うさぎとマツコの往復書簡

  • 毎日新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620320281

感想・レビュー・書評

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  • 欺瞞なき地獄。

    何があったって何を選んだって、それは私の本物だよ。

  • 「往復書簡」交換日記のような文通のような感じですね。2010年の本なので、今よりもマツコさんが(発言など)だいぶ若い感じがします。絶対的信頼関係がないと、成り立たないやり取りだと思いました。

    「いろんな事が分かってくるのは、確かに後になってから。でも、その最中にずっと考え続けてないと、後になっても何もわからないとおもうのよ。時間が自然に結論を与えてくれるわけではない。」

  • 近くの本屋に置いてなかったのでアマゾンに注文しようとしたらここでも2週間待ち。あきらめて待とうと思っていたら、別の本屋で平積みされてたという(笑)。
    やっとの思いで手に入れて一読、なんとも切ない気持ちになった。
    異形の二人、と評されているけれども、ただただ己の衝動や感情に素直なだけなんじゃないかと思った。
    二人がこもごも語っていることは、私にとっては特にびっくりするようなことでも、眉をひそめる様なことでもなかった。むしろ、よくここまで赤裸々に語ったなあと思う。
    自己欺瞞やごまかしを嫌ううさぎさんは、たぶん誤解されやすい人なんだと思うけど、私は彼女の書いたものが好きで、毒舌といわれてるマツコさんは、その毒の向こうにある鋭い批判精神が清々しい。
    4点なのは、あまりにも剥きだして痛々しかったわりには、思ったほど毒がなかったなあと思ってしまったから。でも世間の善良な人たちにとってはこの程度で猛毒になってしまうのかも。

  • 対談本でこんなにシンパシーを感じた本も珍しい。このお二人とお友達になりたい。

  • サンデー毎日連載の書籍化。
    往復書簡という形式のもと、中村うさぎとマツコ・デラックスが
    互いの人生や性、フェミニズム、女性政治家、自意識といった様々なテーマで語りつくす。

    <帯紹介文>
    あたしたちは「魂の双子」
    浪費・整形etc……女の業をさすらう女王様・中村うさぎと、規格外の存在感で各界を震撼させる「女装渡世」マツコ・デラックス。
    みずからの魂を売り物にする2人に待つのは、天国か地獄か、それとも……!?

    <感想>
    マツコ・デラックスの書いた文章を始めて読んだ。
    治外法権的な利を持つ「おかま」であることの、どちらの性にも属さない哀しさ、辺りが非常に興味深かった。
    どんなに孤独だったり人間嫌いであっても、世間の女と男は、すべからく自分と同じ性、または関わらざるを得ない異性であるということ。
    でも「おかま」はそうじゃない。
    ほんの少しだけど、第3の性の深淵を覗き込んだ気分になった。

    ただ残念ながら、“自分を語る言葉”は、正直あまり持っていないな、という印象。
    それに比べて、中村うさぎは相変わらずすごい。
    自分の考えていること・感じていることだけでなく、自分自身の人間性をどうしてここまで客観的に理性的に、一片のごまかしもなく捉えられるのか。

    この本では特に、濃ーい経験を経て51歳になった中村うさぎの、人生を振り返っての赤裸々な心情吐露が読み応えあり。

  • 真剣に生きている2人がつむぎ出す言葉…最高!

  • 「自分を器用に使い分ける」について
    目からウロコでした。そんな器用なことができる人がいるなんて…私は不器用だからそんなことはできない。だから獣道を進んでいるわけで。

    好きでこんな道を進んでるんじゃない!私だって石畳みの敷いてある道を歩けるなら歩きたかった!でも私にはこの道しかないんだ!等々、くだを巻きながら進んでいるけれど、石畳みの道の方も、実は綺麗に見えて、石畳がガタガタで歩きづらいかもしれない。みんなそれぞれに大変なことがあるってことを忘れてはいけない。

    「パンドラの箱」について
    私も「ヘタレ」が入ってるに違いない。失敗したくない、負けたくないから、なにかと理由をつけてやらなかったりする。卑怯だよね〜いつからこんなお茶を濁すことが身についてしまったんだろう。逃げてばっかりじゃなにも始まらないだろう、ぶつかっていけ。でもこの年での怪我は治りが悪いだろうな笑 でもいつか傷は塞がるから、心配しないでどーんといこう!

  • 個性的で刺激的な人生を送ってきた2人が往復書簡を通じて自身の価値観を語り,ときには互いの指摘をきっかけに自己分析し、結論を出そうとしていく。中村うさぎさんの言っていた地獄の中にこそ天国があって,地獄を抜け出した今は砂漠だけ、という話が印象的。特に考えさせられたのはオカマの立ち位置の話であった。マツコが何を言っても心地よく思えるのは心の奥底で特権階級とみなしていたからだったのか。自分とここまでしっかり向き合って,分析して、言葉にして表現できるのは本当に尊敬。

  • 中村うさぎとマツコデラックスの文通。

    正直に言うと、私(アラサーのおっさん)には合わなかった。
    二人の話題は、大体は「女である自身の内情の分析」と「女装ゲイである自身の内情の分析」なのだが、私にはどちらもピンと来ず共感が出来なかったため、合わなかった。

    ただ、共感できる話題も勿論あり、そちらの分析は鋭く、面白かった。また、おっさんには分からないが、思った以上に世の中は男社会であり、少なからず女性はこの男社会に抑圧されている(全員なのか?一部なのか?は分からないが)人もいると知り、参考になった。

  • 中村うさぎとマツコデラックスのやり取り。
    すごく意見が合うから「魂の双子」なんだ
    と思っていたけれど、実際には相違が多くて
    言い合いのようになるので興味深い。
    途中マツコさんが体調不良でうさぎさん1人で
    話を進めていくこともあったが、1人で出す結論より
    反論があって気付かされる結論のほうが
    本人が深く納得しているように感じました。
    世間では異形かもしれない。でも通じる人がいる。
    お二人の関係性がとても羨ましい。

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著者プロフィール

1958年2月27日生まれ。
エッセイスト。福岡県出身。
同志社大学 文学部英文学科卒業。
1991年ライトノベルでデビュー。
以後、エッセイストとして、買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形、デリヘル勤務などの体験を書く。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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