縦並び社会―貧富はこうして作られる

  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620317793

作品紹介・あらすじ

「一億総中流」時代が終わり、格差が広がりつつある日本。人も会社も横並びが崩れ、「勝ち組」と「負け組」にはっきり分かれていく今、私たちが生きているのは「縦並び社会」ではないか-。取材班は、格差の現場を歩き、読者とともに紙面を作り、日本の目指すべき針路を探った。

感想・レビュー・書評

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  • 規制緩和以降の派遣労働、過酷な労働、消えゆく村、人を育てられない企業、自治体の破綻など切実な問題を取材をもとに、レポートする。

  • 「規制緩和は雇用を創出した。パートと無職とどちらがいいか?」格差容認派の典型的なコメントとしての宮内義彦の言葉である。この問いには「多くの人々がパートか無職かどちらかしか選べない社会を望んでいるとは思えない」と突っ込みたいところだが、本書での宮内へのインタビューはそんな応酬とはなっていない。このあたりに象徴される一抹のくいたりなさがあるし、海外の事例取材も背景の事情がわかりづらく、やや表面的なきらいがある。ただ格差の底辺だけでなく、上澄み部分としての富裕層や、源流ともいえる規制改革の経緯にも言及し全体像を浮かび上がらせているところは気の利いた構成といえるだろう。

  • コワい本ですよー。私の読書時間は家と会社の往復時ですけど、朝から読んでると一日の始まりというさわやかさを吹き飛ばすほど否応なく陰気でドンヨリしてきます(笑)。
    派遣、健康保険、地域格差などは最近よく見聞きする話ですが、別々に思える問題もこうやって一息に読むとそれぞれが関係していることがよく分かります。ということは全体にジリ貧なんですねこの国の大半は(笑)。
    世界的に見ても裕福といわれる日本ですが、じわじわとこういう底辺層が占めてきて、まるで国内にいながら難民のようですね。自分もそのうちこうなるのだろうな…と思うし、またそれが現実味を帯びていてリアルに想像できるのがコワい。何の苦もなく困窮する自分を思い描けますもんね。これぞ底辺層。
    宮内義彦氏と竹中平蔵氏のインタビューも載ってます。
    読むとまあ、そんなにおかしなことは言ってないんですよね。おおむね正しいことを言ってます。
    が、全く全体に目を向けていないことが二人の共通点ですね。視野が狭い。というか都合の悪いところ(下層)は見ていない感じ。
    「自己責任」は大事ですが、政府の仕事と経済の仕事とを混同してますね。政治に市場主義はいりません。

  • 2冊

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