密約 日米地位協定と米兵犯罪

著者 :
  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620319858

作品紹介・あらすじ

密約によって米兵犯罪は見逃されてきた!日米地位協定にひそむ密約の闇とはなにか?国家による情報隠蔽の驚愕すべき実態とは?「安保50年」のいま、日米関係の不平等を徹底的にあばく画期的ルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 内容は私の知りたかった沖縄返還時の補償金に関する密約ではなく、日米安保条約における地位協定の密約を細かく証明しているものだった。
    本書で紹介されていた「日本では政治の資料を全部官僚が握っている(中略)その官僚と軍部と財閥が結託して太平洋戦争をやったのだから日本の軍国主義復活を防ぐには(中略)政治経済の資料が官僚に独占されているのを打破して(中略)人民の代表である国会議員の手に渡るための図書館でなくてはならない」という国会図書館の創設に関わった羽仁五郎氏の言葉が印象的だった。
    この地位協定にしろ、日本における外交問題にしろ、日本の政治世界には相当根深い問題があるのだということを痛感した一冊だった。

  •  米兵の犯罪が裁かれないのは日米地位協定での密約があるということの説明である。密約そのものの経緯を明らかにしたものではなく、米兵の犯罪を主に説明したものであるので、タイトルを米兵犯罪としたほうがよかったのではないか。例えば「裁かれない米兵犯罪」としたほうがわかりやすかった。
    米兵犯罪を卒論で扱うためには読んでおいていい本であろう。

  • 1、密約の闇
    2、閲覧禁止‥国会図書館
    3、秘密交渉
    4、米兵犯罪の実態
    5、不起訴のからくり
    6、法律を超える密約
    7、軍事優先
    8、人命と日米同盟
    9、海外派兵と地位協定

    クェートやジプチで自衛隊も米兵と同じことをしている‥とは知らなかった。他国への軍事介入は本当に恐ろしいと思った。

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著者プロフィール

よしだ・としひろ
1957年、大分県臼杵市生まれ。
ジャーナリスト。
ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める闘い
と生活、文化を長期取材した記録『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一
ノンフィクション賞受賞。近年は、戦争の出来る国に変わる恐れのある
日本の現状や、日米安保・密約などをテーマに取材。
著書に、
『森の回廊  ビルマ辺境民族解放区の1300日』
(日本放送出版協会、1995年:NHKライブラリー 上・下 、2001年)、
『宇宙樹の森  北ビルマの自然と人間その生と死』
(現代書館、1997年)、
『北ビルマ、いのちの根をたずねて』
(めこん、2000年)、
『生命の森の人びと  アジア・北ビルマの山里にて
  理論社ライブラリー 異文化に出会う本』
(理論社、2001年)、
『夫婦が死と向きあうとき』
(文藝春秋、2002年:文春文庫、2005年)
『生と死をめぐる旅へ』
(現代書館、2003年)、
『民間人も「戦地」へ  テロ対策特別措置法の現実
 岩波ブックレット』
(岩波書店、2003年)、
『ルポ戦争協力拒否 岩波新書』
(岩波書店、2005年)、
『反空爆の思想  NHKブックス』
(日本放送出版協会、2006年)、
『密約  日米地位協定と米兵犯罪』
(毎日新聞社、2010年)、
『人を"資源"と呼んでいいのか 「人的資源」の発想の危うさ』
(現代書館、2010年)、
『密約の闇をあばく 日米地位協定と米兵犯罪
  国連・憲法問題研究会報告 第49集』
(国連・憲法問題研究会、2011年)、
『赤紙と徴兵 105歳最後の兵事係の証言から』
(彩流社、2011年)、
『沖縄 日本で最も戦場に近い場所』
(毎日新聞社、2012年)、
『ダイドー・ブガ 北ビルマ・カチン州の天地人原景』
(彩流社、2012年)、
『検証・法治国家崩壊  砂川裁判と日米密約交渉
 「戦後再発見」双書3』
(新原昭治、末浪靖司との共著、創元社、2014年)、
『「日米合同委員会」の研究  謎の権力構造の正体に迫る
 「戦後再発見」双書5』
(創元社、2016年)、
『横田空域  日米合同委員会でつくられた空の壁  角川新書』
(KADOKAWA、2019年)、
『日米戦争同盟  従米構造の真実と「日米合同委員会」』
(河出書房新社、2019年)他がある。

「2020年 『日米安保と砂川判決の黒い霧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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