労働時間革命 残業削減で業績向上! その仕組みが分かる

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  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620323725

作品紹介・あらすじ

豊田通商/損害保険ジャパン日本興亜/JTB/さいたま市ほか、900社以上にコンサルティングを提供する著者が、飛躍的に業績を上げた企業事例とノウハウを一挙紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 一読して損はない。
    わかりやすく、納得感あり。
    ただ事例が少し多すぎてくどいかも。
    自分の働き方を見直すきっかけにもなりました。

  • 残業が減り、業績がアップした実例をこれでもかと詰め込んでいる。
    結果、読みにくい。もっと抽象化してくれた方が良かった。
    某県庁、某自動車メーカーとかで十分。

    あと結局残業の原因はそれぞれ違うから、なんにでも応用可能なノウハウはないということなのだろうが、具体的な真似できそうな記述は一切なかった。

    日本が取り巻く状況のデータは豊富に使われていた。現在の日本の状況を俯瞰的にみる一助にはなるかもしれない。

  • 労働時間と少子化の関係性、そしてそれが国の将来に大きな影響を及ぼすという側面は、これまで持ち合わせていない観点であり、勉強になった。

  • ◯育児で休んでいる女性の数を、介護で休んでいる男性の数が逆転して超えます。(46p)

    ◯100年、200年先の日本を救うことができるかどうかは、この3年にかかっているのだ(54p)

    ★これほど他人に読ませたくなる本も珍しい。あと数年で団塊ジュニア世代が介護で時間制約社員となり、いやでも労働時間短縮に取り組まなくてはならなくなる。

  • 凝り固まった思考回路に、別の切り口、視点を与えてくれるという意味では、こういうビジネス書はいいんだけれど、読んでいて面白いという感覚がないのは、読書は私にとっては趣味であり、好きだから読むのであって、何かのためになどというものとは関係のない世界だから、なのだと思う。

    自分の職場にも働き方改革の嵐は吹き荒れていて、道具や制度は揃うのだけれど、全然使えないし、使ったところで残業時間が減らない。
    なんでだろう、と思った時、もっと根本原因があって、そこを正していかなければならないのだけれど、それは1年とか2年とか、スタート地点に立つだけでもそれくらいのスパンで考えないといけなくて、成果が出始めて軌道に乗って、当たり前のようになるにはもっと時間がかかるものだ。
    それを、今すぐ!結果を!出せ!ってなるから表面的なものになってしまっている。

  • 2017年10月8日に紹介されました!

  • 2017.07.15読了
    なるほどと思った点
    ・ハーバード大学のデービッド・ブルームの学説、人口ボーナス期と人口オーナス期。人口ボーナス期は若者比率が高く安い労働力に溢れている&高齢者比率が低いので社会保障費の負担が低い→爆発的な経済発展。中国はそろそろ終わる、インドは2040年まで続く。日本の高度成長期はまさに人口ボーナス期とぴったり合う。
    ・東京大学大学院の島津明人准教授曰く、人間の脳は起きてから13時間しか集中力がもたない。それを過ぎたら酒酔い運転と同じ集中力。残業とはそんな集中力の状態での非効率な業務でしかなく、企業としてそこにコストを掛けることは利益の圧迫でしかない。

    読み終えて改めて認識した点
    ・成果だけでなく、生産性の高さを評価する人事制度が必要。いかに効率良く結果を出せているかで評価されない限り、長時間労働でカバーする人が評価されるため時間制限のある従業員は不利でありモチベーションを上げることが出来ない。従業員全員が生産性を常に上げていく意識を当たり前に持つ状態になればベスト。

  • 小室さんの本のいつもの展開。今回はいろいろな企業の実際の事例が出ていて興味深かった。説得力ある。

  • そでに書かれた「長時間労働は「勝つための手段」ではなく、「負けている原因」なのです」に集約されている。警察でも働き方改革に取り組んでいるというのはなんだか説得力があるような気がする。

