介助犬シンシア

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  • 毎日新聞社 (2000年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620314310

介助犬シンシアの感想・レビュー・書評

  • ≪ストーリー≫

    木村佳友は、電機メーカーに勤めるごく普通の会社員だった。去年学生時代にコンパで知り合った女性・美智子と結婚したばかりで、これから「平凡だけど幸せな家庭を作ろう」と2人で歩み始めた、その矢先だった。佳友はいつも通りバイクで仕事場に向かっていたその時、カーブで転倒し、手術の結果首の神経を切断。医者からは、一生車いす生活を宣告された。目の前が真っ暗になった。
    それから、佳友は死ぬことも考えた。美智子も、一度は佳友との別れを考えた。周りからは別れるよう説得もされたし、実際美智子に内緒で親族が佳友に別れるようお願いに来ることもあった。しかし、2人は別れなかった。無我夢中で毎日生きている内に、最もつらい時期は通り過ぎてしまったのだった。
    それから佳友はリハビリを始めた。体が思うように動かないのは、本当に苦しいことだった。しかし、美智子も働いているので、佳友は何でも自分で出来る必要があった。必死でリハビリを続けて、3年が経ち、佳友は家に帰ることになった。
    家に帰った佳友は、リハビリの甲斐あってトイレや食事など一通りのことはできたが、物を落としたり転倒したりという突発的なことにはまだ対応が出来なかった。一度、美智子がいない時に転倒してしまって、美智子が戻るまで真っ暗な部屋で床に転がったままだったこともある。それから美智子も、夫が気になって仕事もあまり手につかなくなってしまった。悪い方向に人生が転がり始めていた。
    しばらくして、夫婦の空気は完全に煮詰まってしまった。美智子も、仕事・夫の介助・家事と追い立てられ、どんどん気持ちの余裕がなくなっていった。
    「このままでは、自分たちはダメになるかもしれない」
    そう思っていた時、美智子が急に「犬を飼いたい」と言い出した。癒してくれる存在が必要だったのだろう。世話が出来るか心配だったが、苦肉の策として犬を譲ってもらった。それが、子犬のシンシア(ラブラドール・レトリバー)だった。
    シンシアが来てから家の中が明るくなり、美智子も笑顔になった。
    このままうまく事が進むかもしれない、そう思い始めていた。
    しかし、シンシアは成長するにつれていたずらが過ぎるようになってきて、佳友の手に負えなくなってしまった。夫婦は悩んだ末、シンシアを介助犬にするためにセンターに預けることにした。シンシアと離れるのは寂しかったが、束の間のシンシアとの別れだった。

    それからシンシアはセンターで、トレーナー・矢沢友枝の訓練を毎日受けた。初めは失敗ばかりだったシンシアも、徐々に介助犬らしくなってきた。そして4ヶ月後ついに、シンシアは介助犬見習いとして木村家に帰ることになったのだ。
    木村家に帰って来てから1ヶ月は、矢沢も家に住み込んでの訓練が始まる。これは、シンシアに佳友の指示を聞かせるための訓練である。しかしシンシアは、矢沢と美智子の指示なら聞くのに、佳友の指示は聞こうとしない。シンシアにとって佳友は、指示ばかりで世話をしてくれない人間で、良い関係が築けていなかった。
    佳友はもう、シンシアに介助をしてもらうのを半ばあきらめていた。
    「介助犬なんていない方が良い」と本気で思い始めていた。
    そんな時、矢沢も美智子もいないところで、佳友が靴を落としてしまった。「シンシア、テイク靴!」そう言っても相変わらずシンシアは言うことを聞かない。何度も何度も言い続けると、やっとシンシアが言うことを聞いてくれた。佳友が本当に困っているということに、シンシアもようやく気付いたのだった。
    1ヶ月して矢沢は訓練を終えて帰って行った。それから佳友とシンシアの、闘いが始まった。散歩・買い物・電車…シンシアを連れていろいろなところへ行こうと努めた。佳友はシンシアの世話も積極的にこなした。しかし、シンシアが言うことを聞かないこともあり... 続きを読む

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介助犬シンシアの作品紹介

27歳で突然、車いす生活に。しかし、木村佳友さんには、かけがえのない家族の支えがあった。妻と、介助犬シンシア。介助犬の認知を求めて奔走する二人と一頭をやさしさあふれる筆致で追った、愛のルポルタージュ。

介助犬シンシアのオンデマンド (ペーパーバック)

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