現代のダ・ヴィンチ: サイエンスとアートの共生 (丸善ライブラリー 157)

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  • 丸善出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621051573

作品紹介・あらすじ

自然の脅威から逃れるために、自然の仕組みを解明したいという動機から始まったサイエンス。自分たちの社会や生活を向上させ、豊かにしたいという人間の欲望から生まれたアート。本来この二つは、安定した生活、気持ちという類似した目的をもち、区別がなかった。ところが近代に入り独立専門化し、サイエンスは公害をもたらし、アートは周囲に不快を与えるものが現れ、現代ではますますこの傾向が強くなっている。本書は、現代の困った状況を解決するには、初心に返って、サイエンスとアートの共生が必要であることを提唱した野心作である。

感想・レビュー・書評

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  • 605

    私はサイエンスの側の人間である。ある大学の物理学科を卒業し、流体力学という分野を選び、学生の教育に携わりながら研究活動を行ってきた。同時に、「形の科学会」という学会の 運営にかかわり、「形」というキーワードによっていろいろな科学の分野を結びつける仕事を してきた。この学会は「形」に強く関係しているので、アートにも無関係ではない。しかし、 サイエンスの側とアートの側の人たちが「形」に対してもっているイメージが、かなり異なっ ていることもわかってきた。とはいえ、私はアーティストではないし、哲学者や美学者でもな い。一介の物理学者に過ぎない。

    シンメトリーは、日常の日本語では対称性を意味する。すなわち、ある形の右半分を鏡で写したものが左半分の形になる。ただし、ギリシャ語から出たこの言葉の意味は、あとで述べるようにもっと広く、サイエンスとアートの接点にかかわるような概念である。

    建築学では、サイエンティストとアーティストの交流を、すでに昔から実行している。この 分野は、本来サイエンスとアートの両方にまたがっていた。建築構造を解析するというサイエ ンスの作業を行う一方で、人間の感性にマッチするデザインというアートの活動をする必要が あるからである。最近は、都市の構造物を手掛けることにより、土木工学でもそのような傾向 が出てきている。ここで紹介する動向は、建築や土木に限らず、これらの分野を越えた広い分 野でサイエンテイストとアーティストの交流が行われている例である。第1章で触れた内容と、重複する部分があることをお断りしておく。

  • 楽しく学ぶサイエンスアートの提唱。「マーブリング(墨流し)」だって「流体力学」だぜ〜

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著者プロフィール

高木 隆司
社会保険労務士法人 年金相談サービス代表。
社会保険労務士、1級FP技能士、1級DCプランナー。
日本法令での著書に、『パターン別 繰上げ・繰下げ徹底解説』
『図解でわかる! 年金分割』『年金受給 生年月日別完全ガイド』がある。
「ビジネスガイド」「年金相談」への寄稿実績多数。
社労士会・金融機関・労働組合など各種団体のセミナー・研修講師としても活躍。
一元化の第一人者としても知られる。

「2019年 『法本則・附則からひもとく 超解 年金法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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