あなたが消えた夜に

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著者 : 中村文則
  • 毎日新聞出版 (2015年5月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620108179

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あなたが消えた夜にの感想・レビュー・書評

  • 読んでいくうちに現実と虚構の境が分からなくなる不条理な世界や心に傷を持つ登場人物たちの心理描写は見事ですが、刑事が推理したり靴底をすり減らして真相を暴くというプロセスではないですし、中島刑事の過去も浮いてしまった感があり、ミステリーとしてはカタルシスを感じられず微妙な読後感です。

  • 前半はホントに面白かった。
    だけど後半、犯人の手記という形になると一気に萎えてしまった。
    加害者も被害者もアレなもんで、彼らの心理が私にはまったく理解できずポカーンとした……って感じでした。

    刑事さんの2人のやりとりは面白いので、また別の作品に出てくるといいなぁと思います。

  • 警察小説だろうが、ミステリーだろうが、純文学だろうか
    中村文則さんの小説は特別、
    人間の悪、恥、悲しさ、苦しさが、ずんずん胸にくる
    罪を犯した人間、踏みとどまる人間の心の叫び、闇を
    感じて、身震いする。凄まじい。
    何かに感染したように、夢中になって読み進めてしまう
    今回は、最後の最後に少し気持ちが救われたのが不思議な気持ち
    警察官のコンビの不思議で異常なやりとりも面白いという
    ただただ救われない小説ではないのよね、中村文則作品は
    決して読後感がよくはないけど、また読みたいと思うのは
    人にはいえない裏の顔は誰にだったあるんだなとか
    ちょっと共感しちゃうところもあるからなのかな

  • かなりストーリーが入り組んでいて複雑なので、随時頭の中で整理するのがなかなか大変だが、しっかりミステリーとして読み応えのある中に、芥川賞作家の本領というべきか、嫌味に感じない詩的表現がピシャッピシャッと効果的に挟み込まれている。
    何となく作品全体に漂う空気が、初期の貫井徳郎氏を想起させる。
    装置というか技巧を凝らし、ともすればその披露にばかり腐心して本筋を置いてきぼりにしがちなところを、絶妙のバランスでそこまで行ききらず、物語の後半では作者の主張する"人間"をちゃんと描き通している。
    出来損ないのコントのような、中島と小橋の絡みはない方がよかったかも。

  • 主人公は警察官、”コートの男”という連続通り魔事件を追う刑事。事件を追ううちに事件は複数の事件が組み合わさり、偶然が重なりあい事件となったことがわかり始める…

    主人公に影がある作品は読んでいて面白い。
    なかなかクレイジーな人がたくさん出てくる、現実にはありえないかな?という話ではあったものの、一人一人の人物は隣にいる変人であってもおかしくないリアリテイを持っている。
    この人の他の作品も読んでみたい。きっと伸びる気がする。

  • ミステリーものっぽく始まり、中村節で結ぶ。なんか雑な印象の一冊。
    締切に追われてバタバタ書いたんかな?笑
    「教団X」の後だったからか凄く物足りない…

  • 今まで読んだ事のある中村文則さんの作品の中では読みやすいと思いました。
    重いストーリーですが、まだライトな方かな!?と。
    きっと小橋さんのキャラのおかげかな。
    読み応えがありました。

  • 連続殺人事件を追う刑事の話だが、登場人物の情報が交錯して読みにくい。でも、後半に書かれた犯人の手記は、読みごたえがあった。

  • 病んでる(貶しではない)。
    この作者が書く、ぐるっぐるしてる独白大好き。

  • 読みやすかった。犯人側と刑事側の心情が丁寧に表現されてます。内容はずしりと重めで、上下巻にしてもいいくらいの読み応えのある一冊。

  • 結果的に刑事(中島)の過去が浮いてしまった感がある。つまりあの結末なら中島の過去はあれ程長く描く必要はない(実際第一部で何度も読むのを諦めかけた)。いつもの中村節が効いてきたのは第一部の最後から。ただネタ証しを手記の形で強引に説明するのは疑問に思った。一般的な推理小説のように中島が真相を暴いていくか、もしくはもう少し丁寧に犯行過程を説明する工夫が欲しい。