  • 2015年6月末 閣議決定 長時間労働是正・働き方革命

    筆者→産業競争力会議の民間議員の一人→日本再興戦略
    当初は理解されず→女性活躍を推進しながら少子化対策にも効果がある施策は長時間労働の是正→海外からの反響多→日本政府も注目

    ×生産性が高い企業だからワーク・ライフバランスをやれる余裕があるのだろう→○導入後、数年間のタイムラグがあり生産性向上
    取り組むからこそ生産性向上

    睡眠 身体的ストレス解消後、精神的ストレス解消→短時間睡眠では問題あり→非効率な働き方につながる

    タイムオフプロジェクト アメリカの全労働者→有給取得→120万人の雇用創出 売上増・税収増

    2015年6月30日閣議決定の総論 労働生産性の向上→稼ぐ力→長時間労働の是正 経済成長 ?地方活性化等の鍵→☆つながりが不明・なぜ地方が活性化?

    2016年2月28日 働き方改革は安倍内閣の最大のチャレンジだ!

    ×長時間労働は勝つための手段(残業して仕事を取る→泥沼状態)→負けている原因

    人口ボーナス期(安い労働力多)→社会保障の負担少・全てをインフラ投資
    インド=2040年まで人口ボーナス期 日本1960年代から1990年代半ば

    一度人口ボーナス期が終わった国に、二度と人口ボーナス期は訪れない。
    経済発展→富裕層→教育投資→高学歴化→人件費上昇
    医療の発展→長寿命化→高齢者率上昇→社会保障費増大 国民1人当たりのGDP横ばい=人口オーナス期(負荷・重荷)

    ヨーロッパは先に人口オーナス期へ→日本の少子化対策失敗で急速な人口オーナス期へ

    1人目が生まれたときの夫の家事育児参画時間→短いと2人目少ない☆新居の子育て利便性要検討

    人口ボーナス期 重労働→男有利 時間=成果 新卒一括採用(メンバーシップ型)→全国転勤→他国ではありえない

    2016年4月女性活躍推進法 301人以上の企業で義務化 男女の勤務年数、離職率のデータ公表

    なるべく短時間で働く ×社内資料なのに、「てにをは」、レイアウトにこだわる

    東京大学大学院島津明人准教授「人間の脳は朝起きて13時間しか集中力は持たない。その後は飲酒運転と同じ集中力」

    2017年 団塊世代が大介護時代へ→管理職男性の介護休暇急増へ

    ×多様な人が参加していれば多様性→少数派の人材も自分がこの組織においてメイン人材であるという自信を持って発言できる状態になって初めてダイバーシティの意味がある。
    少数の女性管理職→極度の緊張→実力を発揮できない
    2014年会議のメンバーが男性ばかりでビビる→自宅で100回以上原稿を読む練習、鏡の前で練習

    団塊ジュニア女性(筆者1975年生まれ)の出産適齢期の終わり→あと2,3年しかこの国の人口を増やせる可能性のある時期はない。
    →駆け込み出産があれば2100年の人口は現在の7~8割をキープ

    さいたま市 ○父子手帳 思考停止の一面も→効率化できない、窓口は時間通りに終らない
    決まったことはしっかりやる・失敗するなら初めからやらない→管理職のマインドリセット

    ①会議前に議題をしっかりと挙げておく
    ×定時退庁できない理由について ○できない理由を特定し解決策を決定する
    ②会議のゴールを設定
    ③時間制限
    ④会議のための資料をつくらない(議題はホワイトボードへ 議事録→欠席した人も閲覧可能)

    議題を見える化すれば会議時間は激減
    管理職 無理、無駄を部下の前で口にしない→職場の雰囲気改善

    さいたま市 いつも残業している課の変化→互いのスケジュールを見やすく改良→互いの業務量把握 ファイルやラックの整理

    あわ・なつ時間 徳島県版サマータイム 車渋滞緩和

    早め早めの準備 今日やらなければならない仕事は片づける 翌日持ちこせるものは持ちこす

    長時間労働かつ業務が属人化するような働き方→多様な人材が長期的に力を発揮し続けることは難しい
    集中タイム
    仕事を自分しか知らない状態にしておかない→有給休暇取得可能

