ギリシャ危機の真実 ルポ「破綻」国家を行く (Mainichi Business Books)
- 毎日新聞社 (2010年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620530246
感想・レビュー・書評
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ギリシャ危機の真実を、学者から庶民まで、複数のギリシャ人に取材しながら、これまでの歴史の経緯を踏まえて、簡潔に記した良書。
段落も多く、さらっと読めてしまう本ですが、引用をたくさんしたくなるほどの充実した中身で、ギリシャ危機の真相を知りたい人には必須の書だと思います。
中でも興味深いのは、ギリシャは、各種統計に関する国家としてのガバナンスがほとんど働いていないこと。つまり、ギリシャから出てくる統計数字は、全く当てにならないということ。
ウソの数字を作って、EUにも加盟してしまったほどの国です。つまり見た目真っ当な先進国に見えるギリシャも、中味は発展途上国と大して変わらない、悪い意味でのいい加減な国。
私の思う先進国と発展途上国に違いは、第一に衣食足りているかどうか、そして第二に国家・民間の双方とも、その社会においてガバナンスが真っ当に働いているかどうか、だと思う。
闇経済がはびこる、統計数字は信用できない、コネ社会、賄賂社会で、個人の能力・実績とその報酬・対価が比例していない、といった状況の国家は、ガバナンスが働いていない、つまり、先進国ではないということ。
ギリシャはそんな国で、やはりEUに加盟させること自体、時期尚早だったと思わざるを得ません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
kindleで読んだ。現地取材で現場の声が伝わってくるルポ。
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今巷で話題のヨーロッパ債務危機問題の中心国、ギリシャでの危機についてルポです。
日本や米国、更にはドイツやフランスといった外側からみたギリシャ危機ではなく、ギリシャ現地から見て感じてそして考えたレポートでした。
過剰な公務員、過剰な国の借金、過剰な年金支給、更には世襲政治がもたらす弊害等、様々な問題を浮き彫りにしてくれていて、興味深く読めましたし、ギリシャ人気質なんかにも触れられていて、思わず笑ってしまうような話もありました。
先日紹介した「ソブリン・クライシス」に比べるとかなりカジュアルな感じですし、分量も新書で140ページ程しかないので、2、3時間もあれば読み切れる手軽さ。
ギリシャ危機についての良い入門書ではないかと思いました。 -
ギリシャ危機は歴史的なものと国民性だったのか。
というのがよくわかる。