  • 最後の筆者の言葉に感銘。

  • 意外な犯人像に加えて後半の精神コワレップリはいつもながら圧巻の中村作品です。そしてラストの着信シーンは個人的に救われた感あり。あとがきの中村氏の一言「共に生きましょう」で爽やかな気持ちになります。

  • 同じようなキャラの人達が同じような思考で入り混じっていて、何度も人物像を確認しながら読んだ。しまいには自分が年取って病的に覚えられなくなってるのかと疑いながら、、我慢しつつ、ぐいぐいと読ませる部分もあり他の作品も読んでみたいなと思った。テーマがシリアスなのに小橋さんの描き方に違和感というか、まあこういうのもありなんだと無理やり納得した。小橋さん、かわいいから映画にでもなったらこのお話も華やぐかなと思って。

  • 面白かったほうだか、なんかしっくりこなかった。いろいろな要素が入り過ぎている感がある。最後になるにつれて、複雑めいて、処どころ?となる。

  • 面白かった。「教団X」と「私の消滅」の間の作品で、3部作とあとがきにあったので借りてみた。内容はつながってないけど、虐待、神、洗脳、狂気がテーマだと思う。狂った人が大勢出てきた。性的虐待がどれだけ人を壊すか。性的に限らないだろうけど。ほんと子どもは親を選べない。登場人物が多く、途中ごっちゃになった。中島と小橋の刑事コンビのおかしさをもっと掘り下げなくていいのか。あっちこっちいき過ぎのようにも思う。人を殺すというのはやっぱ狂うというか、飛び越えないと無理だよな。

  • 事件の謎が解き明かされて行くほど、複雑になっていく。当初とは全く見当違いの結末にあっと驚かされた。中島・小橋コンビのやり取りは面白く、全体的に暗い印象の作中でくすりと笑わせてくれるいいスパイスだった。どこかで、少しでも何かがずれていれば…ここまで人を愛することが出来るのはある意味では素晴らしいことなのかなと思った。何よりも、この装丁が好き!なんか素敵!中表紙もお揃いで。そこでまずテンションが上がった。

  • 途中まではめっちゃ面白かった。
    ちゃんとした刑事ものっぽくて。
    ただ、途中(手記のあたり)からだんだん趣が変わっていった。
    うーん。消化不良な感じ。
    小橋さんがなぜあんなキャラなのか、掘り下げてほしかったな。

  • 面白くなかったかというと、そうではなく、長いわりにはけっこう一気に読んだ。
    ミステリーかというと、そうではなく、コミカルな中島と小橋のやりとりを交えながら、でも捜査は着実に進む。
    コートの男の殺人事件かと思っていると、そんなに単純ではなく、後半はくどくて流し読み…。
    中島のトラウマも重要なのかと思えば、そうではなく、誰にもトラウマあるよ、的な…。
    ラストは事件解決なんだけど、独白を読まされてる感。
    登場人物も多くて少々混乱。
    面白くなかった訳ではない!
    何だこの本。

  • ◆「みょ」なんていう萌えはいらない派◆

    ● 萌えはいらない
    独り言みたいな日記なので、
    勝手に感想書いちゃえば、
    萌え要素は、個人的にいらないと思う。


    これは、罪を意識した人間たちが罰を欲する物語。

    罰を欲するのは、救いを求めているから。

    これは、救われたいと願う人間たちの物語なのだと思う。

    ●アクタガワ賞作家という情報
    ただ、第2部に入る直前までは、
    ミステリーとして冴えない小説にしか見えなかった。

    著者の作品は、今回がはじめてである。

    ”著者の作品は・・・”なんて書くこと自体も、
    多分はじめてである。

    芥川賞受賞っていう肩書きを意識しない訳はない。

    『アメトーク』の読書芸人の回で、
    火花で受賞する前の又吉さんと、
    オードリーの若林さんが
    『教団X』を強く推していたのも印象に残っている。

