この世のメドレー

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107868

作品紹介・あらすじ

世界を睥睨し超然と生きよう。余を名乗り、生死を乗り越え、超然の高みに到達したはずだった。しかし超然境に浸る余を、ひとりの小癪な若者が、破滅への旅へ誘い出す。存在を賭した言葉の攻防。待ち受けるのは地獄か、それとも…。「どつぼ超然」待望の続編。

感想・レビュー・書評

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    何これ笑

  • 「ぼくはなんか重大な使命を負ってる、なんて考えない方がいいよ。そういうのをね、袂君、教えてあげよう。自意識過剰、っていうんだよ。若い人に多いのだが、稀に、ごく稀に、君のような三十半ばを過ぎてもまぁそんなことを言っている人が居るんだ。多くは不幸な人生を送っている。」

    「啓示というと、なんか神からの重要なメッセージ、みたいな感じがしますが、余のようなアホバカ恩知らずの、脳髄がゼリー状に溶けて正常な状況判断ができなくなっている三文小説書きは、啓示るという言葉を口にするだけで罰が当たって死にます。」

    「まさか。余のごときものが祝福されるはずがないじゃないですか。余は全人民に笑われながら六千億年苦しみ続けるのが確定済みのハナクソのできそこないですからね!」

    『そうして心が狭いことをなんとかしなければならない、と心狭く思っているからこそ、そんなことを言うのであり、人間とはそもそも心が狭いもの、という事実を心広く受け入れている人間の方がよほど心が広いのである。』

    『夢と現実の違いなんて、絹ごし豆腐と木綿豆腐くらいの違いでしかなく、どちらも潰れやすいのだよ。』

    『そう人間は常に半分半分の気持ちを抱いて生きているのだ。
    自分だけが助かりたい気持ち半分、身を捨てて人の役に立ちたい気持ち半分。
    愛する気持ち半分、憎む気持ち半分。
    そばを食べない気持ち半分、うどんを食べない気持ち半分。』

    「ひとつきいていいですか」
    「いいに決まってるじゃねぇか。俺たちは生まれたときは別々だけど死ぬときは一緒、って固く誓ったポコランポコランズのメンバーなんだぜ」
    「いや、誓ってないんですけどね。」

    「そうなんだ。要するにロックってのは生き様なんだよ。月水金とロックして、火木土は休む、とか、そんなパートタイムみたいなロックじゃダメなんだ。やっぱ、月火水木金、とフルタイムでロックしなきゃいけないんだよ」
    「土日はどうすんだよ」
    「土日は休みに決まってるだろ」
    「休むのかよ」

    「そんなことで怒りはしない、怒りはしないが、社会が、こういう若い人に対しては一定の教育的配慮を必要としていることを理解している。なので、自分自身を社会的な装置と見なして、人が怒ったときと同じ反応を示す、ということをする場合がある。それをいましているということですな。」

    『余は超然者などではなかった。余はただのバカモノであった。
    ほんと、シンプルにそれだけ。自分がいろんなことを説明するのが面倒くさいので、「ほんと、シンプルに塩と胡椒で、素材の味を生かして」とか言ってる料理家のように、シンプルにそれだけを認めよう。』

  • 超然として暮らしたいと思いつつ、結局一番世俗的なところが恥ずかしくって残念な人の話。相変わらずの文章力もあいまって一瞬で読んでしまった。本気でやって失敗するって苦痛だよね。できれば超然としてすべてを下に見ながら生きたいね。でも無理だよね。人の本気を笑うな!

  • 余と快君の屁理屈の嵐に爆笑。双方共にひねくれまくっているので論破するのは困難だろう(笑)どつぼ超絶の余シリーズ続編

  • 続編。歌謡曲の引用があちこちにある。

  • 世界を睥睨し超然と生きよう。余を名乗り、生死を乗り越え、超然の高みに到達したはずだった。しかし超然境に浸る余を、ひとりの小癪な若者が、破滅への旅へ誘い出す。存在を賭した言葉の攻防。待ち受けるのは地獄か、それとも…。「どつぼ超然」待望の続編。

  • ストーリーは少しも面白くなかったが、好みのフレーズが多くてそれを見つけるのがとても楽しかった。

  • 途中でリタイア

  • んんん、「どつぼ超然」の続編ということで、一も二もなく買ったのだが…。買ったのだが…。


    第4章の「錯乱」からほんとに錯乱し始めて、ちょっと無理。
    119ページのまずい料理の表現の応酬はおもしろいんだけどなぁ。

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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