- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620315263
感想・レビュー・書評
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今からもう10年以上も前になるだろうか。ある文化施設でアルバイトをし(親のすねをかじりつつ)なんとか生計をたてていた私は、先行きの見えなさにぼうっとなりながら、与えられた新聞の切り抜き、という業務をこなしていた。
ちょうどそのときである。毎日新聞に町田康氏の連載「どうにかなる人生」という人生相談のコーナーを見つけたのは。
どうにかなる人生!
それはたしかに、私が待ち望んでいた言葉であった。
私はその大田垣晴子氏イラストのタイトルマーク「どうにかなる人生」を切り抜き、デスクマットに挟んで、「どうにかなる人生」とつぶやき、ほっとひと心地ついたものだった。懐かしい。本になる日をあんなに心待ちにした連載は、それまでなかった。なにしろその人生相談は、今まで読んだどんな人生相談よりも刺激的だった!
相談のセレクト自体になんらかの意図が読み取れはするのだけれど、解決になるかどうかはともかくとしても、町田氏の回答は冴え渡り、例を挙げ、問題点を指摘し、相談者へ問い返すさまは見事というほかない。連載当時、その巧みな術に笑うばかりの私であったけれど、今読み返すと、回答のまっとうさに脱帽である。これこそベストの回答、と思う。この視座こそが必要なんだなあ。
後半の対談も味わい深い、とってもすばらしい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
後半の町田康といしいしんじか東京の街をあーだこーだ歩くのが読みたくて。あーだこーだ。
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前半では毎日新聞読者からの相談に町田康が答えている。問題の根っこについて考えた回答がされるので「それができたらやっとるわ」という不満はないだろう。さすがの懐の深さだと思う。
そして後半はいしいしんじとぶらり東京飄然旅。東京の綺麗なところも汚いところもぶらっと歩いていじり倒すという具合。後半もやはり町田康の視点に目からう○こという感じ。期待せずに手にとった本だが、いいもの読んだな、と。 -
第一章「どうにかなる人生」、第二章「苦悩の珍道中」という二部構成。
第一章は毎日新聞日曜版に宛てられた悩み相談に対しての、町田康なりの返答である。
日常に蔓延る徒然なる悩み。町田康の返答が果たして解決へと繋がるかどうかは疑問が多いが、笑える。
どうして笑えるのか。
<溺れている人に岸から水泳法を伝授したって無駄だ。自分も水に飛び込んでずぶ濡れにならなければならない。人を救うとはそうして一緒に水に溺れたり、泥や焼き鳥のタレにまみれしなければならない。余裕かまして口髭ひねって偉そうにしてんじゃねぇよ、腑抜け野郎。>(あとがきより)
つまりはずぶ濡れだから、笑えるのだ。詭弁など話さない、町田康はずぶ濡れになっている。
第二章はいしいしんじとの対談集。浅草、丸の内、お台場を歩きながらの対談である。
テンポの良さと、張り巡らされたリンクとが、読んでいて面白い。
いしいしんじのお札おふだ論は興味深かった。 -
ちょっとヘンテコ、たまに真面目な相談に、ウィットに富んだアドバイスでいっぱい。 隙間時間で読める本。 まぁ、だいたい世の中ヘンテコか。 いいと思います
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この本を読めば、人生なんてどうでもよくなる。へら
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町田康の人生相談の答えが全く的を射てないのだがおもしろい。
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旅先でひまつぶしに買って
帰るまでに読破
町田康流おなやみ相談室
ウィットにとんだコメントが魅力
とりあえず素敵です
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中島らも氏的な回答を町田氏に求めていた私は、まだ町田氏のことをしらなすぎました。
反省。
サブカルチャーな2人のへんてこ対談。 -
パンクな人生相談。