現代のまちづくり: 地域固有の創造的環境を (丸善ライブラリー 328)
- 丸善出版 (2000年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784621053287
作品紹介・あらすじ
「まちづくり」「地域おこし」とは、一過性のイベントによって人を集めることではない。日本各地の固有文化を深く掘り起こしつつ、暮らしと産業のなかに活かす人々に注目しよう。創造都市づくりと新しい起業者精神を提起し、ソフト・パワー時代の日本再生を地域から展望する。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
まちづくりとは何か。
やっぱり一番大切なのはそのまちがもつ「特性」を最大限生かすこと。
そして一過性のものではなく、「継続性」があること。
ん上のことは地域経営の授業でも取り上げているし、ほかの本にも書いてあったこと。
もうひとつこの本で強調されていてのは、
よそのまちと「比較」すること。
比較することで、そのものの「特性」が浮き彫りになるからね。
あと文化の重要性についても述べられている。
最初にそんな感じで総論っぽいことをさらっと書いてあって、
あとは村おこし・まちづくりの成功例として、日本各地の市町村をいくつか具体的に挙げている。
具体例にわりと重点をおいている・・・・・?のかな?
特に印象的だった地域を二つほど。
その1.福井県
水が綺麗。
その特性を生かして酒造りに力を入れているということ。
⇒個人的に、福井県=水が綺麗な場所ってインプットされているので興味深かった♪
1)福井の地酒は本当に美味しい。
今まで飲んだ中で一番美味い日本酒でした。笑
2)福井出身の友達がいて、とても綺麗な肌をしていて。
一人の人間で福井を判断しちゃいけないんだろうけど(笑)、水が綺麗な場所で育った人は肌が綺麗だ!って聞いていたので、納得。
3)福井の方言で、コップ満杯の水=「つるつる一杯」というらしい。
水の表面がつるつるしている=水が綺麗な地方ならではの言葉なのかな?
そんな感じで、福井の水は綺麗なんだろうなぁ、と憧れを抱いているのです。笑
だが!そんな綺麗な水を保つのは、この現代社会においてやはり難しい。
そこで住民の意見が興味深くて。
「綺麗な水を維持すべきか?」
との問いには、ほとんどの人が賛成。
が、「そのために費用負担をしてもいいか?」と具体的な話になると、途端に過半数が反対。
地域経営の授業で、「総論賛成、各論反対」って聞いたけど、やっぱりよく見られる現象なんだね。
いいところは残したいとぼんやり考えるけど、自分が負担してまで残したい、ってほどの意識はあまり浸透していないんだろうな。
や〜〜〜、福井は水が綺麗なままでいて!
美味しい日本酒残して!
2)墨田区
取り上げられていましたよ、墨田区!!!
・中小企業振興に力を入れている。
モデルショップを指定していること。
うんうん、「墨田の個だわりショップ」って見た気がするw
・職人支援
特定の技術を持った職人さんを支援するのみならず、
依頼してその技術を公開してもらう。
そしてそれをみんなに知ってもらったり、次世代の後継者育成に生かしていく。
…あのバネ職人さんの話もあったぞ!!
・小さな博物館をたくさんつくる
下町の文化・生活史を知ってもらうため。
⇒これは実感した!
両国近辺だけでも、花火博物館とか震災博物館(?)みたいなのが色々あったもん!
「文化のなかのものづくり」のまちとして紹介されていたよ。
ちなみに秋田県小坂市と対比されていたよ。
都心の「まち」と、地方の「まち」みたいな。