リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門

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著者 : 井上達夫
  • 毎日新聞出版 (2015年6月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620323091

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門の感想・レビュー・書評

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  • わかりやすかった。
    同意出来ない部分についても、今後の思考の材料になるので読んで良かったと思う。
    ただ、「原理主義的護憲派」を「電車で化粧する女性」に例えるジェンダー意識は頂けない…。
    性別限定しないで出来る例えが幾らでもあるだろうに…。

  • 「皇族には人権がない。皇族とは日本最後の奴隷である。彼らを解放しなければならない」

    マジメで役に立つ話だなーと思って読んでいるうちに、だんだんヒートアップしてきて若干ウザい感じに。血管浮き出てそうな語り口だなーと思って読み進めたら最後にオチがついて、ほっこりした。

    (引用)私は、若いころ低血圧だったのに、グローバルな規模で不正がのさばっている現実に怒り、それに呑み込まれてゆく哲学の死に怒り、最近は高血圧化してしまって、降圧剤を飲み始めています。しかし、今の状況を見ていると、還暦すぎたからといって円くなっていられない。「怒りの法哲学者」として、角を立てて生きていきますよ。

    メモ:

    ポッゲのグローバルジャスティス論。ユダヤ人を600万人ころしたホロコーストをあれだけ人類史上最大の犯罪だと批判していたその人々が、年間1800万人が死んでいる貧困の問題 (poverty related death) について積極的な支援の義務がないといっているのは欺瞞だという怒り。 p.157

    本当は人権も民主主義も西欧においてすら未解決の課題なのに、欧米人はそれらを自分たちの独占物として、伝統として血肉化していると考える。外の奴らはイスラムだろうと何だろうと関係ないという態度、偏見。これはオリエンタリズム。 p.189

  • まず、リベラリズムが自由主義ではないということに驚いた。リベラルは、本来は「正義主義」とでも訳すべきでると。公正、公平を最も重んずる思想であると。その中で、グローバルジャスティス、世界正義という概念が現れる。僕も正義とは胡散臭いと思っていた。どの陣営も正義を謳うが、その正義が争いを引き起こすと。しかし、それは本来の正義ではない。実は、正義というものは厳然と存在するが、どの正義も、それらの解釈に過ぎず、その解釈の差異で争いがおこる。しかし、世界正義というものを構築していくことは無駄ではなく、必要なことだと本書から感じた。価値を相対化するだけでは後ろ向きだ。様々な価値を受け入れつつ、それでもなお、すべてを包含する正義を探求する。それこそ人類の使命ではないか。

  • 法哲学者としてリベラリズム研究をリードし、『共生の作法』でサントリー学芸賞、『法という企て』で和辻哲郎文化賞を受賞した学界ど真ん中の碩学。文章は高度に論理的で、その緻密さゆえ「難解」とされてきた。その井上達夫が、まさかこんなにくだけたタイトルの本を出すことになろうとは。本文もインタビュー形式で、読みやすい。
     「安倍政権による政治の右旋回」が急速に進む一方、対抗軸としての「リベラル」も信用を失っている今、その政治状況への応答を動機として、リベラリズムの専門家が、その真髄を、一般読者にも理解できる平易な文体で届けようとする。しかし、これは日本の「リベラル」を擁護するものではない。むしろ、その欺瞞を鋭く指摘し、厳しく批判している。そして、法哲学的な思考態度のトレーニングを兼ねて、哲学史を遡りながら本来のリベラリズムとは何か、解説していく。
     憲法9条をめぐり、法学の内外に賛否両論のある井上説(9条削除論)についても、丁寧に書かれている。哲学の冷徹な方法論と、その根本にある情熱を同時に知ることのできる最高水準の法哲学入門だ。これが、昨今の政治状況のおかげで誕生したことは何とも皮肉だが、せっかくなので広く一般に届けたい。

