人権について―オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズ

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622036678

作品紹介・あらすじ

「人権」はわれわれ人類の普遍的原理たりうるか?現代を代表する7人の哲学者が1つの問いに立ち向かう。正義、法、自由、道徳…を縦横に論じた珠玉の講義録。

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  • 【書誌情報】
    『人権について――オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズ』
    原題:ON HUMAN RIGHTS: THE OXFORD AMNESTY LECTURES 1993
    著者:Steven Lukes
    著者:John Rawls
    著者:Catharine A. MacKinnon
    著者:Richard Rorty
    著者:Jean- François Lyotard
    著者:Agnes Heller
    著者:Jon Elster
    編:Stephen Shute
    編:Susan Hurley
    訳者:中島 吉弘  社会思想史、社会哲学・社会倫理学。
    訳者:松田 まゆみ  応用言語学。

    四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
    定価 3,520円(本体3,200円)
    ISBN 4-622-03667-3 C1031
    1998年11月19日発行

    ボスニアでの衝撃的な出来事が連日報じられるなか、オックスフォード大学で公開の連続講座が催された。招聘された7名の講師は、いずれも世界的な哲学者である。
    国際人権法は、眼前の事態に対してあまりにも無力にみえる。そもそも〈人権〉という思想には、こうした事実に対抗しうる何かがあるのだろうか。それは、近代西欧世界の想像力の産物にすぎないのではないか。社会の大部分の人々をはじめから排除して成立した〈人権〉概念が、果たして普遍性をもちうるのか。西欧リベラリズムの政治的伝統を離れて、それを異なる文化に適用することがなぜ可能といえるのか。
    こうした難問に対する答えを、哲学の立場から多彩な切り口で追求したのが本書である。正義の理念を拡張する手続きを通じて注目すべき理論を展開するロールズ、人権の「基礎づけ主義」を真っ向から否定するローティ、フェミニズムの視点から新たな平等概念の確立を訴えるマッキノンなど、刺激的な議論が次々に現れる。
    全体主義の重い経験とその瓦解後なおも続く模索は、人権理論に大きな課題を負わせている。西欧世界のうちそとを問わず続けられる思索と実践のために、素通りすることを許さない里程標として、本書は意味をもつことであろう。
    https://www.msz.co.jp/book/detail/03667.html


    【目次】
    オックスフォード・アムネスティ・レクチャーズへの序 [i-ii]
    謝辞 [iii]
    目次 [v-vi]
    タイトル [vii]
    凡例 [viii]

    序文(スティーヴン・シュート/スーザン・ハーリー) 001

    人権をめぐる五つの寓話……スティーヴン・ルークス 023

    万民の法……ジョン・ロールズ 051

    戦時の犯罪、平時の犯罪……キャサリン・マッキノン 103

    人権、理性、感情……リチャード・ローティ 137

    他者の権利……ジャン=フランソワ・リオタール 167

    自然法の限界と邪悪のパラドックス……アグネス・ヘラー 183

    多数決原理と個人の権利……ヤン・エルスター 213

    原註 [259-294]
    訳註 [295-299]
    訳者あとがき [301-304]
    索引 [i-vi]([305-310])
    編著者略歴 [311-312]

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著者プロフィール

ジョン・ロールズ (John Rawls)
1921-2002年。アメリカの倫理学者。元ハーヴァード大学教授。1950年プリンストン大学にて「倫理の知の諸根拠に関する研究」で博士号取得。コーネル大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)を経て、1962年ハーヴァード大学哲学部教授に就任、哲学科主任を経て、1991年より名誉教授。ほかの著書に『正義論』(改訂版、川本隆史・福間聡・神島裕子訳、紀伊國屋書店、2010年)、『万民の法』(中山竜一訳、岩波書店、2006年)、『公正としての正義 再説』(エリン・ケリー編、田中成明ほか訳、岩波現代文庫、2020年)、『ロールズ政治哲学史講義』(Ⅰ・Ⅱ、サミュエル・フリーマン編、齋藤純一ほか訳、2020年)などがある。

「2022年 『政治的リベラリズム 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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