哲学ファンタジー

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制作 : Raymond Smullyan  高橋 昌一郎 
  • 丸善 (1995年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621042243

哲学ファンタジーの感想・レビュー・書評

  • 「理性の限界」「知性の限界」と続けて読んだ勢いで、同著者による、論理学者R.スマリヤンの訳書を読んでみる。

    スマリヤンは、以前、「タオは笑っている」というタオイズム、禅と論理学を絡ませた本を読んだ事があって、かなりハマったことがあった。今でも、ときどきパラパラと読み返したくなる名著である。

    で、スマリヤンの他の本も読もうかなと思ったのだが、他はどちらかという論理ゲームみたいな本で、一般向けといっても、わりと読んでいてメンドーな感じだったので、それ以上、深入りしなかった経緯がある。

    で、この本だが、「タオは笑っている」と同傾向の本で、まさに自分が読みたかった種類のものだ。

    自分の存在、宇宙、時間、死後の世界などなど、そんなの考えたって、無駄でしょう?的なことを、さまざまなタイプの人を登場させながら、論じて行く。

    もちろん、答えはでるわけではないのだが、こうした議論を行うことを楽しんでいることが、伝わってくるわけで、そこがなんともいいんです。

    論理学者でありながら、初期のウィトゲンシュタイン、ウィーン学派などの論理実証主義的なものに対しては、「すべてを無意味してしまう」という感じで、かなり手厳しい。

    フィロソフィーは、知を愛するというわけだが、久しぶりに、純粋に、知ること、考えることを愛し、楽しんでいる哲学に出会った感じがする。

    ちなみに、訳者の「限界」シリーズの座談会方式は、この本に着想をえていたわけですね。それから、「限界」シリーズででてくる話しのいくつかの元ネタも発見。

    出版社のせいか、なんだか、装丁とか、地味で、ページ数などからすると値段もやや高めだけど、本好きには、これは大推薦!

  • スマリヤンのエッセイ集。めっちゃ面白い。わらった。
    スマリヤンには劇作家もやってほしい!
    システム内の自己矛盾や証明不可能性の表現を用いて二項対立の構造をぶちこわす様なジョークはベケットやストッパードの不条理劇の構成とほとんど同じ。しかもスマリヤンの方が無駄と隙がない。

  • 善悪・生死・知覚・存在といった哲学的問題を、様々な観点から掘り下げていく。

    多様な人物(架空の哲学者や道徳家、形而上学者など)が登場するシンポジウムという形で構成される。ギャグ的要素やパラドックスなども含まれていて、面白い議論が展開されている。

    各々の言葉に対する意味の違いや考え方の違いにより少々読みづらいと感じる場面もあるが、じっくりと読み進めていくことによって、一つの言葉を多角的に捉えることが出来る。

    本書の「おわりに」でスマリヤンは、「自分の世界観の中に他人の世界観の可能なモデルを構築することによって、得ることが実に多い」という。相手の論を排除するのではなく、どのようにして自分の考えと整合性を持たせるかを考えることは有意義だし、視野を広げることに繋がるはずだ。

  • 装丁が違っていたら「ソフィーの世界」なみに売れていたのでは、と思うくらい面白く、ユーモアに溢れた哲学小説。プラトンの対話篇のように登場人物の討論だけで構成される短編がいくつかと、哲学の重要な問題をじっくりと考えていく短編がいくつか。正確には小説にカテゴライズされない作品であるとも思うが、読後は良質の小説を読んだときと同じように、頭の中に色々な考えがぽこぽこと浮かび上がってきて、心地よい飽和状態に包まれた。

  • 論理パズルを思わせる軽い断片から,現実・認識・存在・善・他我論等の主題系を取り上げた哲学的な問いまで。それらが「対話」(ソクラテス!)や「ファンタジック」で奔放な思考実験という形で記されており、読ませる。十全な理解は果たせてはいないものの、大文字の「哲学」の面白さを改めて再確認できる好著。著者は、論理学者にして哲学者。老荘思想にも精通し、趣味はピアノとマジック。関係ないが、その風貌はガストン・バシュラールばりにできすぎている。

  • レイモンド・スマリヤンの名著。
    哲学なんていうとまわりくどくてまどろっこしい話を連想しがちだが、本書はキレのよい文章とウィットに富んだユーモアが知的好奇心を心地よく刺激してくれる。

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