  • 法哲学の本を初めて読んだので、1回では内容を掴みきれなかった。もう一回、じっくり読んでみないとなぁ。
    「法という企て」〜「集合的決定」辺りが面白かった。

  •  法哲学という分野の書に手を出すのはほぼ初めてだが、本書は期待外れだった。筆者や出版社の問題ではなく、読者たる自分の理解力不足の問題なのだが。
     書名や、時折メディアに出てくる筆者の発言から、「リベラル」「リベラリズム」という語の多義性を、現実の諸問題に即して解説してくれるのかと期待していたら、そのような内容は冒頭の1~2割ほど。残りの部分では、法哲学の各思想をひたすら概念的に語っているため、分かりにくかった。また、筆者の口述を出版社が再構成しているという作りのためか、確かに一見読みやすいが、だからと言って内容が平易なわけではない。更に、「第一部」「第二部」以上の章立て・項目立てがなく、だらだらとした印象でもあった。
     筆者が重視する「正義概念」の本質は、「普遍化不可能な差別の排除」と「二重基準の禁止」。安全保障政策は通常の民主的討議の場で議論されるべきとして9条の廃止を、また無責任な好戦感情に国民が侵されないようにするために無差別公平な徴兵制を、それぞれ主張している。実現可能性はともかく、out of boxな思考としては面白い。また、過度の自己否定も過度の自己肯定も間違っているとし、リベラル派も保守派もお互いに自己批判的な視点をもって真摯な対話をする必要がある、という記述には頷けるものがあった。

  • 気鋭の法学者による「法哲学」の入門書。
    書名は言うまでもなく、前田敦子の名言から。
    なお、「法哲学」とは本書によれば「法とは何かを考える」ことで、法とは何であるか、を考える「法概念論」と、法とは何であるべきかを考える「法価値論あるいは正義論」の二つに大きく分かれるとの事。
    橘玲の「言ってはいけない」という本で本書の一部が引用され紹介されていたので読んでみたが、中盤あたりからどんどん難しくなってきて私の理解レベルを超えてしまった。著者としては入門書のつもりで書いたのかもしれないが、もう少しレベルを落としてほしかった。

  • 硬派な内容を可能な限り分かりやすい語り口にしてくれているのがありがたい。

  • メディアに頻繁に登場するワード、「リベラル」、分かってるようで 掴めていないリベラルの意味を 井上さんの哲学をもって 解明しようとする鋭さ満載で、リベラリズムとは正義であると言い切っているのが気持ちいい
    反転可能性で矛盾を問うて正義たらしめるスタンス、これ正論でしょう

    啓蒙(理性)と寛容の下りが面白く、今の自称リベラルの胡散臭さを 看破するロジックに成り得ている
    自分以外は愚かとする啓蒙
    不平等に干渉しない自閉的態度の寛容
    まるで、
    現在のマスメディアとリベラルにおける あるあるネタのよう

    私生児に対して 認知はしないけど お前は俺を守れと迫る父親〜の例えは強烈!!
    自衛隊の不憫さと平和憲法論者の欺瞞を突いている
    好戦感情を抑えるために 良心的拒否権ありきの徴兵制の下りも面白い、そのリスクやコストは自分に降りかかることで 軍事力を無責任に濫用しないようにする!という納得のロジック

  • 後から出版されたリべリべ2『憲法の涙』、小林よしのり氏との対談『ザ・議論! 「リベラルVS保守」究極対決』を読んで井上達夫先生の本は3冊目。

    70ページまでの第一部は理解できるが第2部の哲学的な内容は難解というか、チンプンカンプン。読み進めると理解できるかなと読んでいくが、チンプンカンプン。

    続編『憲法の涙』と比べて難解、半分以上チンプンカンプン、嫌いにならないでくださいどころかチンプンカンプン。

    法哲学入門ですが、チンプンカンプン。

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偽善と欺瞞とエリート主義の「リベラル」は、どうぞ嫌いになってください!戦後70年。第一人者によるリベラル再定義の書。

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