    『あなたが消えた夜に』は、
    ミステリー仕立てと紹介があり、
    自分には一番入り込みやすそうだなと思った。

    ◆ 若者についていけないおじさん

    読み始めたら、これがつまらない。

    ジュンブンガクなのかな、と思えば、
    ライトノベルか、というノリである。
    ライトノベルの定義がわかってないけれども。

    特に「小橋さん」のおちゃめ要素と、
    相棒二人の現代っこ風のやりとりがしゃらくさくて
    ついていけない。

    ”しゃらくさい”という表現が自分の感覚にはぴったり。お若い読者には受けるのかな、とは思う。
    そこが狙いなのかも、とも。
    たしかに「小橋さん」はキュートである。
    クスッと笑いたくなるシーンもある。
    作者はこういうのを書きたいのだろうな、とも。

    後で、絶対、物語上で回収しろよな、
    このしょうもないシーンにつきあったのだから、とも思う。(実際、ちょっと回収してもらえる)

    本の後ろ扉にある「共に生きていきましょう」が、
    また作者によけいな印象を与えている、とも思う。

    購入前の立ち読み段階で見てしまった。
    個人のサイトあたりで、言ったらいいのに・・・
    なんか教祖っぽいなぁ、と。
    内容外で、
    作品にチャームポイントつけないでほしいとも思う。

    こうして、第一印象はイヤなタイプではじまり、
    第1部でさらに、
    芥川賞ってこんなものなのか?とすら考えはじめ、
    だんだん、「中島」の回想シーンさえ、
    いらないように思うようになってきていた。

    さて、ところで、・・・・・・この感想だと、若者の会話やノリについていけないおやじのグチにしかならない・・・・・・

    ●不思議な感覚の推理もの
    警察ミステリーとしてみると、描かれる組織の軋轢の陳腐さが気になる。
    本格推理として読むと、推理のどこかふわふわした感じが気になる、という点はある。

    警察機構の軋轢や矛盾は描けば描くほど、
    他の本格警察のまぜっかえしに見えてくる。
    「中島」と「小橋」の”軽妙すぎる自意識こだわりまくりのやりとり”や、神懸かって事件のヒントに出会いまくるためである。

    推理的要素は、そもそも本書を手にとった時から求めていない。だから、気にしないでいいのだけれど、
    コートの男の犯人像について、コートの男らしさが云々という推理などは、こういう方向の推理が続くのかーーと思う。これは刑事の勘、という話でもないと思う。

    第1部の物語の中心は、コートの男事件と、「中島」のトラウマなのだが、その実、ストーリーの牽引力は
    「小橋さん」にあるように思う。

    ●相棒:小橋さん
    全体に、「小橋さん」は物語のアクセントで、救いになっているけど、個人的には、こういう救いの兆しは、紋切り型にすぎると思う。

    「小橋さん」は妖精または精霊である。
    トリックスターだ。

    けれども、この物語では、
    「小橋さん」はそれ以上に女神である。

    「小橋さん」には悪があるようで、悪がない。

    作中には、独白を続ける人々がたくさん出てくる。
    ... 続きを読む

  • 病的な人達がたくさん出てきてチョット。

  • ある町で発生した連続通り魔殺人“コートの男”とは?捜査が進むに連れ、物語は複雑になり容疑者・被害者の関係性も複雑に絡んでくる。人称が刑事、容疑者、被害者視点から描かれ、緊張感を持続したまま散りばめられた伏線が回収される様は見事である。

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あなたが消えた夜にの作品紹介

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は"コートの男"を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。"コートの男"とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!

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