    2014年9月 損保ジャパン、日本興亜損保合併
    職場改善の効果のあった取り組み①パワーランチ②代理店ニュースの発行(知識アップ、企画力アップ)③在宅勤務・シフト④週一勉強会⑤回覧資料の削減(時間の創出)

    愛知県警 スマートワークプロジェクト
    遺失物部門→大きなホワイトボードを広げて会議 窓口対応席・事務集中席→席に役割を付けてローテーション
    システムの操作性改修 うまくいかなかったらブラッシュアップする。

    刑事部門 情報の共有☆具体的に何をしたのかの記載なし

    社会全体が労働時間の短縮を望む方向☆欧米に遅れて社会意識が変わる日本→労働時間短縮は定着するか?

    スマートワークプロジェクト→短い時間で成果 濃く賢く→強い組織

    アメリカ 時間外手当1.75倍休日出勤2倍の給与→短時間で成果を出す人を評価

    残業が出来ないことを引け目→部署を挙げて皆が早く退社→時間当たりの生産性の勝負なら負けないぞ!(忘れかけていたモチベーション)

    JTB 出版、保険グループ2万6,000人
    案件の担当2人(複数担当制) 属人化していた営業プロセスの棚卸、マニュアル化

    上限のない労働時間が出生率を下げていく仕組み
    期間当たりの生産性で競う→チームで助け合うよりも自分の成果優先→他者に差を付けたい→情報は共有せず属人化した個人戦
    女性・介護職員→勝てないレースなので諦める=本気を出さない人がいる組織 残業可能な人に仕事が集中→独身者は婚活する余裕なし

    朝起きて13時間以上は酒酔い運転状態と同じ→集中力がないが割増賃金→生産性低下、利益圧迫

    労働生産性は34カ国中21位(先進国では最下位)

    自分の人生を自分でハンドリングしている感覚は人間の幸福の大きな条件

    親の介護→急に他人事ではない

    時間泥棒上司 長引く会議 電話対応→タイマー会議

    あるIT企業 ミーティングタイマー 参加する人数と役職入力→会議にかかっている人件費がプロジェクターに表示

    残業が当たり前の人→自分がいないと仕事が回らない仕組みを構築

    全ての人にライフはある。
    これから家庭を築くかもしれない相手と出逢い、お互いの相談に乗りながら困難を乗り越えることで信頼関係を構築して、やっとの思いで結婚にたどり着くプロセスは多くの時間を必要とする。

    Impostor Syndrome 十分な実力がありながら理由もなく自信をもてずに悩む症状 シェリル・サンドバーグ(フェイスブックのCEO)☆Wikiでは分かりづらい説明

    若手女性にとってこの社会・企業組織はおかしいと思うことだらけ→今の感覚を大事にして画期的な発想

    パシフィックコンサルタンツ 官庁の発注の8割が納期3月→社長が国交省へ訴え まず5割まで以降も段階的に削減へ
    伊勢丹 正月営業を2日ではなく3日からへ イオングループ営業時間短縮へ

    政府 女性活躍を連呼

    長時間労働が国家の社会福祉費を膨張
    ①介護 要介護度の低い段階で24時間型施設へ
    ②保育 延長保育が前提は自治体の赤字につながる。
    ③年金 夫婦のうち片方が長時間→片方はパート→年金の払い手が減少
    ④少子化→年金の払い手不足
    ⑤医療 予防医学を受ける機会の損失

    スウェーデン 1日6時間勤務
    ファスト・カンパニーCEO 8時間勤務は効率的でない。休憩多い。フェイスブックのチェック 不必要な会議

    100年後、この国を救ったのはあのときの労働時間革命だった、と歴史を語るときが来るのを信じて

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著者プロフィール

株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長。公立学校250校、民間企業2000社、7省庁の働き方改革コンサルティング実績を持つ。文部科学省「中央教育審議会」委員、「産業競争力会議」民間議員など複数の公務を歴任。2児の母。『男性の育休』(天野妙氏との共著、PHP新書)など著書多数。

「2023年 『先生がいなくなる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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