エリートたちの読書会

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  • 毎日新聞社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620322599

作品紹介・あらすじ

アメリカ・コロラド州アスペンに集うエリートたち。リストアップされた「古典」を互いに読み合うことで、より深い"教養"へと至ろうとする試みが、毎夏繰り広げられている。本書はその由来、精神、意義を説き、著者による「名著」読解も付す。

感想・レビュー・書評

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  • 読書仲間の知人さんにお借りした一冊。
    その方曰く「眠くなった」とのことでしたが、、ふむ。

    いわゆる古今東西の“古典”を読むことと、
    それに対する“自分なりの解釈”をつくり、語り合うこと、

    そのことの“大事さ、面白さ”が述べられています。

    「教養とは価値観の多様性を認識すること」と感じていますが、
    そういった意味でも、スルッと落ちてきた内容でした。

    で、実際に著者である村上さん自身も、
    ご自分の解釈を例題的にまとめられています。

    その素材は『おくのほそ道』『平家物語』『自然学』、
    『善なるもの一なるもの』『アメリカのデモクラシー』『部分と全体』の6冊。

    それぞれに村上さんなりの「解釈」がちりばめられていますが、、
    こちらは合う合わないがあるかと思います、、私は合いませんでした(汗

    そういった意味で“眠くなった”というのが、ふむふむと。

    古典を読むこと、そしてそれをネタに“対話すること”の意義、
    そんなことを考えさせてくれる一冊でした。

    “読書会”のかたちは様々にありますが、共通する効用は、
    自分とは異なる、個人的な価値観を共有することと、

    そして、他者の価値観に飲み込まれないようにする、
    自分自身の“軸”を確立すること、でしょうか。

    そんな“場”を提供していけるようにしたいなと、あらためて。

  • 古典に学び議論するアメリカ発祥のアスペンセミナーの題材となる作品を元に、その背景を含めて、深く読み解く本。古典読解は、人類普遍のテーマを扱っているから血となり肉となるといった印象をもっているが、現代社会が伝統宗教や哲学から遠いところにある日本の環境にあっては、古典の時代背景が正しい判断を導くかどうか、心許ない。

  • 本書で書かれている中では、まず、12世紀ルネサンスと14世紀ルネサンスとを意識すべし。それから、米国民主主義に目を向けたい。

  • 自分の無知を自覚するための本。
    本を読むための本。

  • 本の読み方についての本である。
    日本の古典から最新の物理学まで、幅広い分野の本を選んで、著者が本をどのように読んでいるか、その連想や着想が述べられている。
    同時代的な知識の体系をもとに本を読み解いていっており、知識の体系を構成することに対する真摯な姿勢が伝わってくる。

  • 題名とは無関係のブックガイド。グレートブックスというらしいが、古典の解説をしているだけ。しかも脱線が多く本の内容のみならず、作者の伝記的なものまで書かれており冗長で読みにくい。P38-41にある日本のアスペン研究所とやらの、企業人の集まりによってリスト化された100冊の中から興味があるものを読めばいいだけのような。
    <グレートブックス関連サイト>
    http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/denshi/g_books/g_books.htm

  • 「古典を読もう!」ということを発表することになっていたので、村上先生の新刊を購入して読みました。ところが、ここに紹介されている本はちょっと違うのです。まあ、聖書とか古事記とかは別格として、知らない本が結構多い。唯一きちんと(高校生のとき読んで以来なので、ほとんど内容は覚えていませんが)読んだのは「部分と全体」(ハイゼンベルグ著)だけでした。逆に、この本がリストの中に入っているというのも不思議な感じですが。「沈黙の春」はこの夏に絶対読みます。最近、やっと古本で手に入れたので。さてここで紹介されている本は、アスペン・セミナーというものに集まったエリートたちが、じっくりと時間をかけて向かい合うものだそうです。私などはとても中には入れてもらえなさそうな雰囲気が漂っています。私の持つ村上先生のイメージはこういう会にぴったり合っています。ちょっとはお近づきになりたい気もしますが、まあ、最近あちこちではやっている、~~カフェなんかに参加できればいいほうかなあ。ビブリオバトルももっとやってみたいなあ。ハイゼンベルグは読み直さないといけないなあ。本棚の肥やしになっているみすずの本もいつかは手にしないと・・・

  • 教養にあふれているようで、読みづらい。

  • あらやだなんだか気恥ずかしくなるタイトルですね。「リベラル」と「エリート」安易に使ってしまいがちだけれど、日本語のカタカタと本来の英語の意味合いの大きなズレは特に気になる。果たして日本にこれらは存在するのか? それはさておきこの本のタイトルをみたとき『ハーバードなんとか宴会術』みたいなネーミングだなと感じましたが、知らずに読むと痛い目みますよ。お気楽な教養セミナーと思ったら大学の講義が始まったような気分になることうけあい。ちなみに読書会のやり方とか全くかいておりません。選ばれし人よ、世の中で人の上に立つ人材であるならば古典を(読むだけじゃなくて)深く理解しておくことが必要でありますよという趣旨で、大企業の経営者向けの読書会を開催している人らしいのですけれども、内容が専門的でこれ面白がれるには本当にかなりの教養が必要なのかもしれん。能で演じられる平家物語の話が、けっこう長い。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:019.9//Mu43

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著者プロフィール

1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学教養学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教養学部教授、同先端科学技術研究センター長、国際基督教大学教養学部教授、東洋英和女学院大学学長などを歴任。東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。『ペスト大流行』『コロナ後の世界を生きる』(ともに岩波新書)、『科学の現代を問う』(講談社現代新書)、『あらためて教養とは』(新潮文庫)、『人間にとって科学とは何か』(新潮選書)、『死ねない時代の哲学』(文春新書)など著書多数。

「2022年 『「専門家」とは誰か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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