家族の深淵

  • 86人登録
  • 3.74評価
    • (5)
    • (5)
    • (8)
    • (1)
    • (0)
  • 4レビュー
著者 : 中井久夫
  • みすず書房 (1995年9月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622045939

家族の深淵の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ここ十年ほどは、年最初の読書は中井久夫の著作というのが続いていて、今年2012年もこの「家族の深淵」の再読から始めた。
    往診で体験した「家族」というものの文字通り深淵を、センセーションでもなくドラマでもなく、さりとて無味乾燥な報告でもなく、捉え伝える最初のエッセイ「家族の深淵」から始まる一冊。
    精神から身体から菌類の香り、現代ギリシャの詩に至るまで、様々なものに視点を移動させつつ、無限の教養の森を彷徨していく文章たちである。

    中井久夫の文章には、文筆家特有のあの臭気が本当に一切ない。徹底した「精神科医」という自己規定からはみだすことなく、またそれを(あらゆる意味で)利用することもなく、このはるかな高みに達した文章を作り出すことには、本当に、ただただ感嘆するしかない。

    またエッセイの掲載順も、それぞれの文章に物理的重量があってそれをしかるべき順番に配列したかのような、ほとんど完璧なものとなっていることも見逃せない。

    あらゆる意味で、本というものの理想の形のひとつがここにあると思う。恐らく一生、この本を読み続けるであろう。

  • 精神科医、中井久夫さんのエッセイ集。とある精神科の先生から借りて読みました。

    「患者を治療者の(治したいという)欲望の対象にしてはならない」という一節が何度か登場するけれど、とても心に沁みた。自分も設計という行為を、その結果としての建物を己の欲望の対象にしてはいないかと常に自問していきたい。

    そもそもこの本を薦められたのは、「精神病棟の設計に参与する」というエッセイが収録されているためで、内容もさることながら著者のアクソメ図がカラーで数点収められているという珍しい本だから。病院設計に携わる人間として、とても興味深く読み進んだ。

    その他のエッセイも珠玉の小品多し。設計に興味がある方にも、そうでない方にも楽しめる1冊。

  • 精神科医である中井久夫の第2エッセイ集。

    ちなみに、私は、タイトルにもなっている「家族の深淵」というエッセイをお薦めします。これだけのために本書を買っても、全く高いと思いません。

    最近は手に入りにくくなってきているようです。
    興味を持たれた方は、急いで注文してください。

  • jyuwa-っと読んでしまった1冊

全4件中 1 - 4件を表示

中井久夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
中井 久夫
中井 久夫
中井 久夫
中沢 新一
中井 久夫
中井 久夫
ミシェル・フーコ...
ヴィクトール・E...
安部 公房
中井 久夫
有効な右矢印 無効な右矢印

家族の深淵を本棚に登録しているひと

家族の深淵を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

家族の深淵の作品紹介

往診先での医師と家族のあり方を描いた表題作をはじめ、独自の文化論「きのこの勾いについて」まで。精神科医としての観察と感受と寛容が生んだ38エッセイ。

家族の深淵はこんな本です

ツイートする