考える日々

著者 :
  • 毎日新聞出版
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620312750

感想・レビュー・書評

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  • ★2015年11月20日読了『考える日々』池田晶子著 評価C
    ほぼ同年代の同窓生の著者。彼女はすでに2007年だったか、40歳台後半で病気で鬼籍に入っている。図書館の書棚で気になったので借りてみた。
    著者が繰り返し批判する無駄な人生を生きる私としては、彼女が俗人である私たち普通の人を理解出来ないと連呼するのと同様に、私は彼女の書くことが理解出来ない。そう、私は生きる価値を彼女から認められない俗人なのです。よって、彼女の高邁な精神活動は、とうとう理解できずに終わってしまいました。何とか最後まで読み通しましたが、分からない。。。。

    頭の良い人って本当に理解を超えたことを考えているのだなあということは、よく分かりました。歴史もしくは古典もしくは仏教、東洋哲学などでも語られているとおり、その高い精神活動に達すると同じような悟りの世界があるらしいことは、ほのかに感じられました?!

  • (思索して)
    原理を押さえていれば社会でもなんでも統御できる
    原理さえ押さえておけば全部応用できる

    名言だ。

  • P.1999/1/6

  • 印象に残った文章は多いが、一つ二つ挙げるなら以下の文章。

    1)現在を生きる

     1.現在しか生きることができないと知ったなら、現在において為すべきことを為し、現在において愛するだけ愛する
               ↓
     ・我々の「幸福」は、十分すぎるほど、ここにある

     2.病気を経験することによって、人間の心の「襞(ひだ)」が生じる。難しく言えば「想像力」だが、平たく言えば「人の気持ちのわかる人」になる。

     3.人間の自然とは言うまでもなく、「生きて死ぬこと」である

     ・自分が生きて死ぬことにおいて、他人が生きて死ぬことに立ち会うことである
               ↓
      このような自然な出来事(死)を、自然と思うことができず、不幸と思うところに、現代の不幸がある

     3.私は非常に素朴な部分で、悲しみや苦しみこそが、人を鍛えるということを信じている

    2)病にあって向き合えるもの

     1.子供のうちから病気がちな人は、ごく早いうちに「自分の思うようにならないことがある」ということを知る

     2.病人の特権は、世間を裏側から見る眼を獲得できるところ

     ・生きているうちに、死のことを感じたり、考えたりできるということは、「選ばれた者」の特権である

  • 面白い!
    という言葉で括りきれないほど
    面白い!

    「哲学」とい言葉を
    「考える」という言葉にして
    世の中に起きていることを
    「考える」と
    ほうら こんなふうに見えてきますよ
    の、ひとつひとつが
    たまらなく面白い

    「言葉の力」を
    改めて感じさせてもらった

  • いつの間にか、この方の亡くなった年をとっくに越えていた・・・。

  • 副題の One Size Fits All という言葉がまさしく当てはまるような切れ味のある1冊でした。

  • (2002.03.14読了)(2000.01.28購入)
    (「BOOK」データベースより)
    この世がどう移り変わっても、考える人は揺るがない。哲学=考えることは、どんな困難も超えていく。自分が生きて存在していること。この圧倒的な不思議について。

    ☆池田晶子さんの本(既読)
    「帰ってきたソクラテス」池田晶子著、新潮社、1994.10.15
    「オン!」池田晶子・埴谷雄高著、講談社、1995.07.07
    「悪妻に訊け」池田晶子著、新潮社、1996.04.25
    「メタフィジカル・パンチ」池田晶子著、文芸春秋、1996.11.20
    「さよならソクラテス」池田晶子著、新潮社、1997.12.10
    「残酷人生論」池田晶子著、情報センター出版局、1998.03.20
    「死と生きる 獄中哲学対話」池田晶子・陸田真志著、新潮社、1999.02.20

