ファンタジア

  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622072096

感想・レビュー・書評

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  • もっと早く知りたかった。 
    でもこの本に出会えてよかった。 
    先生や、大人たち、子供たち、みんなに読んでほしい。 

    好奇心を持ち続けること。 
    楽しむ事。 
    学んで、楽しんで、想像して、創造する。 
     
    この本読んだら世界が少し変わる

  • 気づきのある本だった

    ●ファンタジア, 創造力, 発明がどのように機能するかを解明するためには,記憶の中でどのように認知したデータを操作し, 関係づけているのか調べる必要がある。
    ファンタジアのもっとも基本的な活動としてはまず, ある状況を転覆させることであり,反対にしたり, 対立させたりして考えることである。ちょうど“あべこべの世界”といわれているように。
    第二のケースとして考えられるのは, 内容を変えずにある事柄を反復すること。一ではなく多にする。この場合,すべて同質のものかヴァリエーションで行う。
    次に,視覚的あるいは機能的に類似するもの同士の関係がある。例えば, テーブルの脚=動物の肢。それから,交換または代用という定義のもと一括りにできる一群の関係がある。例えば,色彩, 重量, 素材, 場所, 機能,大きさ, 動き
    等の交換。また,いくつかの異なるものを関係づけながら, ある一つのものを作るということがある。これは視覚芸術, デッサン, 絵画, 彫刻, 映画において表現される。 例えばモンスターなど。最後に,関係の中の関係がある。素材や色彩を交換し, 本来の場所でないところに置く, などというように。

    ・白は物体をイミテーションにする
    ・素材の交換
    ・場所や機能の交換(デュシャン)
    ・時間や動きの交換
    ・大きさの交換

    ・一つの体に異なる要素を融合する
    ・対象の重さをかえる


    ●ファンタジアとは, これまでになかった新しいことを考えださせる人間の能力である。ファンタジアは, まったく架空のもの, 新しいもの、これまでになかったものを自由に考えていい。その考えが本当に新しいかどうか確認せねば,なんて心配しなくていい。それはファンタジアの領分ではない。もし本当に新しいことなのかどうか確かめたいなら,理性を介入させる必要がある。ファンタジアの考えついたことが,実はもう前例のあることなのか, 本当に新しいことなのか, これを確認するためにデータ収集を始めねばならない。ファンタジアに恵まれた人とは, 絶対的に新しいことを考えだす人ではなく,その人にとって新しいことを考えだす人のことだ。その考えが本当に新しいかどうかは, 当人にしてみればどちらでもいいことかもしれない。 彼にとっては, 新しいことを思いつくこと自体が楽しいのだから, それだけで満足なのかもし
    れないのだ。

    ●創造力とは,発明と同様ファンタジアを, いやむしろファンタジアと発明の両方を多角的な方法で活用するものである。デザインは企届設計をする手段であり, 創造力はデザインの分野で活用される。デザインはファンタジアのごとく自由で,発明のごとく精密であるにも簡わらず, ひとつの問題のあらゆる側面をも内包する手段である。つまりファンタジアのイメージ部分, 発明の機能部分だけではなく, 心理的,社会的,経済的,人間的側面をも含みもつものである。デザインとは,オブジェ, シンボル, 環境, 新しい教育法, 人々に共通の要求を解決するためのプロジェクト·メソッド等々を企画設計することだと言ってもいいだろう。

    ●子供は壮大なファンタジアの持ち主だと多くの人が信じている。 なぜなら,現実的でないものを子供のイタズラ書きや話す内容からとるからだ。あるいは, 大人は, 自分がずいぶん条件づけられて行き場のない状態にあるから, もう子供と同じようには発想できないと感
    じ,子供の壮大なファンタジアを信じ込んでいるのかもしれない。しかし実際には,子供もきわめて単純な操作をしているに過ぎない。つまり,子供はよく知らないものには知っているものを投影するのである。食べる, 泣く,眠る, 母さんと話す, うんちをする, 歩く, そして眠る,これが子供のすることだ。世界を知らない子供にとってはどんなことも自分と同等となる。 例えば, 大きなボールは小さなボールのお母さん。ボールが汚いな, 今うんちをしたんだね。ボールは寒いかな,ぽくは寒いよ…とこんなふうに。これはファンタジアではない。

