男の戸籍をください

著者 :
  • 毎日新聞出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620316345

感想・レビュー・書評

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  • あとがきでぼろぼろ泣いていた。LGBT(いまはSOGIという方が適切だろうか)についての本はもういくつか読んでいるけれど、毎度当事者の苦しみは察するにあまりあると思う。その苦痛のかなりの部分を社会が作っている。人権、というのもまだ不足のある、生命を揺るがす問題。
    この本では社会的な機運がどれほど醸成されても司法申し立てはことごとく却下となってことがわかる。立法は重要で、成立した特例法だって俯瞰的には問題深かったと思う(既存の制度をあくまで補完する意図ありありだったのだから)。
    でも望ましい方向に向けて少しずつ変えてゆくことが、結局は唯一の解なのだろう。その過程でこぼれおちていったもの、間に合わなかったもの、救われなかったものについて思うと、あまりに悲しい。

  • むー。

    ジェンダーもセクシャリティーも同性愛もどうでもいいから、なんとかして戸籍変更をさせてくださいって本だった。

    まぁこういうがむしゃらな当事者がいなければ、世の中って動かないものなのかも知れないねえ。。

    とすると、今やってる(であろう)セクマイ団体の動きはすんごいあまっちょろいものに見えてしまうのだが、わたしが知ってるのは表に出てる部分だけだし、多分わたしが知らないところでは急激に動いていると思いたい(←って何もしてないのに偉そう)。

    まぁそれか、急激に動かすのは無理でも少しずつってところなのかなあ。

    もうね、この本「同性愛とは違います!」って人に言うと説得力がある、とか書かれてるのがホントに何とも言えない気持ちに。。

    でもこういうのが「人にとっては分かりやすい」んだろうねえ。複雑。

  • かつて「3年B組金八先生」シリーズで、上戸彩が演じた性同一性障害の生徒、鶴本直のモデルになった方が書かれた本

    性同一性障害者の戸籍上の性別変更を求めて活動する過程が書かれてます



    全体的には読みやすいけど、裁判所への陳情書のとことか、生物学的な話のとこは、読んでて頭爆発しそーになった!笑

    でも"戸籍"ってものが、性同一性障害を持つ彼ら,彼女らにどれほど大きな壁かってことがわかったし、司法・立法の融通の利かなさもわかった



    ちょこっとだけど、ジェンダーと法を勉強した身として、見識が深められたかと思う

  • 基地外はないよなぁ・・ひどい弁護士もいたもんだ。

  • 2006/10/11

  • すごく大変だったことが分かった。行政の問題だけではなく、偏見や心の葛藤などからも戦い抜いた一冊

  • 性同一性障害に関する書籍です。
    虎井氏はFtMTSで、日本を代表する性同一性障害者の一人です。
    タイトルは「男の戸籍をください」となっていますが、虎井氏は新しい法律によって無事に男性の戸籍を獲得なされました。
    この本は、性同一性障害者が戸籍性別を変更できる特別法がまだ無い当時に書かれたものです。

  • 戸籍変更の一斉申し立てから、特措法成立直前までの四年ほどのドキュメンタリーに近い本。実は虎井氏の文章はさほど好きではないのですが(こんなこと言ってFTM業界からハブられたらイヤだな)、内容は事実や提出書類がほとんどなので、気にならず。内容も戸籍を変更することに焦点を絞っているので、当事者が読めばいくらかは勉強になります。勿論非当事者が読んでもいいけど、入門書としては敢えて奨めません。

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著者プロフィール

1963年、東京都生まれ。法政大学文学部卒業。「FTM日本」「ASIAN TS CLUB」主宰。“人間と性”教育研究協議会会員。FTMインターナショナル(本部:アメリカ)メンバー。著書『女から男になったワタシ』『キアヌ・リーブス!』(青弓社)など、共著『ある性転換者の記録』(青弓社)。

「2000年 『トランスジェンダーの仲間たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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