な仕事の父と仕事のせいかもしれない。
    父と子の愛情をたっぷりと感じられる作品。
    もうひとつ、この作品の魅力は小説家という仕事の面白さ、小説家の日常がわかるところ。作家が描く小説家はどこかリアル。
    石田衣良の生活はこんな感じなのかな、なんてイメージ。
    直本賞という設定は、直木賞に通ずるものがあり、とても興味深く読めました。

  • つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平(あおたこうへい)は小学生の息子と二人暮らし。
    将来への不安はつのるばかりだが、ついに「直本賞」の候補に選ばれ注目されるようになる。
    周囲の変化に戸惑う耕平。
    一方で、3年前に不可思議な交通事故で亡くなった妻の死の謎が深まっていく――。
    「あれはほんとうに事故だったのだろうか」
    寂しさから逃れられない父(チッチ)と子がたどり着いた妻の死の真相とは。
    (アマゾンより引用)

    義母が腹立つ。
    ほっといてあげたらいいのに。
    寄ってくる女の人たちも鬱陶しいけど。

  • 交通事故で妻に先立たれた作家とその息子の話。現実的な設定なのでとても読みやすく面白かった。

  • あまり売れない小説家の耕平は、妻を亡くしてから小学生の息子とふたりで日々を過ごしていた。周囲の評判は悪くないのにあまり売れない自分の本。自分の才能を疑いながらも、健気に励ます息子に元気づけられてがんばる姿には好感を覚えた。石田衣良さんの描く家族のやさしさ、好きだなあ。

  • 作家の生活。直木賞。

  • チッチ、ママッチ、カケル

  •  切なくも心が温まる作品でした。さらりと書かれた比喩がとてもきれいです。舞台となった神楽坂の風景も、わかりやすく頭に描けました。
     父と子だけの生活は大変なこともあるでしょうが、嬉しいことも同じようにあるのでしょう。カケルくんが大人びたように見えたのは、母親が亡くなってしまい、父親にかかる負担を減らすためだったのかもしれませんね。主人公の耕平も家事に仕事にと忙しい日々の中で、懸命に生きているように思えました。
     穏やかな雰囲気で展開される物語ですが、ひとつひとつのエピソードが心にじわりと染みこんでくるような、味わい深い小説です。

  • 妻が事故か自殺かで悩むなんて子供には聞かせられないよね。しかし、良いお父さんだわ。

  • 主人公・青田耕平の「僕は大したことない」「自信ない」振り?!が少々鼻につく
    あんな都合の良い女”友達”がいるわけない、あそこまでしてもらって「友達」と言い切る主人公はどうなんだろう…

    ただし、要所要所でホロッと涙ぐむ自分もいたりして
    概ね面白かった

    石田衣良氏の本はもう1冊くらい読もうかな

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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