強制不妊――旧優生保護法を問う

  • 毎日新聞出版
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620325774

作品紹介・あらすじ

1 6 0 0 0 人以上が未来を奪われた強制不妊手術の問題に迫るドキュメント。2 0 1 8 年度新聞協会賞受賞キャンペーン、待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • とても戦後の話とは思えない内容。北海道で件数が多いというのが意外

  • 素晴らしい本でした。
    内容への詳細な取材と、各立場への比較的フラットな調査、意見や状況の記載とともに新聞の当時の立場への反省なども含め書かれています。
    こういった倫理的には決着がついている内容の深掘りは、日本の新聞社の得意なところなのかなと想像しました。各立場の心情が、とても解像度が高い人間として描かれています。
    社会は色々な必要性や危機感から成り立っていて、この場合は人口の急増と貧困という背景の中で、優生法という歴史的な負の遺産が生まれ、倫理性について大きく吟味されないまま積極的に運用、維持されてきたというものでした。
    ここでいう倫理観とは現代の我々の倫理観ですが、おそらくは僕らが当時の人たちに、倫理的に許されないことではないのか?と質問できたとして、その反応は「え?そうなの?」ぐらいのものなのではないかと想像する。
    現代の倫理観とはそういう意味では無視されてきた、というよりはどこかで発見されてきたものなのではないかと想像する。

  • 平成になってもあった法律。
    というか戦後に成立して法律。
    らい予防法についても同じ感覚になったが、なんなんだと思うと同時にこれをきちんと正面から向き合わなければ、何も変わらない

  • 旧優生保護法というものをよく知らなかったので衝撃的な内容でした。
    特に、終戦後の日本国憲法下で初めて成立した議員立法が旧優生保護法だったというのは大変皮肉だなと思いました。普通選挙で選出された国会議員が与野党を超えこの法律を国会で成立させたということ。その意味を我々は深く考えなくてはいけないのではないでしょうか。

  • 498-M
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  • 最初から絶句し、読むのが苦しくて、すごく時間がかかってしまった。最後の第5章「『優生保護法』が問うこと」にどう向き合う?学生にも紹介したい。

  • 東2法経図・6F開架:498.2A/Ma31k//K

  • 図書館で借りた本。
    知らなかった。そんなに最近まで「問題のある人間」と判断された人が、強制的に避妊手術をされていたとは。障害があったり、素行が悪かったりで判定されたら、強制的に。ショックだったけど、読み進めるうちに家族の苦渋の判断と言うこともあると知り、一概に全部悪いとも言い切れないのかも知れない。難しい問題。今後の裁判にアンテナ立てておこう。

  • 毎日新聞が報道を始めたころからずっと記事をフォローしスクラップしてきたけれど、書籍になってもう一度読み返すことができてよかった。法律の問題は学生だったころから指摘されていたがまだ「優性保護法指定医師」という肩書があったし産婦人科を専攻するものは取得するよう言われていたものだった。記事も真に迫る記載で読み応えあるけれど、本になってよかったのは、巻末の資料がついたところ。

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著者プロフィール

2018年夏、毎日新聞東京本社編集編成局社会部の遊軍担当だった奥山はるな、堀智行、デスクを担当した篠原成行の3人を中心に構成。メンバーは、いずれも外国人や子ども、教育を取り巻く問題に関心があり、それぞれ取材を続けてきた。本書のベースとなり、毎日新聞の紙面で掲載しているキャンペーン報道「にほんでいきる」は、取材班が執筆した。

「2020年 『にほんでいきる 外国からきた子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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