  • 2011.10
    考える日々
    哲学は生活に立脚する
    哲学は生きているということはそもそもどういうことかを考えること
    万物の真相いわく不可解 不可解だから死ぬのはあべこべ 考えたから死ぬのではなく考えなかったから死んだのだ
    認識の陥穽 脳の設計するのは人間の意識ではない 装置が変わっている可能性が高い 唯脳論
    法律とはこの世すなわち相対界を代表する存在 哲学は絶対界とその価値がある 絶対から見れば相対とはただの巡り合わせである
    ソクラテス 外なる法律に照らして自身の行為を判定するという行為の仕方とは無縁であった 不動である内なる正義
    正義を説く事を神から与えられた使命として国法に背いた彼が国法は神に与えられたものだから背くわけにはいかぬと死を選んだという逆説
    神という絶対の前には自分の生命なんて相対のものはただそれだけのものだ
    神の巡り合わせは必然
    無実なのに殺されたのではなく無実だから殺されたのである
    道徳と倫理とは全く別物 倫理は教育できない
    道徳と倫理との違いは単純 強制と自由との違い
    法律に従うという行為は倫理か
    汝らは汝らの量る秤で量られる
    名を惜しむ いかなる職業肩書きであれそのような在り方を認めないプライド
    生の価値は精神の質にしかない 永延と生き延びてどうしろというのか
    意識の物質的表現が脳である
    進化論的には脳だって既にある考えがあるから脳ができた
    必ずしも生存のためではない
    脳においてこそ精神が生存を超出するのである
    考えが物質をつくった
    宇宙が脳を必要とした 宇宙が自分を考えるために人間の脳を必要とした
    宇宙について考えているのはもはや我々の脳ではない
    命の大切さを教える事は不可能
    命の不思議さを感じさせる事の方が先だ
    この当たり前の不思議に驚くところにしかそれを大切にするという感覚はでてこない
    考えるのは言葉で考えているのではない 考えた事の結果を言葉で表現したにすぎない
    苦しみの正体を見極めない限り苦しみは必ず繰り返すはずだ
    存在していたくはないと死にたいとは似て非なるものである
    キリスト教は自殺をつみとしたが、死ぬ事で苦しみから逃れようというその考え自体で既に充分苦しい、それを指して、それが罪とキリストは言いたかった
    自分が生きるために人が死ぬのを待つようなそのような心性をいやらしいと感じる自分の直感を私は信じている
    臓器移植は必ずしも愛ではない
    死による中断、死による別離、自分の死を他人の目から見たときにのみ可能な言い方
    存在するのは常に現在だけである 過去も、未来も、現在における思いである
    死ぬことが不幸なのではなく、死とはなにかが知られていないことが不幸なのだ
    現在しか生きることはできないと知ったなら、現在においてなすべきことをなし、現在において愛せるだけ愛せる 我々の幸福は十分すぎるほどここに尽きている
    人間の自然とは生きて死ぬ事 自分が生きて死ぬことにおいて、他人が生きて死ぬことに立ち合うことである
    このような自然な出来ごとを自然と思うことができずに不幸と思うところに現代の不幸がある
    悲しみや苦しみこそが人を鍛える
    愛とはそのことへの信頼であろう
    互いに安心し合える死に方、死なせ方は、そこにおいてのみ可能のはずだ
    一蓮托生

  • 池田晶子さんの「サンデー毎日」「ボイス」の連載コラム集。
    刊行が1998年11月と今から13年以上前になるが、当時の時事問題について言及している。
    当時の問題点が更に悪化したものや逆に風化しているものもある。
    現在から13年前を見てみると、時事問題は色々と変化しているが、著者の主張する内容は全く変化していない。
    やはり、本質はココにある。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。文筆家。専門用語による「哲学」ではなく、考えるとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して多くの読者を得る。とくに若い人々に、本質を考えることの切実さと面白さ、存在の謎としての生死の大切さを語り続けた。著書多数。2007年2月23日没。

「2022年 『言葉を生きる 考えるってどういうこと?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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