夜のある町で

著者 :
  • みすず書房
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本棚登録 : 99
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622046561

感想・レビュー・書評

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  • 荒川洋治の詩は、正直言うとよくわからない。
    詩は難しい。
    けれど、このエッセイ集は大好きです。
    忘れられている、人との繋がり、言葉の重み、作家たち。文章はとても分かりやすく、視点に温かみがあります。

  • 詩人・荒川洋治さんのエッセイ集。
    素朴でリズミカルな文章で、詩のような雰囲気がある。柔らかなユーモアと少しの哀愁。何気ない日常風景から読み取り綴られたドラマは楽しくて、ほんの少し寂しい
    タクシーに乗る時…の章を読み始めた時「見覚えがある…?」と思ったが川上弘美先生のエッセイに引用されていた文章だった。
    寄稿文や書評も有るのだが、唐突に挟まれる寄稿文に少し困惑。書評は後半にまとまってあるので、なんだか掲載位置が不思議…と思ってしまった

  • 「本を読むのが遅いんです」そういう人に、このエッセイ集を薦めたいと思っている。<br />
     作者は荒川洋治という詩人である。だから自然と、詩や文学についての話が多くなる。けれど、困ったことがある。そこであげられた作家のほとんどを私は知らなかったのだ。<br />
     彼が口にするのは、忘れられた作家なのである。文学史にも残らない、皆に忘れられた人々。荒川はそういう作家の小さな声を聴き取ってゆく。こんなひとがいたそうですよ、あんなひともいたそうですよ、荒川洋治はそう語る。<br />
     本書には何かを「教えてやろう」という気配もないし「主張するぞ」という意気込みもない。ただ静かに、荒川洋治は語っている。<br />
     冒頭に「読むのが遅い」人に薦めたいと書いた。それはなぜかというと、この文の"調子"を味わって欲しいからである。読むのが遅い人というのは、きっと考えながら読んだり、あるいは一字一句飛ばさずに丁寧に読んでいる人だろう。荒川の文章は、そういう読み方にこそふさわしいのだと思う。ほんとうにきもちのよい流れだった。<br />
     ときに、彼の言っていることは攻撃的になったりもする。なのに、ふしぎとやさしさだけは失われない。まさに"語り口"の魅力があるからだろう。(けー)<br />
    <br />
    (追記)この本棚にある山田詠美『4U』のいくつかの作品を、荒川さんはとても誉めていた。『4U』もいつか読んでみたい。

  • 本屋にない!読みたい!

  • ストーリーを楽しむ、知識を得る、それはまだ読書の入り口をうろうろしているに過ぎないんだな。

  • 不思議な魅力のあるエッセイ。
    詩人の使う言葉は、やはり少しどころかだいぶん違う。

  • 荒川洋二は言葉に迫力がある。簡潔でわかりやすい。文章が上手

  • ぼくには友だちは三、四人しかいない。
    こちらが思っているだけだからニ、三人だろうか。
    また、我が家へ人を招くのは
    一年に一度あるかどうか。
    友だちも客も少ない人生を
    選んでいるのである。

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著者プロフィール

荒川洋治
一九四九 (昭和二四) 年、福井県生まれ。現代詩作家。早稲田大学第一文学部文芸科を卒業。七五年の詩集『水駅』でH氏賞を受賞。『渡世』で高見順賞、『空中の茱萸』で読売文学賞、『心理』で萩原朔太郎賞、『北山十八間戸』で鮎川信夫賞、評論集『文芸時評という感想』で小林秀雄賞、『過去をもつ人』で毎日出版文化賞書評賞を受賞。エッセイ集に『文学は実学である』など。二〇〇五年、新潮創刊一〇〇周年記念『名短篇』の編集長をつとめた。一七年より、川端康成文学賞選考委員。一九年、恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。日本芸術院会員。

「2023年 『文庫の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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