ラストエンペラー夫人婉容

  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620307510

感想・レビュー・書評

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  • ハリウッド映画『ラスト・エンペラー』を観て以来、皇帝溥儀と薄幸の妃・婉容(えんよう)には興味がありました。

    この本はとにかく歴史の苦手な私にも読みやすい文章で(笑)映画には描かれなかった溥儀の紫禁城脱出計画や第二夫人・文繍(ぶんしゅう)と婉容との確執などが分かりやすく書かれています。

    やはり…というか予想以上だったのはイギリス人の家庭教師ジョンストンの存在の大きさ。
    彼が西洋の暮らしや考え方を教えなければ、溥儀は当時よりずっと抑圧された暮らしをしていたのでは…。

    同時に溥儀の配下の者たちにはジョンストンは面倒な存在だったと思います。

    後半、満州国の皇帝として担ぎ出され、利用されていると知りつつ地位の再興を願って一喜一憂する溥儀は滑稽というか哀れ。

    その後の婉容は映画より遥かに悲惨。
    精神も肉体も破綻した婉容には天に召される事が幸せだったのかもしれません。

    この時代の中国に興味のある方は中国人作家ユン・チアンによる名著『鴻-ワイルドスワン』を併せて読む事をお勧めします。

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