下流の宴

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107530

感想・レビュー・書評

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  • 格差社会、学歴差別、若者の草食化、核家族の分裂、およそ現代が抱える問題を含んでいる物語だ。
    そしてそれぞれの立場の人間がそれぞれの価値観や理屈をもって生きている。それぞれのレイヤーのもつ価値観には共感できるところも多く、共感できなくとも「ああ、こういう人いる!」と読むことができる。それぞれの生き様を通じて、日本に生きる上で、幸福とは何かを問うている。

    「勉強する人は違う人種」「医者、弁護士になる人は家が金持ちの人だけ」とあきらめてしまう人にはオススメの1冊。
    しかし沖縄の人ってそんなに「サーサー」言うのだろうか?

  • 相手の足元を見るような、育ち、学歴、勤め先、年収などなどのディテールの記述がいつもリアリティあって人物像が浮き上がる感じ。
    沖縄の地域の話題と通信教育のあたりの本筋を彩る演出的記述がまた物語に広がりを持たせている。
    けど、これも筆者の作品いつもなのだけど、リアルな世界では行けない一線を超える展開が面白い。ハッピーエンドではない、女子の執念を感じな結びも。
    東京のキラキラした世界と現実をきっちり表現してくれる作家もそういないと思う。

  • 不快になる。しかし興味深い内容。

  • 中々おもしろい。

  • この母親の気持ち、とっても共感してずんずん読めちゃう。作者の心理描写の見事さに脱帽。林真理子ほかにも読みたくなったさー。

  • いまどきの若者事情がよく表現されてるかも。

    無気力というか、目標がないというか…。

    一見、幸せそうに見えるものもそうじゃないかもしれなくて生きるのってやっぱり難しい。

  • それなりの教育を受けてある程度「上流」だと思っていた自分と、正しい教育をしてきたはずの子どもたち。でもいつの間にか「下流」になってしまっていた・・・?というお話。

    こういうことってよくあるんじゃないか、と。
    こういう家庭って案外多いんじゃないか、と。
    ついた職業がどう、とか、結婚相手がどう、とかじゃなく、奮起して生きていくことができないのはやっぱりなんだかさみしいと思うのです。

  • 全体を書き上げて何度も推敲するような作品と異なり新聞連載のせいかラスト近くの流れがちょっと不自然。
    (例えば、通信教育の講師と会える会えないの振りがあって、何か起こるのかとおもいきや何も無し)
    とはいえ、単純に面白いことは面白い。

  • 2012.04.15
    いまどき由美子のような、あからさまな上流意識を持った人がいるのか。翔と珠緒が同棲に至ったきっかけ。なぜ翔は大好きな珠緒に感化されなかったのか…等々、しっくりこない点はありつつも、楽しくすんなり読めました。

  • 人生はそんなもんかもしれん。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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