    ●ムナーリは次のような言葉を残している。
    子供の精神を, 一生ずっと
    自分の中に持ち続ける。
    それは知りたいという好奇心を
    理解する喜びを
    コミュニケーションしたいという思いを
    持ち続けるということ。

  • ヴァンジ彫刻庭園美術館
    ブルーノ・ムナーリのファンタジア 想像力ってなんだろう?
    会期:2013年10月20日(日)─ 2014年3月25日(火)
    〒411-0931 静岡県長泉町東野クレマチスの丘(スルガ平)347-1
    TEL 055-989-8787 FAX 055-989-8790
    http://www.vangi-museum.jp/index.html
    「ブルーノ・ムナーリのファンタジア」展のお知らせ
    http://www.msz.co.jp/news/event/

    みすず書房のPR
    「デザイナー、芸術家、詩人、発明家、美術教育家……天衣無縫な創造活動を通し、驚きと気づきにあふれたモノたちを生み出しつづけたイタリアの異才、ブルーノ・ムナーリ。

    創造力ってなに?――この、誰もが知りたい謎かけのような問いに挑んだのが、われらが先生、マエストロ・ムナーリだ。茶目っ気たっぷりに目を輝かせ、引き出しから多種多彩な図版をつぎつぎ取り出しながら、鮮やかな切り口で、新しいものが生まれ出るまでのメカニズムを分析・解明してみせる。

    創造力、発明、想像力、そしてもうひとつの人間の能力《ファンタジア》。これらの力を自由に働かせることができれば、人はみんな《クリエイティヴ》になる――この本には、造形のファンタジスタ、ムナーリが培った《クリエイティヴィティ》を育て活用する方法、幸せをもたらす創造のヒントがつまっている。

    「あ、ひとつだけお忘れなく。みんなにも、教えてあげること――」 」

  • 記録

  • グラフィック・デザイナー、ブルーノ・ムナーリの本。クリエイティヴィティとは何かをいろいろな角度から示して、さらにそれを育てる手法まで語る。
    自分的に刺さった文章「無知こそが最大の自由を与えると信じるのは絶対に間違っている。むしろ、知識こそが自己表現の手段を完全に操る力を与えるのだ。」
    本当にその通りだと思う。日本のクリエイターはGoogleに頼らず、もっと歴史と古典を学ぶべきだと思う。

  • 発想法をまなぶ良い教材。
    「あまりに軽くてふわふわとんでいってしまいそうな毛むくじゃらの青い〇〇」
    〇〇にいろんな言葉を入れてみよう、という遊びを思いついた。大喜利ともいえる

  • ファンタジア。本の中では創造性や想像力とも別物として論じらていて訳するのが難しいが、芸術性とでも言うべきか。

    で、このファンタジアとは自分の知識や築いてきた文化に比例する、と。

    そしてファンタジアを発揮するための様々な方法が書いてありそれも面白い(ただ、昨今よくあるひらめきの本と同じ。こっちが本家、というか古いけど笑)が、それを読んで思ったのは、芸術作品のメッセージを読み取る方法とも言えるということだ。そういう意味では、末永幸歩の「13歳からのアート思考」と同じような感覚で読んだ。

  • いろんなクリエイティビティの作り方が記載されている。
    反対のものを合わせる。
    単一のものを複数にする。

  • 【所蔵館】
    総合図書館中百舌鳥

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000941086

  • こういう授業を受けてみたい!
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12381827420.html

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著者プロフィール

ブルーノ・ムナーリ(BrunoMunari)
1907年ミラノ生まれ。イタリアの前衛美術活動「未来派」に共鳴し、造形作品の発表をはじめる。1930年代よりグラフィックデザイナー、アートディレクターとして本の編集や装丁を手がけ、戦後ダネーゼ社をはじめとするプロダクトデザインの仕事も多数。1954年、55年、79年にコンパッソドーロ賞を受賞。子どものための実験的な絵本やワークショップによっても世界に知られ、1974年、84年に国際アンデルセン賞を受賞。60年代以降、ハーバード大学で視覚表現によるコミュニケーションについて講義を行うなど、新しい時代のためのデザイン教育に尽力。1998年の没後なお、創造の本質に迫る教育の普及に貢献し続けている。

「2018年 『点と線のひみつ ブルーノ・ムナーリのデザイン教本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ブルーノ・ムナーリの作品

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